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用意周到!【アメリカ軍装備品】陸軍航空隊クロスチャート(エスケープマップ・日本と南シナ海)とは? 0743 🇺🇸 ミリタリー

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今回は、1940年代にアメリカ陸軍航空隊がパイロットに支給したクロスチャートを分析します。

文字通りクロス(布)に描かれたチャート(図表)で、今回のモデルは地図になります。

用途から「エスケープマップ」とも呼ばれていますね。

とても詳細にプリントされていて驚きました。

残念ポイントもありますが、時代を考えると程度は良い方だと思いますよ!

   目次

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1  アメリカ陸軍航空隊クロスチャート(日本と南シナ海)とは?

ところで、あなたは「風船爆弾」ってご存知ですか?

 

「風船爆弾」とは、太平洋戦争末期、日本上空に吹いているジェット気流(強い偏西風)を発見した日本軍が、それを利用してアメリカ本土を攻撃した気球爆弾のことです。

 

ja.wikipedia.org

 

実際に風船爆弾は、一部がアメリカ本土に到達しましたが、爆弾による被害は微々たるものでした。

 

被害よりも、むしろアメリカの受けた心理的ショックの方が大きかったようですね。

(ある日突然、航空機も見えないのに正体不明の爆弾が降ってきたら、そりゃ驚きますよ。)

 

ところが爆弾発見後、数日してそれが日本からのものであることが判明しました。

 

何故なら、気球の爆弾(の箱)の底に付着していた土が、日本のある地方のものだった…と言うことが判ったからです。

 

これは…つまりアメリカには、日本各地の土を採取し研究していた研究者(マニア?ヲタク?)がいたのですね。

 

当時の日本では想像だにしなかったのですが、本当は一瞬でバレていたことになります。

 

アメリカ恐るべしです。

 

もしかして、アメリカはマニアの集団なのかもしれませんね。

 

今回のモデルも、おそらくそんなマニアックな連中が集まって作ったであろう地図になります。

 

当時のアメリカ陸軍航空隊(AAF:アーミーエアフォース)のパイロットに支給されたり、サバイバルキットの中に組み込まれていたりしました。

 

その詳細にわたるプリントは(当時の日本製地図を参考にしたとはいえ)驚くべきものですよ。

 

さてさて、それはどんなクロスチャートなのでしょうか?

 

今回は、第二次大戦から朝鮮戦争のアメリカ軍パイロット装備マニアのあなたと一緒に、確認していきましょう!

(なお、実際に使用されていたものなので、皺や汚れが目立ちます。)

2  アメリカ陸軍航空隊クロスチャート(日本と南シナ海)の全体及び細部写真

A面

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B面

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AAFは陸軍航空隊の意
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日本と南シナ海
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1945年度契約品です。
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各凡例
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凡例①
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凡例②距離
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凡例③
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作図範囲
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A面日本部分(北日本)
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太平洋側には風や海流などのデーターが書き込まれています。

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勿論、世界共通の日本海表記
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東および西日本

B面は、かなり褪色しています。

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南西域

ちゃんと与那国もありますね。

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そして勿論台湾も。
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3  アメリカ陸軍航空隊クロスチャート(日本と南シナ海)の特徴とは?

生地はレーヨンの平織で、各辺の末端はもう解れかけています。

(でも紙より遥かに強いですよね。)

 

A面には北日本と大陸の日本海沿岸。

 

B面には西日本と南シナ海(台湾、フィリピンも一部網羅)しています。

 

何故かB面のみ褪色が激しいです。

(もしかしたらプリントが最初から薄かったのかも。)

 

内容としては日本の各都市の位置は勿論、鉄道路線なども詳細に記載されています。

 

洋上では、季節ごとの大まかな風、海流などが記載されていて、不時着水した場合にどちらへ流されるか?…などがわかりますね。

(あくまで目安ですが。)

 

全体としては、やはり「持てる国アメリカ」の贅沢な装備品のイメージです。

4  アメリカ陸軍航空隊クロスチャート(日本と南シナ海)の製造とサイズのデータ

・製造又は契約年度 1945年

・製造場所     アメリカ

・契約会社     アメリカ

・製造会社      〃

・材  質     レーヨン

・各部のサイズ   縦 約75センチ

          横 約80センチ

・状  態     中古並品

・官民区分     官給品

・入手場所     山口の骨董市

・入手難易度    4(極めて困難)

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5  アメリカ陸軍航空隊クロスチャート(日本と南シナ海)まとめ

布に地図をプリント(描いたり)するのは、昔の冒険映画や海賊映画でもお馴染みですね。

(秘密の財宝を探すとか…。)

 

水に濡れても紙のように破れたりしないし、いざと言う時にはハンカチとか包帯がわりに使えますね。

 

何より、不時着水した場合、このチャートがあるとないとでは心の持ち方が違ってくるのではないでしょうか?

 (実用というより、精神的な支えが目的だったのかも。)

 

いずれにせよ、アメリカ軍の用意周到さがわかって面白いですね。

 

製造は1945年で太平洋戦争中でしたが、後の朝鮮戦争にも使用されたかもしれません。

 

あまり見かけないので、もしかしたら貴重なものかもしれませんね。

 

一説によると、ヨーロッパ用もあったとか?

 

できれば程度の良い物(デッドストックとか)で日本付近のチャートを全種集めたいですね。

 

今回は、貴重な太平洋戦争中のアメリカ陸軍航空隊クロスチャートを分析しました。

次回は、陸上自衛隊のレザーユニフォームを分析します。

お楽しみに!

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参考:他のパイロット装備はこちらです。⬇︎

www.military-spec-an.com

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Twitterで見つけました。

今回は地図関係の記事だったので関連情報です。

まあ、これが一般的で普遍的な国際的常識なのですけどね。

 

読んでいただき、ありがとうございました。

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