今回は、1990年代の海上自衛隊パイロット用ヘルメットを分析します。
アメリカ軍のヘルメットを参考に国産化された軽量ヘルメットですね。
でも…疑問点がありました!
残念ポイントもありますが、状態は良い方ですよ!
目次
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1 海上自衛隊パイロット用ヘルメット(FHG-3-Ⅱ)とは?
あまり知られていませんが、第二次大戦の頃までパイロット用ヘルメット(飛行帽と呼ばれていましたが)は皮革や布製でした。
いわゆる「ソフトシェル・ヘルメット」ですね。
衝撃や被弾からの防御ではなく、頭部の保温や無線機レシーバーの保持が目的であったようです。
しかし航空機のエンジンがジェット化し速度が向上してくると、緊急脱出時や不時着時の頭部保護が問題になってきました。
そこで導入されたのが、「ハードシェル・ヘルメット」です。
やはりこの分野でも先行したのはアメリカでした。
陸軍のM1ヘルメットなどもそうでしたが、アメフト用のヘルメットを応用して製造されましたよ。
当初、合成樹脂製のシェル(外殻)に皮革や布製のサスペンンションが内蔵されていましたね。
(自衛隊のライナー(中帽)とか工事用ヘルメットのイメージ。)
その後、バイザーの追加、ライニング(内張)の改良などが行われていきました。
一方、自衛隊はアメリカ軍のパイロットヘルメットの国産コピーから始まり、少しずつ日本人向けに改良していきました。
今回のモデルはその中でも比較的新しい海上自衛隊のモデルになります。
バイク用ヘルメットで有名なメーカー製ですね。
やはりアメリカ軍のHGP–2APタイプのヘルメットを参考にしているようです。
アメリカ軍HGP–2APパイロットヘルメット
http://www.skylife.co.jp/gentexhelmets.html
実は今回のモデルとほぼ同じ形式のヘルメットは、陸上自衛隊、航空自衛隊、海上保安庁、消防、警察でも一部で使用されていますね。
さてさて、それはどんなパイロット用ヘルメットなのでしょうか?
今回は、海上自衛隊パイロット装備マニアのあなたと一緒に、確認していきましょう!
2 全体及び細部写真です!
全体形
前面
背面
左側面
右側面
上面
底面
クリアーバイザー使用
前面
側面
スモークバイザー使用
前面
側面
両バイザーを同時に使用できます。
クリアーバイザー用レバー
ヘルメットの左側面にあります。
陸上自衛隊や航空自衛隊用にはありません。
スモークバイザー用ノブ
ヘルメットバイザー頂部にあります。
航空自衛隊では丸型が多いですね。
ねじ込むことにより、バイザーを任意の位置で固定することもできます。
無線レシーバー用コード導入部
(実働)
バイザーカバーの取り付けは左右2個(合計4個)のスクリュー(ネジ)
これがこのヘルメットの識別点の一つですね。
(アメリカ軍ものは3個が多いです。)
バイザーカバー背面のスリット
内装
マジックテープで取り付けられていて、取り外し丸洗い可能です。
イヤーパットにはイヤホンを仕込む配線あり。
パットもマジックテープで取り付け。
チンストラップ
ダットファスナーとマジックテープで開閉
一方向からしか留めることができません。
ファットファスナーの刻印
片側はバックルでストラップの長さを調整できます。
チンストラップはスクリュー(ネジ)で留まっていますが、自由に動かすことができます。
ネックストラップ
後頭部固定してヘルメットを安定させます。
タグ
後部には割れが!😓
修正可能ですが、塗装が少々面倒ですね。
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3 その特徴とは?
シェルは強化プラスティック製ですが、よくあるABSではないように思えます。
(割れの部分から判断しました。)
もしかしたら対弾・対破片性に優れた材質なのかもしれません。
カラーはニュートラルグレイで、現用航空機の機内色であるインテリアグレイに似ています。…が、今回のモデルは少々色調が違っていますね。
(僅かに明るいです。🤔)
表面に使用感がないので、もしかしたら再塗装されているかも知れません。
デザインは、やはりアメリカ軍のパイロットヘルメットHGU–2AP(シングルバイザー)辺りを参考にしていますが、スモークとクリアのダブルバイザータイプになっているのが大きな違いですね。
ただ、ダブルバイザーは海上自衛隊型の特徴ですが、操作レバーが少々違うデザインなのが気になります。
(今回のモデルのレバーは、海上保安庁などのモデルに似ています。)
一方、ライニングはライトグレイのポリエステル生地に包まれたクッション材で、表面にマジックテープを貼ることができます。
そのためこのヘルメットもブラックのライナーがあって、取り外して丸洗いできますよ。
チンストラップは、単純な一本式でマジックテープとダットファスナーで開閉します。
全体的には、以前のモデルであるFHG–1、−2より軽量化が進んでいるようです。
4 製造とサイズのデータです!
製造・契約年度 1992年
製造場所 日本
契約会社 日本
製造会社 〃
材 質 強化
プラスティック
発泡スチロール
ポリエステル
表記サイズ 大
(日本人のL)
各部のサイズ 縦 約26cm
横 約26cm
奥行 約22cm
状 態 中古並品
官民区分 官給品
入手場所 東京のイベント
入手難易度 3(困難)
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5 まとめ
航空自衛隊と違って、海上自衛隊のモデルがスモークとクリアのデュアルバイザー方式を採用しているのは、夜間における長時間の飛行を想定しているからとの情報があります。
そういえば、昼夜を問わず低空で活動する攻撃機のパイロットは、各国ともデュアルバイザータイプのヘルメットを使用している場合が多いですね。
(夜間の作戦では、さすがにスモークは使用しませんよね。)
ヘルメットのカラーがグレイで艶消しなのは理由があります。
例えばホワイトだった場合、ヘルメットが光を反射してキャノピー内に映り、敵機発見に支障が出るから…と、航空自衛隊のエースパイロットから伺ったことがあります。
海上自衛隊のパイロットも船舶監視などでは、日光の角度によりウインドシールドに反射する…かもしれませんね。
さて今回のモデルですが、グレイの色調、クリアバイザーレバー、綺麗な表面塗装などから、もしかしたら消防のモデルを海上自衛隊風に塗装し直したものかもしれません。
(タグのNSNは自衛隊の官給品ぽいのですが…。)
いつか海上自衛隊の基地祭で確認したいですね。
ところで、海上自衛隊のみならず各自衛隊の官給品ヘルメットは入手困難です。
でも全国の消防航空隊では新型機材の導入に伴い、この型のヘルメットが処分されているようですね。
…というのも、公官庁の正式なオークションに中古品が多数出品されているのを目撃したからです。
(最終的にはとても高額で落札されていました。私も頑張って入札したのですが、全く届かず!)
お金に糸目をつけないあなたなら、今が入手するチャンスかも!
公官庁オークションにも注目ですね。
今回は、海上自衛隊が装備しているデュアルバイザーのパイロットヘルメットを分析しました。
いやー、自衛隊装備品って、本当に素晴らしいですね!
それでは、また次回をお楽しみに!
(20240322更新)
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参考:他の海上自衛隊装備に関する記事はこちらです。⬇︎
他の自衛隊装備に関する記事はこちらです。⬇︎
各国軍のパイロット装備に関する記事はこちらです。⬇︎
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今回のモデルは海上自衛隊型のヘルメットでしたが、「エヴァンゲリヲン新劇場版:破」の冒頭戦闘シーンでは航空自衛隊型が登場しますね。
(ユーロネルフから退避する加持リョウジが被っていました。)
ちゃんと酸素マスクや、マスク取り付け用ブラケットも航空自衛隊タイプなのが泣けてきます。
現在シン・エヴァンゲリヲンがヒットしていますが、ヘルメットの確認も含めて、今一度「序」から観直してみてはいかがでしょうか?
読んでいただき、ありがとうございました。
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