
今回は、1960年代のノルウェー陸軍フィールドジャケットを分析します。
以前分析したノルウェー陸軍ODフィールドジャケットと同じモデルなのですが、購入後自宅で保管していたら、とんでもないことが起こっていました。
ヨーロッパ物には時々ある現象?のようです。
全くのデッドストックなのですが…今回は「閲覧注意!」でお願いします。
目次
スポンサーリンク
スポンサーリンク
1 ノルウェー陸軍フィールドジャケット(OD・M43タイプ・生地変色モデル)とは?

科学の発達により、現在は完璧に近い防水性と通気性を兼ね備えた夢の素材を開発されていますね。
例えばゴアテックス。
開発したアメリカのメーカーが名付けたこの素材は、雨などの水滴は遮断し、同時に身体から発する水蒸気は排出するという魔法のような機能が有名ですよね。
現在では日本を含め多くの国が似たような素材を開発、アウトドア製品を中心に多く採用していますよ。
でもゴアテックス登場以前(1970年代以前)では少々状況が異なっていました。
自国のフィールドジャケットの生地には、予め防水・撥水液を塗布し、僅かな時間なら雨具を使用しなくても過ごせるようにしていましたよ。
今回のモデルは、そんな機能を持たせて開発されたノルウェー軍のフィールドジャケットになります。
ただし塗布したと思われる防水・撥水液(…と思われるもの)が長期の保管により変色してしまったモデルになります。
ちゃんと保管してあったのに…発見した当時はとてもショックで落ち込みました。
変色の原因は不明ですがよく調べて見るとある特徴があったことから、なんとか修復できるのでは?…と考えています。
さてさて、それはどんなふうに変色したフィールドジャケットなのでしょうか?
今回はノルウェー軍装備マニアのみならず、同じような状況に陥っているコレクターのあなたと一緒に、確認していきましょう!
2 全体及び細部写真です!
前面
アメリカ軍M43フィールドジャケットをコピーしたデザインが特徴です。
でも本来のODが、殆どライトブラウンに変色していますね。

背面
変色は一様ではなくまだらで、まるで手動の霧吹きで液体を不均一に吹きかけたようなパターンになっています。

前面裏側
一方ライニングには全く変色がありません。
変色はシェルのみですね。

背面裏側

襟裏など普段日射や蛍光灯の影響を受けにくい箇所ももれなく変色していますね。


襟の原色

やはりライニングには全く変色がありません。
つまりこれは保管時の湿気による「カビ」ではありません。

ウエストのドローコードも変色していませんね。

前合わせはボタンのみ。
ここもアメリカ軍M43フィールドジャケットと同じですね。

うなじのタグ
タグやループも変色していませんね。

スタンプ
1969年度契約品です。

エポレット
テーパーなしのクサビ型。
ボタンで開閉。
エポレットの裏も変色。


胸ポケット
ボタンで開閉。


腰ポケット
こちらもボタンで開閉。


袖
テーパー付。


袖口はボタンで開閉。

前合わせのボタンホール部は別生地で補強されています。
この生地も変色はありませんね。

勿論ポケットマチ部分も変色。

ボタンはOGのプラスティック製。

場所によっては、殆ど均一に変色している箇所もあります。

変色はシェルのみで、ご覧のように何かの液体を吹き付けた箇所のみ変色しています。

スポンサーリンク
スポンサーリンク
3 その特徴とは?
シェルの生地は、本来ODなのですが殆どの部分が明るいブラウンに変色していますね。
普段空気に触れにくいところも一様に変色していることから、日射や蛍光灯などの紫外線による変色ではありません。
製造過程で何らかの液体をシェルに塗布し製造、その後変色したようです。
一方OGのライニングに変色は全くありません。
それどころかタグやドローコードにも変色は見られないことから、湿気によるカビや後天性の汚れではないことがわかります。
(もちろんカビ臭もありません。)
デザインはノルウェー陸軍ODフィールドジャケットと全く同じです。
(原型はアメリカ軍M43フィールドジャケットでしたね。)
全体的な縫製は、丁寧かつ正確なのですが、シェルに塗布されたなんらかの液体は、かなりいい加減な塗布がされていた印象があります。
4 製造とサイズのデータです!
製造・契約年度 1969年
製造場所 ノルウェー
契約会社 ノルウェー
製造会社 〃
材 質 コットン
表記サイズ 46
(日本人のL)
各部のサイズ(平置)
肩幅 約48cm
身幅 約59cm
着丈 約76cm
袖丈 約60cm
状 態 デッドストック
(生地に変色あり。)
官民区分 官給品
入手場所 大阪の専門店
入手難易度 3(困難)
スポンサーリンク
![]()
ノルウェー軍 50's~ M-43タイプ フィールドジャケット 民間モデル ダメージ size50 M~L相当 ユーロミリタリー 貝塚店 IT6ARC2F4UWQ 【中古】 RK778TA
スポンサーリンク
5 まとめ
シェルに塗布された液体が何かは不明です。
(おそらく撥水、防水液または防カビ剤?)
でも、どうせならムラなく塗布して欲しかった気がしますね。😅
(ライトブラウン一色なら、そんなカラーのフィールドジャケット…として着られました。)
せっかくの上質な仕立てが台無しになっている気がします。
厳格なノルウェー軍でもこんなことがあるのですね。

ところでこのフィールドジャケットは、日射の影響を防ぐべく、窓を閉めきった部屋で衣類カバーに入れハンガーに吊るして保管していました。
蛍光灯の影響も受けないように、点灯は必要最小限にしていたのですが…。
何故このジャケットだけ変色してしまったのか原因は不明です。
(同軍の明るいオリーブグリーンのモデルは変色がありませんでした。)
もしかしたら同じノルウェー陸軍フィールドジャケット(OD)をコレクションしているあなたは、今一度在庫を確認してみてください。
さて、今後ですがこのフィールドジャケットをなんとか修復したいと考えています。
脱色して再度染色…というのは少々手間がかかるしライニングにも被害が及ぶので、別の方法を試したいですね。
修復の行程は、ぜひこのブログで記事で追記(更新)していきたいと思います。
ご期待ください!
(そして気長にお待ちください!)
今回は原因不明ですが無惨にもシェル生地がブラウンに変色してしまったノルウェー軍のフィールドジャケットを分析しました。
いやー軍装品て、本当に面白いですね!
それでは、また次回をお楽しみに!
スポンサーリンク
スポンサーリンク
参考:他のノルウェー軍フィールドジャケットに関する記事はこちらです。⬇︎
他のノルウェー軍装備に関する記事はこちらです。⬇︎
各国軍の防寒装備に関する記事はこちらです。⬇︎
各国軍の単色衣類に関する記事はこちらです。⬇︎
✳︎ ✳︎ ✳︎
読んでいただき、ありがとうございました。
スポンサーリンク
![]()
ノルウェー軍 50's~ M-43タイプ フィールドジャケット 民間モデル ダメージ size50 M~L相当 ユーロミリタリー 貝塚店 IT6ARC2F4UWQ 【中古】 RK778TA
![]()
Norwegian ARMY 80's ノルウェー軍 M-85 フィールドジャケット カモフラージュ柄 迷彩柄 ユーロミリタリー 三国ケ丘店 ITYRT8RUCGR3 【中古】 RM5716D
![]()
ノルウェー軍 スノーカモパーカー ホワイト デッドストック JP120NN フード付き ジャケット コート 戦闘服 薄手 コットン 雪上迷彩 カモフラージュ 白 実物ミリタリー 軍物 軍モノ 未使用品
スポンサーリンク
