今回は、1940年代のアメリカ軍M43フィールドジャケットと付属のカッタータグについて分析します。
これまでも一部のアイテムでカッタータグ付きのものがありましたね。
でも今回は、ほぼ完全に残っている状態のものになります。
M43フィールドジャケットではとても珍しいですね。
今回のアイテムは…勿論、デッドストック(その2)ですよ!
目次
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1 アメリカ陸軍M43フィールドジャケットとカッタータグとは?
我々が例えばスーツを特注(オーダーメイド)で仕立てる場合、テーラーの職人さんは、着用する人の採寸を綿密に行います。
(身体のサイズやバランスは、人によって微妙に違いますからね。)
そして、注文主(ユーザー)ごとに型紙を作成し、使用する生地を注意深く裁断しパーツを作成、そして丁寧に縫製します。
数着同時に作業する場合もありますが、高級ショップになると一着づつ縫製していくことが多いですね。
でも大きな工場で、同じサイズとデザインの衣類を短期間に、しかも大量に製造する場合はどうでしょう?
いちいち採寸などせずに、決められたサイズごとに同じパーツを大量に裁断し、文業で縫い合わせていくでしょう。
その際、生地が裁断したままだったら、もしかしたら間違って違うサイズのパーツを縫い合わせてしまうおそれがありますね。
「カッタータグ」というのは、そんな製造時のミスを防ぐために、裁断された生地パーツに取り付ける一種のマーキングになります。
さてさて、それはどんなものなのでしょうか?
今回はM43フィールドジャケット(デッドストック)を参考にして、軍装品コレクション初心者のあなたと一緒に、確認していきましょう!
2 全体及び細部写真です!
前面
概ね各パーツ毎に一枚のカッタータグが取り付けられています。
左腰ポケットフラップのタグは、最初から紛失していました。
(取り付けられた跡はありました!)
背面
背中は一枚の生地なので広い面積ながらタグは1毎だけですね。
前面裏側
背面裏側
カッタータグは前面に集中していますね。
前合わせはボタンのみ
うなじのサイズタグ
データステンシル(またはスタンプ?)
ボタンホールの補強生地(カーキ)には、カッタータグがありません。
あくまでサテン生地のみですね。
エポレット
こちらにもちゃんとカッタータグがあります。
胸ポケット
ポケットフラップ裏側や各パーツには付いていませんね。
腰ポケット
胸ポケットと同様の造りですね。
タグ
とても綺麗に残っています。
でもモデル品用タグとは全く違いますね。
今回のモデルは、腰ポケット口の生地が僅かに違う色調でした。
袖
勿論袖にもカッタータグあり。
袖口はボタンで開閉しますが、マチの生地にはカッタータグがありませんね。
襟裏や前身頃の裏地(サテン)にもちゃんとカッタータグが取り付けられています。
ウエストのドローコード
これにはタグを取り付けられませんね。
背面のライニングにもしっかり取り付けられています。
シェルと内側前身頃の生地も僅かに色調が変わっています。
カッタータグの詳細
表記されている内容は、全て同じですね。
中央にコの字型のホチキスのような針で固定されています。
この固定方法から、生地の段階で取り付けられているようです。
このタグは、サイズかロット番号が間違っていたのか、シールで修正されていました。
おまけ
専用フード(デッドストック)
これにはカッタータグがありませんでした。
(付いていた痕跡もなし。)
右側面
左側面
左側面裏側
右側面裏側
サイズスタンプ
38〜42インチに対応
前面に内蔵されているドローコード付け根
四角い皮革で補強されていますが、時期によっては丸型もあります。
タグ
1945年度契約品です。
その下にある取り扱い説明書
内側は、ここでも色調の違う生地が使用されていました。
参考
後継モデルM50フィールドジャケット用フードとの色調差
左:M43用フード
右:M50用フード
M43用はOD(オリーブドラブ)ですがM50用はOG(オリーブグリーン)ですね。
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3 その特徴とは?
M43フィールドジャケットは、後期生産型になります。
(腰ポケットのフラップ左右が長いタイプ)
生地はシェルがODのコットンサテンで、重いですが防風性能が高いです。
ほぼ全面にOG(オリーブグリーン)コットンポプリンのライニングがあって、保温性もありますよ。
デザインは、エポレット付き、胸ポケット×2、腰ポケット×2で、前合わせや袖はボタン留めです。
デッドストックなので、改造などは一切されていません。
一方、カッタータグは厚紙製で、ホチキスの針に似たスチール製のクリップで留められています。
(ただし、針の両端は尖っていて、かつ左右が重なって留まっています。取り外しにコツが必要ですよ!)
厚紙は基本、ホワイトやイエロー(場合によってはピンク!)で、わざと目立つようにしていますね。
このクリップが錆びていて、シェルに錆染みを残している場合が多いです。
主に大戦中のアメリカ軍衣料品は、ほぼこのカッタータグが付いていて、場合によってはクリップが衣類に残っている場合もあります。
4 製造とサイズのデータです!
製造・契約年度 1945年
製造場所 アメリカ
契約会社 アメリカ
製造会社 〃
表記サイズ 36R
(日本人のL)
各部のサイズ(平置)
ジャケット
着丈 約75cm
肩幅 約48cm
身幅 約58cm
袖丈 約61cm
カッタータグ
縦 約18mm
横 約16mm
状 態 デッドストック
官民区分 官給品
入手場所 大阪の専門店
入手難易度 5(まず無理)
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5 まとめ
カッタータグに関しては、一見そこまでやらなくても…なんて考えてしまいますね。
でも、特に補給が戦争の勝敗の分ける現代戦では、軍隊用衣料品と言えど、より正確かつ迅速に製造することが重要なのでしょうね。
(工場(?)の職人さんがミスをしないよう、こんな配慮もなされていたのですね。)
全てが量産に特化した態勢をとっているアメリカ。…恐るべしです。
さて製造には便利なカッタータグですが、つけたままなら「動く標的」と化します。
そのため、衣類を支給された兵士は、すぐに取り外したのは言うまでもありません。
たまに取り忘れもありますが、今回のモデルのように殆ど残っているのは、とても少ないですね。
(しかし、これがデッドストックや極上品の目安にもなりますよ。)
初心者のあなたは、アメリカ軍装備を購入したら外側のみならず裏側もチェックして、念のためにカッタータグとクリップの有無や取り付け状況を確認しましょう。
(クリップで下に着る衣類などが傷ついたり怪我をする場合もありますよ。)
着用メインで子運輸する場合は、カッタータグがキレイに取り外された個体を探してみましょう!
今回は、アメリカ軍のM43フィールドジャケットと、そのカッタータグについて分析しました。
いやー軍装品って、本当に素晴らしいですね!
それでは、また次回をお楽しみに!
(20241201更新)
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参考:他のアメリカ軍M43フィールドジャケットに関する記事はこちらです。⬇︎
他のアメリカ軍装備に関する記事はこちらです。⬇︎
各国軍の防寒装備に関する記事はこちらです。⬇︎
各国軍の単色衣類に関する記事はこちらです。⬇︎
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読んでいただき、ありがとうございました。
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