
今回は、1950年代の航空自衛隊56式航空服(パイロットスーツ)を分析します。
以前分析した航空自衛隊パイロットスーツ(56式航空服2型)の最初の型ですね。
アメリカ軍パイロットスーツをほぼそのままコピーしていますよ。
実際に隊員さんが使用していたもので所々汚れ?がありますが、時代を考えると程度は良好です!
目次
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1 航空自衛隊56式航空服(パイロットスーツ・初期型)とは?

太平洋戦争でアメリカに敗れた日本は、戦後アメリカを主体とするGHQから、あろうことか戦争放棄や軍隊の所有を禁止する憲法を押し付けられました。
ところが戦後すぐに勃発した朝鮮戦争にともない、なんとアメリカ指導のもと再軍備が始まります。
(朝令暮改どころの騒ぎではありませんよね。)
その際に新設されたのが各国軍の空軍に相当する航空自衛隊でした。
(旧日本軍には陸軍および海軍の航空隊はありましたが、空軍はありませんでした。)
そして航空自衛隊を指導したのは、当時の陸軍航空隊から独立したアメリカ空軍でしたね。
もちろん各種航空機やパイロット装備もアメリカ空軍用だったりしました。
それでも早い段階から、アメリカ軍装備に準じる国産の装備を開発していたようですよ。
今回のモデルは、そんな航空自衛隊発足当時のパイロットスーツ(フライトスーツ)になります。
56式という型式が与えられていますが、ほとんどそのままアメリカ軍のパイロットスーツをコピーしているところが後のモデルとの相違点ですね。
さてさて、それはどんなパイロットスーツなのでしょうか?
今回は、航空自衛隊装備マニアのみならず、世界のパイロットスーツコレクターのあなたと一緒に、確認していきましょう!
2 全体及び細部写真です!
全体前面
左右非対称のデザインです。
各ジッパーの生地が目立ちますね。
本来はグレイなのですが褪色して白に近いベージュになっています。

前面上半身

前面下半身

全体背面

背面上半身

背面下半身

全体前面裏側

前面上半身裏側

前面下半身裏側

全体背面裏側

背面上半身裏側

背面下半身裏側

襟周りレイアウト
参考にしたアメリカ空軍K-2Bにも左胸ポケットのみというモデルが存在しますね。

前合わせはジッパーのみ。

勿論ジッパーは上下から開くダブルジッパーです。
でもスライダーのプルタブが上下で違っていますね。
勿論「YKK」

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1957年(昭和32年)度契約品です。

左胸ポケット
ジッパーで開閉。

酸素マスク用タブ
縫糸やミシン目を見ると、どうやら後に追加されたようです。
ブラックのナイロン製。

ウエストのサイズ調整タブ
ダットファスナーで開閉・調整。
ダットファスナー表面は紺色。


ウエスト背面
何本かのタックあり。

右膝ポケット
水平のジッパーで開閉。

左膝ポケット
こちらは縦のジッパーで開閉。

左膝ポケット上にあるクリップ
後のモデルより硬質な皮革が使用されています。
(なんとなく染めも薄いですね。)


ふくらはぎポケット
ジッパーで開閉。
後のモデルのように、ポケット表面にペンポケットや底部の補強皮革もありません。

足首のジッパー
マチ付きです。


腰スリット
ジッパーで開閉。


袖
テーパー付き。


袖口はダットファスナーで調整可能。


袖ポケット
左袖にあります。
ジッパーで開閉。

ジッパーの生地は、当初はグレイだったようです。
日射等で褪色した結果、現在のようなベージュになったようです。

一部のダットファスナーは円形の力布が追加されていますね。

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3 その特徴とは?
生地はセージグリーン…というよりは、ライトオリーブドラブといったやや茶色味の強いグレイに染められたコットンギャバジン製で、肌触りがとても良いです。
デザインは、1950年代のアメリカ空軍パイロットスーツK-2Bの胸ポケットが左胸にしかないモデルを参考にしているようですね。
デザイン比較
今回のモデル

1950年代アメリカ空軍K-2B
(胸ポケットが左胸のみのタイプ)
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構成は、エポレットなし、胸ポケット、腰スリット×2、膝ポケット×2、ふくらはぎポケット×2、袖ポケットで、ウエストにはサイズ調整用のタブがあります。
もちろん左膝のクリップも装備していますよ。
面白いのは胸に酸素マスク(のクリップ)用タブがスーツ製造後に縫い付けられているところですね。
おそらく当時の酸素マスクがアメリカ空軍用であったため、必要に応じて取り付けられたのだと思われます。
全体的な縫製は正確かつ丁寧で、この当時から高い品質を誇っています。
4 製造とサイズのデータです!
製造・契約年度 1957年
製造場所 日本
契約会社 日本
製造会社 〃
材 質 コットン
表記サイズ 5
(日本人のXS)
各部のサイズ(平置)
肩幅 約39cm
身幅 約47cm
袖丈 約50cm
ウエスト 約42cm
着丈 約135cm
股下 約63cm
裾幅 約15cm
状 態 中古上品
官民区分 官給品
入手場所 東京イベント
入手難易度 4(極めて困難)
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5 まとめ
このモデルの後に開発された56式航空服2型では、アメリカ軍パイロットスーツを参考としながらも、自衛隊独自の改良を加えられていました。
でも今回のモデルは、まさにそのままのデザインですね。
おそらくこれが戦後開発された最初の航空自衛隊パイロットスーツなのでは?
(すぐにモデルチェンジされたようですが…😅)
このモデルもある意味パイロットスーツにおける「始祖」なのかもしれませんね。

それはともかく、今回のモデルも入手は極めて困難でしょう。
私も偶然入手したに過ぎません。
もちろん、いつか奇跡的にデッドストックや極上品が見つかることがあるかもしれません。
でもそんな程度の良い個体は、おそらく高価で取引されるはずです。
探しているあなたは、資金を貯めつつオークションやミリタリーイベントをチェックしてみましょう!
私は、同じモデルのデッドストックを探してみたいと思います。
今回は、希少な航空自衛隊56式航空服(パイロットスーツ)の初期型を分析しました。
いやー自衛隊装備品って、本当に素晴らしいですね!
それではまた、次回をお楽しみに!
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参考:航空自衛隊パイロットスーツ(モデル品も含む)に関する記事はこちらです。⬇︎
他の自衛隊装備に関する記事はこちらです。⬇︎
各国軍のパイロットスーツに関する記事はこちらです。⬇︎
各国軍の単色衣類に関する記事はこちらです。⬇︎
✳︎ ✳︎ ✳︎
読んでいただき、ありがとうございました。
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