
今回は、2010年代のイギリス軍エアークルーカバーオールを分析します。
いわゆるパイロットスーツですね。
以前分析したイギリス空軍パイロットスーツ(Mk.16)と同じ生地が使用されています。
でもそれまでのモデルにあった伝統的なデザインが変更されていました。
まさかのデッドストックですよ!
目次
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1 イギリス軍エアークルーカバーオール(パイロットスーツ・セージグリーン)とは?

第一次大戦ですでに空軍を所有し、第二次大戦では強力なドイツ空軍との戦いに勝利したRAF(ロイヤルエアフォース:イギリス空軍)。
一部を除きその殆どが凡作以下の機体だったにも関わらず、並々ならずガッツで戦いに挑んだのは有名な話ですよね。
戦後も国産航空機は一部のメーカーを除きやはり駄作揃い。
せっかく輸入したアメリカ製F-4ファントムでさえ、不注意な改造を施してノーマルより性能を低下させる始末。
結果、自国による戦闘機の単独開発を放棄し他国との共同開発に至っていますね。
それでもパイロットは伝統ある歴史を背負って精鋭揃いで勇猛果敢と聞いています。
今回のモデルは、そんなイギリス空軍パイロットが使用するエアークルーカバーオール(パイロットスーツ)になります。
おそらく最新型だと思われますが、デザインをアメリカ軍のパイロットスーツに寄せてきているのが特徴です。
さてさて、それはどんなエアクルーカバーオールなのでしょうか?
今回は、イギリス空軍装備マニアのみならず、アメリカ軍以外のパイロットスーツをお探しのあなたと一緒に、確認していきましょう!
2 全体及び細部写真です!
全体前面

前面上半身

前面下半身

全体背面

背面上半身

背面下半身

前面上半身裏側

前面下半身裏側

背面上半身裏側

背面下半身裏側

襟周りレイアウト

伝統のスーツ襟は廃止されて、アメリカ軍のような丸襟に変更されました。

ジッパー
刻印は「riri」

前合わせはジッパーのみ。
ちゃんとストームフラップ(ウインドシールド)もあります。

ジッパーは上下から開くダブルジッパーです。

ジッパー裏側にはストームフラップ(ウインドシールド)あり。

背面のアクションプリーツ
(バイスイング)

タグ
品名から型式番号を示す「MK.XX」が消えていますね。
ノーメックス(難燃繊維)の他、ケブラー繊維と静電気防止繊維を混紡!

エポレット
テーパーなしのラウンド型
マジックテープで開閉。


肩にはアメリカ軍パイロットスーツのような補強生地あり。

伝統の前見頃にあるDループ。
用途は何でしょう?

左胸のネイムタグ用マジックテープ。

胸ポケット
ジッパーで開閉。

ウエストのサイズ調整タブ
アメリカ軍のCWU-27Pタイプですね。


ウエストのサイズ調整ストラップは背面でゴムを内蔵しています。

腰スラッシュポケット
ポケット内にスリットはありません。

大腿部の補強生地

裾
テーパー付。

ふくらはぎポケット
マジックテープで開閉。
ポケットの容量に対応できるようポケット本体のマジックテープは幅広ですね。


ポケットは後方にマチ付き。

足首はジッパーで開閉。
他軍のように大きくは開かないですね。
マチ付きです。


袖
テーパー付。


左袖ポケット
ジッパーで開閉。
表面にはクッション材(おそらくスポンジ)内蔵のペンポケットあり。

右袖ポケット
こちらにペンポケットはありませんが、大面積のマジックテープが縫い付けられていますよ。

脇の通気孔
両袖側にあります。
刺繍で片側4個。

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3 その特徴とは?
生地はセージグリーンに染められたノーメックス(難燃繊維)/ケブラー繊維/静電気帯電防止繊維製で、丈夫ですが肌触りが少々ガサガサしています。
セージグリーンの色調はアメリカ軍より緑味が強いですね。
デザインは、伝統のデザインからアメリカ軍CWU-27Pに寄せてきていますよ。
デザイン比較
今回のモデル

アメリカ軍CWU-27P

伝統的なデザインのイギリス空軍Mk.16パイロットスーツ

もはや残っているのはエポレットとフロント右のDリングですね。
構成は、エポレット付き、胸ポケット×2、腰ポケット×2、袖ポケット×2、ふくらはぎポケット×2で、膝ポケットはありません。
伝統のDループは残っていますが、それまでのエレガントなスーツ襟は丸襟に変更されていますよ。
そういえば胸ポケットの角度も、より斜めになっていますね。
全体的な縫製は、丁寧かつ正確なイギリス軍スタンダードな仕立てです。
4 製造とサイズのデータです!
製造・契約年度 2010年代
製造場所 イギリス
契約会社 イギリス
製造会社 〃
材 質 ノーメックス
(難燃繊維)
ケブラー
表記サイズ 180/122/78
(日本人のXL)
各部のサイズ(平置)
肩幅 約52cm
身幅 約57cm
袖丈 約61cm
ウエスト 約51cm
着丈 約160cm
股下 約75cm
裾幅 約22cm
状 態 デッドストック
官民区分 官給品
入手場所 東京の専門店
入手難易度 3(困難)
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5 まとめ
近年イギリス空軍が支給していたパイロットスーツは、襟が一般的なスーツのように開襟で、胸ポケットが急な角度で取り付けられていました。
でも今回のモデルでは、いわゆるアメリカ式に変更してきたのは何か意味があるのでしょうか?
イギリス人は伝統を重んじ、おいそれと現行のシステムやデザインを変更することは少ないと聞いています。
個人的には、せっかく独自路線(デザイン)を走っていたのに、少々残念な気がしますが、より使いやすく合理的なデザインである…ということに気付いたのでしょうか?
…だとするなら、少々寂しいですね。

それはともかく、イギリス空軍パイロットスーツは現在でも大手通販サイトで入手可能です。
でも今回のモデルはなかなか見つかりません。
イギリス(ヨーロッパものを含む)軍に強いSHOPなら、あるいは入荷してるかもしれません。
探しているあなたは、オークションやネットショップも含めてチェックしてみましょう。
私は、1950年代のイギリス空軍パイロットスーツを探してみたいと思います。
今回は、最新型と思われるイギリス空軍エアークルーカバーオール(パイロットスーツ)を分析しました。
いやー軍装品って、本当に素晴らしいですね!
それではまた、次回をお楽しみに!
(20250828更新)
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参考:他のイギリス軍パイロットスーツに関する記事はこちらです。⬇︎
各国軍のパイロットスーツに関する記事はこちらです。⬇︎
他のイギリス軍装備に関する記事はこちらです。⬇︎
各国軍の単色衣類に関する記事はこちらです。⬇︎
✳︎ ✳︎ ✳︎
読んでいただき、ありがとうございました。
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