今回は、1960年代のアメリカ軍M51フィールドジャケットを分析します。
以前「中期型」を分析しましたが、今回は「後期型」ですね。
後に開発されたジャケットとの共通点がありましたよ!
欠品、破損などがありますが、まだまだ着用可能です!
目次
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1 アメリカ軍M51フィールドジャケット(後期型)とは?
アメリカが朝鮮戦争中に開発したM51フィールドジャケット。
前作M50フィールドジャケットが、有名なM43フィールドジャケットの言わば「焼き直し」だったのに比べて、新規に開発したM51フィールドジャケットは1950年代を代表する「傑作戦闘服」でした。
世界各国にも影響を与え、多くの国でコピーされたのは有名な話ですね。
(陸上自衛隊が装備している作業外被の原型…との説もあります。🤔)
また、1951年に登場後、1960年代中期まで使用された、息の長いモデルでもありました。
そんなM51フィールドジャケットですが、じつは中期型以前と後期型では、デザインこそ同じですが、細部はマイナーチェンジがなされていました。
今回のモデルはその後期型でも末期のモデルになります。
次のM65フィールドジャケットに移行する過渡期の製品とも言えますね。
さてさて、それはどんなM51フィールドジャケットなのでしょうか?
今回は、アメリカ軍フィールドジャケットマニアのみならず、ベトナム戦争時のアメリカ軍装備マニアのあなたと一緒に、確認していきましょう!
2 全体及び細部写真です!
前面
心なしかシェルのカラーが明るい色調のような気もします。
背面
前面裏側
背面裏側
襟周りレイアウト
襟は裏のボタンで立てることができます。
(入手当初からボタンが割れていました。😓)
前合わせはジッパーとボタンなのですが、今回のモデルはジッパーが丁寧に取り外されていました。😅
タグ①
サイズの他、FSNも記載されています。
朝鮮戦争の名残でしょうか?
イギリスとカナダのサイズが表記されていますね。
タグ②
1962年度契約品です。
タグ③
取扱説明書ですね。
OG-107系です。
エポレット
使用されているボタンは、ジャングルファーティーグ初期型タイプ!
(艶々です!)
因みに中期型以前のボタンはこちらです。
胸ポケット
ダットファスナーで開閉
ウエストのドローコードは欠品。
表側に出すタイプですね。
ステッチに乱れがあることから、何回かジッパーを交換したようです。
今回のモデルは、裏側にドローコードのホールがありません。
裾のドローコードも欠品。
コード入出口はボタンホールタイプなのに注意。
腰ポケット
こちらもダットファスナーで開閉
ポケット内部はM65フィールドジャケットのような生成りのコットン生地。
因みに初期型はマスタードシャツのようなカーキの薄いウール記事。
中期型は、やや厚いODのウール毛布生地でした。
左胸のテープは、サブデュードタイプ。
ベトナム戦争当時のものでしょうか?
袖
立体裁断ですね。
袖口はボタンで開閉
勿論ライナー用ボタンも同じタイプ。
ボタン拡大
ODのプラスティック製で肉厚タイプ。
これだけでも貴重ですね!
(カメラの都合で赤味が強く写りますがODです。)
今回のモデルは、袖のシェル(一部)が擦り切れて穴が開いていました。😓
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3 その特徴とは?
シェルはOG-107(オリーブグリーン107)のコットンサテンで、防風性能が高いですが、少々重いですね。
それでも中期型に比べると、やや軽量化が図られているようです。
また生地の色調も変更されていますね。
(これは製造誤差かもしれませんが…。)
デザインは、通常のM51フィールドジャケットと大きく変わりません。
構成は、エポレット付き、胸ポケット×2、腰ポケット×2ですが、腰ポケットの内側生地は中期型以前にあった毛布生地ではなく、生成りのコットン製に変更されていました。
加えて、
- 各ボタンが艶あり肉厚OD(オリーブドラブ)のプラスティック製
- ライニングがノンリップコットンポプリン製
というのが相違点ですね。
特にボタンは、アメリカ軍がベトナム戦争中に開発したトロピカルコンバットコート(ジャングルファーティーグ)に用いられているものとよく似ていますね。
全体的な縫製は、やや雑ですが強度は抜群のアメリカ軍スタンダードです。
今回のモデルは、ジッパーが取り外されていましたが、おそらくアルミジッパーが装備されていたと考えられますね。
4 製造とサイズのデータです!
製造・契約年度 1962年
製造場所 アメリカ
契約会社 アメリカ
製造会社 〃
材 質 コットン
表記サイズ RS(SR)
(日本人のL)
各部のサイズ(平置)
着丈 約76cm
肩幅 約50cm
身幅 約58cm
袖丈 約60cm
状 態 中古並品
官民区分 官給品
入手場所 静岡の専門店
入手難易度 2(やや困難)
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5 まとめ
M51フィールドジャケットとしては、とても興味深いモデルですね。
特にボタンや腰ポケットが変更されていることに驚きました。
これもアメリカ軍の改善意識の顕でしょうか?
それはともかく、コアなファンの多いM51フィールドジャケットですが、そんなマニアに今回のモデルの評価も聞いてみたいところですね。
幸いにも現時点では大手通販サイトでも取り扱われていて、中古品ならいつでも誰でも入手可能なのが嬉しいところです。
ところでM51フィールドジャケットは、分厚いウールパイル製のライナー装着を前提に造られています。
そのためワンサイズ小さいものを購入するのがベストなようですよ。
勿論、使用や洗濯による縮みなどもあるため、必ず実寸と程度を確認しましょう!
私は中古極上品もしくはデッドストックを探してみたいと思います!
今回は、アメリカ軍M51フィールドジャケットの末期モデルを分析しました。
いやー軍装品って、本当に素晴らしいですね!
それではまた、次回をお楽しみに!
(20240303更新)
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参考:その他のM51フィールドジャケットに関する記事はこちらです。⬇︎
他のアメリカ軍装備に関する記事はこちらです。⬇︎
各国軍の単色衣料に関する記事はこちらです。⬇︎
各国軍の防寒装備に関する記事はこちらです。⬇︎
ベトナム戦争における関係国軍の装備に関する記事はこちらです。⬇︎
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読んでいただき、ありがとうございました。
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