今回は、1970年代のアメリカ軍M65フィールドジャケットを分析します。
でもよくあるウッドランドではありませんよ。
以前分析したM65フィールドジャケット(リーフパターン)と同じなのですが色調の違うモデルですね。
個人的には今回の色調の方が気に入っています。
欠品や破損がありますが、程度は良好ですよ!
目次
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1 アメリカ軍迷彩M65フィールドジャケット(ブラウンリーフ)とは?
ミリタリーマニアは言うに及ばず、多くのファッションリーダーにも評価の高いM65フィールドジャケット。
寒候期用の傑作戦闘服でしたね。
前作M51フィールドジャケットから。より戦闘と防寒に特化したデザインに変更されたM65は、多くの国でコピーされ使用されていますよ。
そんなM65フィールドジャケットですが、官給品としてシェル(外皮)の生地に迷彩が採用されたのは、1980年代のウッドランド迷彩が最初でしたね。
(諸説あり。)
でもそれ以前には、一定数のブラウンリーフ迷彩(通称LCリーフ)のモデルが製造されましたよ。
これは官給品として採用されることはなく、全て民間モデルでしたね。
(一部で試験運用されたという説もあります。🤔)
ベトナム戦争後に、主に戦闘服の生地に使用されたブラウンリーフ迷彩ですが、大きく2種類の色調がありました。
(この辺りは、過去記事「【アメリカの軍服】空軍&海兵隊迷彩ジャケット(ブラウンリーフ又はLCリーフ)2種とは? 」を参照願います。)
今回のモデルは、そのブラウンリーフ迷彩の一つで、全体的にコントラストの弱いパターンの生地が使用されていますよ。
さてさて、それはどんな迷彩M65フィールドジャケットなのでしょうか?
今回はアメリカ軍装備マニアのみならず、M65フィールドジャケットファンのあなたと一緒に、確認していきましょう!
2 全体及び細部写真です!
前面
背面
前面裏側
背面裏側
襟周りレイアウト
襟は襟裏のストラップで立てることができます。
前合わせはジッパーとダットファスナーです。
ライニングのタグ跡
丁寧に取り外されていますね。😭
エポレット
テーパーなしのクサビ型
胸ポケット
ダットファスナーで開閉
ポケットフラップ裏面の生地を見ると、今回のモデルがほとんど褪色していないのがわかりますね。
腰ポケット
やや側面にあって、こちらもダットファスナーで開閉。
袖
ややテーパー付き。
袖口はマジックテープで開閉・調整
勿論、例の三角生地もあります。
マジックテープで開閉。
背中にはアクションプリーツあり。
襟裏にはジッパーがあって…
中には簡易フードが内蔵されています。
LCリーフM65は、通常シェルの生地製ですが、今回のモデルはシェルと違う迷彩色調の生地が使用されていました。
(元生地の色調がライトグリーンな点に注意!)
フードの付け根には、例の伸縮性生地が!
(色調はブラウンですね。)
フードとシェルの生地は、裏側を見ると別物ということがよくわかりますね。
こちらはライニング生地の拡大
官給品はポプリンですが、LCリーフM65は必ずツイルですね。
(やはりMIL-SPECではないようです。)
裾のドローコード
でもこれはオリジナルではないかもしれません。
ライニングの下端は解放されています。
前見頃裏側には、ライナーを取り付けるボタンあり。
ウエストのドローコード。
こちらがオリジナルのコード?
前オーナーがレザーのストッパーを追加していますね。
ライナー用ボタンは袖口裏側にもあり。
迷彩パターンは、ベトナム戦争後のリーフパターン(LCリーフ)なのですが…。
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3 その特徴とは?
迷彩は、ベトナム戦争後に採用された、ブラウンリーフパターン(通称LCリーフ)ですね。
配色は、ライトカーキの生地に、ライトブラウン、グリーン、ブラックグレイ、オリーブブラウンで葉や雲型を描いています。
ベトナム戦争中のブラウンリーフ迷彩に比べて、各色の境界がはっきりしているのも特徴ですね。
ただし、このブラウンリーフ迷彩にはいくつか色調の違うモデルが存在していますよ。
(私が確認しているのは今回の2種類なのですが…。)
迷彩比較
(LCリーフM65の場合)
今回のモデル
前面
以前分析したモデル
前面
今回のモデルと比べて、グリーンとブラウンの色調が濃いですね。
今回のモデル
背面
以前分析したモデル
背面
迷彩拡大
今回のモデル
以前分析したモデル
パターンは同じですが、やはり色調が違っていますね。
(これはカメラの露出、使用または洗濯による変化などではありません。)
生地は、コットンのリップストップ(引き裂け防止加工)で、薄く通気性が良いです。
(元々この生地は熱帯用でしたね。)
一方ライニングはコットン製の薄いツイルですね。
シェルの生地から考えると、官給品M65に比べて防風性能や保温力はやや劣っているといえます。
デザインは、官給品M65(3rd)と同じです。
構成は、エポレット付き、胸ポケット×2、腰ポケット×2で、襟内には簡易フードを内蔵しています。
(勿論ジッパーは全てブラスですよ。)
全体的な縫製は、やはりやや不正確で雑なところがありますが、強度は十分ですね。
4 製造とサイズのデータです!
製造又は契約年度 1970年代
製造場所 アメリカ
契約会社 アメリカ
製造会社 〃
材 質 コットン
表記サイズ 不明・推定M
(日本人のL)
各部のサイズ(平置)
着丈 約51cm
肩幅 約51cm
身幅 約62cm
袖丈 約61cm
状 態 中古上品
官民区分 民生品
入手場所 名古屋の古着屋
入手難易度 3(困難)
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5 まとめ
ブラウンリーフ(LCリーフ)の迷彩色調の違いについては、過去記事
「まるで別の迷彩服!【アメリカの軍服】空軍&海兵隊迷彩ジャケット(ブラウンリーフ又はLCリーフ)2種とは? 」
を参照していただくとして、今回のモデルも見事に迷彩色調が違っていましたね。
今回のモデルに関しては、おそらく余剰となったLCリーフの生地を使用して、メーカーが独自に製造したのでしょう。
その際迷彩色調の違いには、大して気にしていなかったのかもしれませんね。
(おおらかですね。単なる製造誤差と軽く考えていたのかも?🤔)
ただし今回のモデルでは、シェルやポケットなど外観上の主要パーツには、同じ色調の生地が使用されていることから、仕立てる段階ではある程度常識的な対応がなされたようです。
ところでこのブラウンリーフ(LCリーフ)のM65フィールドジャケットは、有名な空挺部隊に一定数支給されてテストした…という噂を聞いたことがあります。
真偽のほどは不明ですが、もしかしたら後の「ウッドランド迷彩」モデル採用につながっているのかもしれませんね?
(もしそうなら、何が不採用の原因だったのか知りたいところです。)
それはともかく、今回のモデルはシェルに薄いリップストップの生地が使用されているので、やはり全体的な防寒性能としては官給品のコットンサテンモデルより低いですね。
逆に春や秋などの気温が微妙な時期には重宝しそうですよ。
サバイバルゲームは勿論のこと、野鳥観測やキャンプには普通に使用できそうですね。
またファッションにおいても、他者との差別化を図りたいあなたにはピッタリですよ。
(ブラウンリーフ迷彩のM65を普段着用している人って、まず居ないですよね。)
残念ながら今回のモデルも絶対数が少なく入手は難しいです。
元々の生産数が少なかったというのもありますが、おそらく日本へ古着として入荷した時点で、マニア向けとして選別されているのでは?
(そしてマニアだけに高額で販売されている?)
そのため我々の手元にはなかなか廻ってこないのかもしれません。
でも根気よく、そして気長に探していると必ず見つかりますよ!
(私も偶然古着屋さんで発見できました!)
あなたも諦めないで探してみましょう!
今回は、有名なアメリカ軍M65フィールドジャケットファミリーの中でも、珍しいブラウンリーフ(LCリーフ)モデルを分析しました。
いやー軍装品って、モデル品も本当に素晴らしいですね!
それではまた、次回をお楽しみに!
(20231115更新)
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参考:同じくブラウンリーフ(LCリーフ)のM65フィールドジャケットに関する記事はこちらです。⬇︎
M65フィールドジャケットのブラウンリーフ(LCリーフ)迷彩とウッドランド迷彩の比較した記事はこちらです。⬇︎
ブラウンリーフ(LCリーフ)の色調違いに言及した記事はこちらです。⬇︎
M65フィールドジャケットを参考にした世界のジャケットに関する記事はこちらです。⬇︎
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読んでいただき、ありがとうございました。
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