今回は、1970年代〜80年代のアメリカ軍ブラウンリーフ迷彩ジャケット2種を分析します。
ベトナム戦争時代に開発されたジャングルファーティーグ型ブラウンリーフと区別するため「LCリーフ」と呼ばれているモデルですね。
中古品ですが、程度は極めて良好ですよ!
目次
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1 アメリカ空軍・海兵隊迷彩ジャケット(ブラウンリーフ又はLCリーフ)2種とは?
ベトナム戦争中にアメリカ軍が開発・支給したERDL迷彩は画期的な迷彩でした。
ただし、明るいグリーンを基調としたジャングル向けの迷彩パターンであったため、その他の地域で使用するには少々違和感がありましたね。
(一説には、低地用がグリーンリーフであったとも?)
そこで、ベトナム戦争終了後(戦時中との説もあり。)、グリーンリーフパターンの最も明るいグリーンをライトブラウンに変更したモデルが製造されました。
(デザインはトロイカルコンバットユニフォーム(ジャングルファーティーグ)4thのままですよ。)
これが本来のブラウンリーフパターンですね。
その後、手間のかかる境界のボカシ(各色の境界を滲ませて生地にプリントする方法)を省略したブラウンリーフパターンが採用されました。
それが今回のモデルの迷彩生地です。
でも今回の二着は、迷彩の色調が大きく違っていますよ。
これは使用に伴う褪色…などという経年変化によるものではなく、明らかにプリントの段階から色調を変えられているようです。
それが、そんな仕様なのか、それとも製造誤差なのか現時点では不明です。
とても不思議です。
(アメリカ軍迷彩服七不思議の一つかも?)
さてさて、それはどんなブラウンリーフパターンの迷彩ジャケットなのでしょうか?
今回は、アメリカ軍装備マニアのみならず、迷彩服コレクション初心者のあなたと一緒に、確認していきましょう!
2 2種の全体及び細部写真です!
アメリカ空軍パッチ付きモデル
前面
全体的には緑味が強い色調ですね。
背面
前面裏側
背面裏側
襟周りレイアウト
前合わせはボタンのみです。
タグ
不鮮明ですが、1980年代契約品です。
右胸ポケット
ボタンで開閉
底部には水抜き穴が。
ジャングルファーティーグと同じですね。
左胸にある空軍タグ
(コットンの厚いテープ製)
その下のポケットフラップにはスリットが!
左胸ポケット内部にはペンポケットがありました。
腰ポケット
こちらもボタンで開閉
底部の水抜き穴は2個
袖
テーパー付きでやや湾曲
袖口はボタンで開閉
背中の裁断
海兵隊スタンプ付き
前面
茶色味が強く、くすんだ色調ですね。
後年のウッドランドBDUに近いです。
背面
スペイン軍が参考にしたのは、こちらの色調でしょうか?
前面裏側
背面裏側
前合わせははボタンのみ。
襟周りレイアウト
タグ
不鮮明ですが、1980年代契約品です。
右胸ポケット
ボタンで開閉
左胸ポケット
海兵隊マークがスタンプされています。
勿論ポケットフラップにはスリットが。
内部のペンポケットも。
水抜き穴
腰ポケット
同じく水抜き穴
袖
袖口はボタンで開閉
背中の裁断
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3 2種の特徴とは?
まず迷彩です。
配色は、ライトグリーンの生地に、タン(又はライトブラウン)、グリーン、ブラウン、ブラックで葉や雲型を描いています。
しかし、全体的に空軍仕様は鮮やかで、海兵隊使用はくすんだ色調になっています。
これはグリーン、ブラウン、ブラックの色調が異なっているためですね。
特に空軍使用は、ブラウンがオリーブドラブで、グリーンが鮮やか、ブラックが濃いブルー(又はバイオレット)ですね。
これだけで全く違って見えます。
迷彩色調の違い
右:空軍パッチ付き
左:海兵隊スタンプ付き
パターン比較
全く同じものですね。
上:空軍パッチ付き
下:海兵隊スタンプ付き
生地は薄いコットンのリップストップで、両仕様とも同じです。
デザインも同じで、エポレットなし、胸ポケット×2、腰ポケット×2で、左胸ポケット内にはペンポケットがあります。
因みに、このLCリーフは、ベトナム戦争当時のグリーンリーフ、ブラウンリーフ(各色の境界をボカシてあるパターン)で縫製されたモデルや、それが混在したモデルもありました。
4 2種の製造とサイズのデータ
空軍パッチ付き
製造・契約年度 1980年
製造場所 アメリカ
契約会社 アメリカ
製造会社 〃
材 質 コットン
表記サイズ M–S
(日本人のL)
各部のサイズ(平置)
着丈 約75cm
肩幅 約46cm
身幅 約60cm
袖丈 約56cm
状 態 中古極上品
官民区分 官給品
入手場所 愛知の専門店
入手難易度 1(容易)
海兵隊スタンプ付き
製造・契約年度 1970年代(推定)
製造場所 アメリカ
契約会社 アメリカ
製造会社 〃
材 質 コットン
表記サイズ M–S
(日本人のL)
各部のサイズ(平置)
着丈 約75cm
肩幅 約45cm
身幅 約59cm
袖丈 約55cm
状 態 中古極上品
官民区分 官給品
入手場所 ヤフオク
入手難易度 1(容易)
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5 まとめ
何故こんなに色調が変わってしまったのでしょうか?
その理由としては、
- 規格が緩やかであった
- メーカーが厳密ではなかった
- じつは、LCリーフも地域別に迷彩色調を変えていた
- 陸、海(海兵隊)、空軍で配色を変えていた
- そもそもどうでもよかった
などが考えられますが、真相は不明です。
(案外、当のアメリカ軍もわからなかったりして。)
面白いですね。
でもじつは、これには前例があります。
第二次大戦中のアメリカ陸軍迷彩カバーオールにも大きく色調が違うモデルがありました。⬇︎
同じ時期の同じモデルなんですが、全く違った色調ですね。
この傾向は、後のウッドランド迷彩までも一部にこんな傾向がありました。
(もはや伝統ですね。)
これらの迷彩色調の相違に関しては、今後もサンプルを集めつつ、調査をケイゾクしたいと思います。
さて今回の迷彩ジャケットですが、じつは人気が今ひとつです。
ベトナム戦争当時の迷彩服は、もはやレジェンドと化しているほど大人気。
対してウッドランド迷彩までの過渡期に製造された、ブラウンリーフ(LCリーフ)は、「つなぎ」のイメージがあったり、ポケットの平凡なデザインも相まって全くの不人気ですね。
でも、ウッドランドの原型となったモデルでもあり、迷彩の効果も期待できることから、屋外の使用では案外使える迷彩服なのかもしれません。
また、薄いコットンの快適さも持ち合わせていますよ。
夏場のサバイバルゲーム、狩猟、野鳥観測、キャンプなどに使用してみてはいかがでしょうか?
逆に不人気なので、比較的安価に入手できるのは不幸中(?)の幸ですね。
個人的には大好きな迷彩パターンなので、もっと人気が出て欲しい気もします。
あなたも一着いかがでしょうか?
今回は、同じ迷彩服ながら、色調が大きく違う2種類のブラウンリーフ迷彩ジャケットを分析しました。
いやー軍装品って、本当に面白いですね!
それでは、また次回をお楽しみに!
(20230127更新)
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参考:今回のモデルと同様、色調の違うモデルに関する記事はこちらです。⬇︎
1960年代から1980年代のアメリカ軍迷彩服はこちらです。⬇︎
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読んでいただき、ありがとうございました。
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