今回は、1980年代のアメリカ海軍MARK3ナイフを分析します。
現在でも入手し易いモデルですね。
一説には、旧ソ連が自国のバヨネット(銃剣)開発の参考にしたとか?
中古品ですが、程度は極上ですよ!
目次
スポンサーリンク
スポンサーリンク
1 アメリカ海軍MARK3ナイフ(MOD 0・オンタリオ社製)とは?
第二大戦中に、MARK1およびMARK2ナイフを開発・支給したアメリカ海軍。
でもナイフの進化はこれで終わることはありませんでした。
前作のMARK2ナイフは、ほぼ無改造で海兵隊にも採用されたくらいの傑作ナイフでしたが、少々長過ぎて扱いづらいところがありましたね。
またハンドルが皮革製で、天候変化に弱いという問題もありました。
(個人的には汗を吸ってくれて好きなハンドルだったのですが…。)
これらの問題点を考慮して、1970年代から新しいナイフが開発が開始されましたよ。
そして(諸説ありますが)1970年代末に完成したのが今回のMARK3ナイフです。
従来のナイフに比べ、ポリマー(プラスティック)を多用した作りになっていますね。
さてさて、それはどんなナイフなのでしょうか?
今回は、ミリタリーナイフコレクターのみならず、キャンプや登山で使用できる「いい感じ」のナイフをお探しのあなたと一緒に、確認していきましょう!
2 MARK3ナイフの全体及び細部写真
左側面
ブレードはどちらの方向でもシースに収納可能です。
右側面
ブレード
やはりポイント付近を削ぎ落としてあるブゥーイ型ですね。
ハンドル
持ち易い独特の形状ですね。
ポンメルはプラスネジで固定。
ブラックのナイロンコード付き。
ブレード峰側
鋭いソーバック(ノコギリ刃)付き
ブレード刃側
ソーバック拡大
左側面に刃をつけていますね。
押し切りタイプです。
ブレードポイント付近
左側面の刻印
クロスガードとハンドルの間にゴム製シールがあります。
(以前の
右側面の刻印
ハンドルの刻印
ハンドルには滑り止め加工されていますが、あまり効果はなさそうです。
ポンメルは金属製の小判型
シース前面下部
ブラックの強化プラスティック製です。
シース前面上部
ブラックのナイロン製
ループはダットファスナーで開閉
上端の金具は、ピストルベルトなどに取り付けるためのもの。
シースの刻印
シース背面下部
シース背面上部
シース側面
大きな段差があります。
シース底部には水抜き穴が!
シース開口部
ブレードの左右から挟む金属板付き。
これでブレードを抑えます。
おまけ
歴代アメリカ海軍官給品ナイフ
上:MARK1ナイフ(カミラス社)
中:MARK2ナイフ(BM社)
下:今回のモデル
スポンサーリンク
スポンサーリンク
3 その特徴とは?
ブレードはカーボンスティールのブゥーイ型で、表面はパーカライズ(リン酸塩)加工。
反射防止の艶消しブレードは、やはり凄みがありますね。
峰にはソーバック(ノコギリ刃)になっています。
ブレードはMARK2ナイフから1インチ短縮されて6インチになっています。
ハンドルとシースはブラックの強化プラスティック製で強靭かつ軽量しかもメインテナンスフリーです。
例によってシースには、ブレードが不意に抜けないようプレートが内蔵されています。
最も大きな特徴は、シースも含めてナイフ全体が分解可能というところですね。
そのため、細部にわたるメインテナンスが可能です。
(ハンドルとクロスガードのゴムシールが入手できないので分解したことはありませんが…。)
全体的な造りは、さすが有名ナイフメーカーだけあって、とても真面目に製造されています。
4 製造とサイズのデータ
・製造又は契約年度 1980年代
・製造場所 アメリカ
・契約会社 アメリカ
・製造会社 〃
・材 質 カーボンスティール
強化プラスティック
・各部のサイズ ナイフ
全長 約274ミリ
全幅 約63ミリ
ブレード長 約155ミリ
ブレード厚 約3ミリ
ハンドル長 約120ミリ
ハンドル太さ 約30ミリ
シース
全長 約300ミリ
全幅 約43ミリ
・状 態 中古極上品
・官民区分 官給品
・入手場所 名古屋の専門店
・入手難易度 1(容易)
スポンサーリンク
スポンサーリンク
5 まとめ
それまでのアメリカ海軍官給品ナイフに比べて、外観も材質も一気に近代化しましたね。
確かに強化プラスティックスの仕様で耐候性、耐久性は向上しました。
しかし、ハンドルまでプラスティックにしてしまったのは、逆に問題がありますね。
例えば手にオイル(に類似したもの)が付着していると、意外に滑ります。
とはいえ、短くなったブレードは扱いやすく、より汎用性が増しました。
野生動物と闘う…以外では必要十分ですね。
狩猟のサブ、キャンプ、登山、ツーリングなどに使用できそうですよ!
ところで、このナイフには面白いエピソードがあります。
1970年代当時、旧ソ連が開発した小銃(AKM)用のバヨネット(銃剣)は、今回のブレードを参考にしたとのことでしたが、ブレードの先端に穴が空いているのが特徴でした。
これはシースと合体させて、ワイヤーカッターとして使用できるシステムだったのですね。
これを見たアメリカがMARK3ナイフのブレードに、同じように穴を開けてワイヤーカッターの機能を付加しようと試験したのですが…ブレードの強度が信じられないくらい悪化して実用に耐えるものではなかったそうです。
そして最終的に計画は頓挫してしまいました。
全てアメリカが優れていたわけではないのですね。
(当然ですが…。)
それはともかく、今回のモデルは嬉しいことに、大手通販サイトで普通に購入できます。
また大手ミリタリーショップでもまだ販売されていますね。
価格も比較的安価で、お年玉で購入可能なレベルですよ。
(?…どんなレベル?)
購入する場合は、ポイント(切先)をよく確認しましょう。
(たまに加工ミスがあります。後に研ぎ直せば無問題なのですが…。)
私は上述の「ブレードに穴が空いた試験モデル」を探してみたいと思います。
(入手難易度5…まず無理ですが…。)
今回は、シリーズ3番目のアメリカ海軍官給品ナイフを分析しました。
次回は、アメリカ軍の野営装備を分析します。
お楽しみに!
スポンサーリンク
スポンサーリンク
参考:大戦中から続くアメリカ海軍官給品ナイフに関する記事はこちらです。⬇︎
その他のミリタリーナイフに関する記事はこちらです⬇︎
🗡ミリタリー(サバイバル)ナイフ(knives) カテゴリーの記事一覧
✳︎ ✳︎ ✳︎
読んでいただき、ありがとうございました。
スポンサーリンク
スポンサーリンク