今回は、1990年代の旧ソ連陸軍の光学照準器を分析します。
1960年代から使用されていた無反動砲用の照準器ですね。
野戦装備なのに、とても繊細で複雑です。
少々傷んで欠品もありますが、程度は良好ですよ!
目次
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1 旧ソ連陸軍無反動砲用照準器PGO–9M(SPG–9用)とは?
各国の軍隊が使用している大砲の種類で「無反動砲」というものがあります。
(自衛隊にも装甲車やジープに搭載していたり、携行タイプがありましたね。)
無反動砲とは、発射ガスの一部を後方に噴出させたり、ロケット推進の砲弾を用いた大砲のことをいいます。
砲弾発射の反動を考慮する必要がなく、軽量に設計でき、かつ強力な砲弾を運用することができるので装備している国も多いですね。
旧ソ連軍では、お馴染みのRPG系の他、SPG–9というやや大型で、兵士数名で運用する無反動砲を装備していました。
今回のモデルはその無反動砲SPG–9用の光学照準器になります。
旧ソ連軍を含むSPG–9については以下をご覧ください。⬇︎
とてもマイナーで、人気もないことから安価に入手することができましたよ。
さてさて、それはどんな照準器なのでしょうか?
今回は、旧ソ連軍装備マニアのみならず、各種照準器コレクターのあなたと一緒に、確認していきましょう!
2 全体及び細部写真です!
全体形
以外に大きく複雑な作りの照準器ですね。
かなり拭き取りましたが、グリースが方々に付着していました。
左側面
右側面
上面
砲軸線の左側に装着します。
接眼レンズと対物レンズの軸線がオフセットされていますね。
(ということはプリズム制御でしょうか?)
下面
前面
ゴム製のレンズキャップが標準装備!
背面
アイピースはゴム製
その上には額(ひたい)を安定させるゴム製パットが!
実際のレティクル
対象物はありませんが倍率は4倍です。
キリル文字の型式番号とシリアルナンバー?
凸レンズと凹レンズを合わせたマーク。
左下面から
前方のネジは砲に固定するためのもの。
右上面から
下部にあるシルバーの部分は、砲へ取り付けルためのレールです。
専用の収納箱
前面
表面は、刷毛で再塗装されています。
上面
下面
左側面
左右上部にはストラップを通す金属製のループがあります。
右側面
背面
専用ケースに収めた状況
必要最小限のスペースで、蓋をすると内容物は微動だにしません。
蓋の裏にある小箱内部
特殊なレンズ(夜間赤外線用?)2枚、5個の特殊な電球、電球外しのゴムキャップ
蓋の裏品目票
付属品各種
取扱説明書と点検記録帳
シリアル番号は本体と一致していますね。
1995年と1999年に点検されたようです。
専用収納箱用のストラップ
OGのコットン製、金属製バックル、端末、合成皮革製のガイド×2
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3 その特徴とは?
本体は、オリーブグリーンに塗装されたステンレス製で、とても複雑な造りです。
接眼レンズと対物レンズは直線ではなく、位置がずれている特殊な構造ですね。
(とういことは、そこに何かギミック(例えば電球でレティクルを光らせるとか?)があるかもしれません。
照準器は、普通上下左右を調整するノブやダイヤルがありますが、頂部に「+、0、ー」の表示があるだけですね。
(レンズを覗いたまま動かしても、何も変わりませんでした。)
レンズ内のレティクルは、広い範囲で距離や横風を計算できるように多くの目盛があります。
(覚えるのが大変そうです。)
レティクル細部拡大
左右目盛横の数字:目標までの距離(範囲、単位10メートル?)
最下部の数字:ミル目盛(目標までの距離を測定)
砲への取り付けは、しっかりとしたレールとネジを用いているので、頑丈そうな印象がありますよ。
専用の収納ケースがあって、中には各種付属品がありました。
4 製造とサイズのデータです!
製造又は契約年度 1990年代
製造場所 旧ソ連
契約会社 旧ソ連
製造会社 〃
材 質 ステンレス
ゴム
アルミ
ガラス
各部のサイズ 照準器本体
全長 約190mm
全幅 約90mm
全高 約140mm
専用収納箱
全長 約150mm
全幅 約120mm
全高 約130mm
状 態 中古良品
官民区分 官給品
入手場所 東京の専門店
入手難易度 3(困難)
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5 まとめ
今回の照準器を取り付ける無反動砲SPG–9は、旧ソ連の崩壊とともにお役御免になってしまったようです。
(今回のモデルは、その時に放出されたようですね。)
じつは無反動砲自体は、現在でも旧ソ連衛星国や、かつての東側ではまだまだ現役のようですよ。
あるいはこの照準器も、普通に需要があったかもしれませんね。
(残念ながら日本のマニアに購入されてしまいましたが…。)
ところでレティクルを見ると、とても複雑で照準方法を覚えるだけでも大変そうです。
ましてや実戦ではどれだけ役に立ったのか少々疑問ですね。
それでも軽量だった無反動砲は、空挺などの限られた荷物しか持てない部隊には頼りになった兵器であったようですよ。
(かなり有効な兵器であったようです。)
ところで照準器を見ていると、無反動砲に装着したところも見てみたくなりますね。
…それはともかく、この照準器は一定数日本に輸入されたようです。
何故か大人気の対戦車ロケット兵器である「RPG–7」用として販売しているところもありましたよ。
(似ても似つかない形状なのですが…🤔おそらく、何用なのかわからなかったのでようね。)
さすがにそんなペテンに騙されるマニアもいなかったのか、購入当時は、かなり売れ残っていた印象があります。
(私も売れ残り品を、お安く入手できました。)
よもや探している人がいるとは思えませんが、入手したいあなたは、大手SHOPの片隅をくまなく探してみましょう。
もしかしたら埃まみれで眠っているかもしれません。
(デッドストックが入手できる可能性もありますよ。)
とはいえ、今となっては懐かしい「冷戦時代」の兵器の一部が入手できるのは感慨深いですね。
無反動砲本体の入手はできませんが、今後は照準器の使用方法について調査するとともに、時々引っ張り出して、周辺を眺めてみたいと思います。
今回は、旧ソ連軍のとてもマイナーな無反動砲の光学照準器を分析しました。
いやー軍装品って、本当に素晴らしいですね!
それでは、また次回をお楽しみに!
(20231021更新)
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参考:他の旧ソ連軍装備に関する記事はこちらです。⬇︎
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読んでいただき、ありがとうございました。
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