今回は、1990年代のドイツ連邦陸軍迷彩パーカーを分析します。
以前分析したとドイツ連邦陸軍迷彩防寒パーカー（フレック迷彩）と同じモデルですが、今回は初期生産品になります。
微妙な違いがわかっていただけたらと思うのですが…。
実際に兵士が使用していた中古品ですが程度は良好ですよ！
目次
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１ ドイツ連邦陸軍迷彩パーカー（ダックハンター・フレック迷彩・初期生産型）とは？
多くの試作を経て、1980年代に採用された旧西ドイツ軍フレック迷彩装備。
ドイツの「黒い森：シュヴァルツバルト」で迷彩効果を発揮できるように考案された斑点迷彩が特徴でしたね。
あまりに優れていた迷彩であったため、その後のドイツ再統一（1991年）後も、継続して採用され現在に至っています。
でも、じつは初期の生産品と現在の支給品とは、僅かながら違っている部分もありました。
その変更点については「より改良されたもの」と見るべきものなのでしょう。
一旦開発したら、ずっとそのまま使用する「どこかの国」のような体制もアリかもしれませんが、細かい改良を加えていくのは装備品としては当然のことですよね。
今回のモデルは、ドイツ再統一後のモデルですが旧西ドイツ軍時代のラインで製造された迷彩パーカーになります。
現行モデルとの違いはささやかなものですが、これを機会に知っていただければ幸いです。
さてさて、それはどんな迷彩パーカーなのでしょうか？
今回は、現用ドイツ軍装備マニアのみならず、日本でも効果を発揮できる迷彩服をお探しのあなたと一緒に、確認していきましょう！
２ 全体及び細部写真です！
前面
迷彩パターンが秀逸ですよね。
背面
着丈が長いのも特徴ですね。
前面裏側
生地はダークグリーンに染められていますね。
左胸の内ポケットに注意。
ライナー取り付け用のジッパーやボタンはありません。
背面裏側
フード周りレイアウト
フード部
フードのドローコード
構成は他のドローコードと同じです。
フード側面
背面ヨーク
前合わせはジッパーとダットファスナーです。
タグ
1992年度契約品です。
廃品（Abfall）を示す「A」のスタンプが押されていますね。
内ポケット
専用のグレイ生地で作られています。
マジックテープで開閉。
ウエストのドローコード
ドローコード出口には金属製ハトメ付き。
ウエストドローコードのガイド
赤味の強いODのHBT（ヘリンボーンツイル）生地。
ドローコードのロック
明るいODのプラスティック製。
裾のドローコード
構成はウエストのドローコードと同じですね。
エポレット
僅かにテーパーの付いたラウンド型でマジックテープで開閉。
胸ポケット
ダットファスナーとマジックテープで開閉。
左胸ポケット右側には２個のボタンあり。
予備でしょうか？
腰ポケット
ジッパーで開閉。
ポケット内側は、内ポケットと同じグレイの生地。
脇の下にはジッパーで開閉する通気孔あり。
通気孔のジッパープルタブ
細いタイプですね。
袖
テーパー付き。
袖口は別部品です。
マチ付きでマジックテープで開閉・調整
右袖にあるポケット
こちらはダットファスナーのみで開閉。
ポケット口にはスリットがあってペンを差すことができます。
ボタン
西ドイツ時代から使用されているODのプラスティック製で、両面使用可能なソロバンの駒型。
初期生産品の特徴
ダットファスナー表面がブルーイング（黒染め）された銅合金製。
ジッパープルタブ
刻印は「RIES」
ODの塗装。
国籍パッチ
着用例
ダットファスナーが光って見えますね。
参考：後期生産型
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３ その特徴とは？
迷彩は、ダークグリーンの生地に、ブラックグリーン、ダークグリーン、ライトグリーン、ブラウン、ブラックを用いて、大小様々な斑点をプリントしてあります。
色調はともかく、パターンはかつての「ドイツ武装親衛隊」迷彩を彷彿させるものがありますよ。
この迷彩パターンは、近距離では細かに、遠距離では大まかな斑点に見えるのが特徴です。
生地は、コットン／ポリエステルで独特の織り方がされています。
とても緻密で防風・防寒性能が高い反面、化繊混紡ながら少々重いのも特徴ですね。
デザインは、フード付き、エポレット付き、胸ポケット×2、腰ポケット×2、袖ポケットで、全体的には旧西ドイツ軍時代の山岳兵パーカーを原型としているようです。
デザイン比較
今回のモデル
旧西ドイツ軍山岳兵用パーカー
全体的な縫製は、丁寧かつ正確で、強度もあるドイツらしい仕立てになっています。
このパーカーには専用のOD単色のライナーが存在しますが、パーカー本体（シェル）に装着することはできません。
（ライナー単体での着用は可能です。）
４ 製造とサイズのデータです！
製造・契約年度 1992年
製造場所 ドイツ
契約会社 ドイツ
製造会社 〃
材 質 コットン
ポリエステル
表記サイズ 165-175/95
（2）
（日本人のL）
各部のサイズ（平置）
肩幅 約48cm
身幅 約59cm
着丈 約80cm
袖丈 約60cm
状 態 中古極上品
官民区分 官給品
入手場所 大阪の専門店
入手難易度 1（容易）
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５ まとめ
今回のモデルは、ドイツ再統一後の契約品ですが、初期生産品のラインでそのまま製造されていますね。
後の後期生産品との大きな違いは
- ダットファスナー表面
- 迷彩の配色
の２点になります。
ダットファスナー表面の比較
今回のモデル
黒染めされた銅合金製で、背が低く（平面的）使用にともない黒染めがはがれて銅合金の地肌が見えてくるのが特徴です。
一方後期生産品は、表面に艶消しブラックのプラスティックコーティングが施されていて背が高く（より立体的）かなり使用しないと金属の地肌は見えません。
迷彩比較
今回のモデル
配色のうち２番目に明るいダークグリーンの色調に注意。
初期生産品は、グレイがかったダークグリーンですが…。
後期生産品
後期生産品では、ただのグレイになっていますね。
（ダークグリーンぽい部分も混在していますが…。）
もっとも迷彩色調に関しては、製造誤差であるとの説もあります。
（量産型は他にもバリエーションあり。）
ダットファスナーに関しては、
- 初期生産品の耐久性に問題があった
- 表面の黒染めがははがれると、輝く金属地肌が丸出しになり目立つ
という問題点があり、それが改修されているようです。
これは納得できますね。
初期生産品は概ね1992年頃まで製造され、1993年頃からは後期生産品に移行したようです。
（諸説あり。）
こうやって細部でも改修してより耐久性を増したり、迷彩効果を向上（？）させたりするのは素晴らしいですね。
（航◯自衛隊も見習ってほしいですね。）
マニアックな話はさておいて、今回のモデルも含めたドイツ軍フレック迷彩パーカー（ライナーも）は、現在大手通販サイトで入手可能です。
ただし未使用品やデッドストックは、大手の実店舗の方が入手できる可能性が高いですね。
日本のフィールドでも効果を期待できる迷彩パーカーなので、野鳥観測などでも自然にインパクトを与えることが少ないかもしれません。
また、単体での使用も問題ありませんが、ライナーを装着すれば真冬でも充分に使用可能です。
あなたのシチュエーションに合わせて、購入を検討してみてください！
今回は、有名なドイツ軍フレック迷彩パーカーの初期生産品を分析しました。
いやー軍装品って、本当に素晴らしいですね！
それではまた、次回をお楽しみに！
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参考：同じモデルですが後期生産型に関する記事はこちらです。⬇︎
試作フレック迷彩装備に関する記事はこちらです。⬇︎
他の現用ドイツ軍フレック迷彩装備に関する記事はこちらです。⬇︎
他のドイツ軍装備に関する記事はこちらです。⬇︎
各国軍の防寒装備に関する記事はこちらです。⬇︎
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読んでいただき、ありがとうございました。
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