今回は、1990年代の航空自衛隊F–4EJファントム戦闘機の操縦桿グリップを分析します。
パイロットが操縦桿を右手で握る部分ですね。
知る人ぞ知る、伝統的なデザインなんです。
残念ポイントもありますが、程度は良好ですよ！
目次
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１ 航空自衛隊F–4EJファントム戦闘機用操縦桿グリップとは？
その昔、航空機の操縦桿は単なる１本の「棒」でした。
機体のロール（機体を左右に傾ける）とピッチ（機体を上下に傾ける）を制御する以外の機能はありませんでしたね。
でもJETエンジン搭載で機体性能がアップし、機体速度の向上、搭載量が増大すると多くの機能が追加されるようになりました。
軍用機では機銃・ミサイル・ロケット弾の発射、爆弾・予備燃料タンクの投下、レーダーの操作、機体トリム調整などを行わなければならなくなりましたね。
しかしそんな機器を操作する度に操縦桿から手を離していると、場合によっては撃墜されたり、機体操作が遅れ事故になったりする恐れがあります。
そこで戦後の軍用機は、操縦桿自体にたくさんのスイッチを設けて、手を離さなくても機体や武器操作がある程度できるようにしていますね。
今回のモデルは、昨年（2020年）に退役した航空自衛隊F–4EJファントム戦闘機が装備していた多機能の操縦桿のグリップになります。
じつはF–86セイバー戦闘機（航空自衛隊が最初に装備した戦闘機）時代から全体形は大きく変わっていない、いわば伝統的なデザインのグリップですね。
（F–15の一部までよく似た形状であったという情報もあります。）
さてさて、それはどんな操縦桿グリップなのでしょうか？
今回は航空自衛隊装備マニアのみならず、実際にファントムを操縦されていたあなたと一緒に、確認していきましょう！
２ 全体及び細部写真です！
全体形
左側面
右側面
背面
前面
握った状態
以外に小さい印象です。
グリップに付いている各種スイッチ類
各スイッチ類は、機種によって用途が違っているのですが…
右の段々になっているスイッチは、機体の姿勢を微調整するトリムスイッチですね。
左側に赤いスイッチは爆弾などを投下する場合が多いです。
スイッチ類は全てスプリングでテンションが掛かっていますよ。
赤い大きく湾曲したスイッチ
バルカン砲や機銃などのトリガー（引き金）の場合が多いです。
これもスプリングでテンションが掛かっていますが、絶妙のタッチです！
（これなら単連射も容易？）
右手で握りと親指の下にあるスイッチ
多くの場合、機体のどこかのパネルを開いたりする時に使用。
最下部のスイッチ
右手で握ると小指で操作できそう。
多くの場合、このスイッチは前輪のステアリング用の場合が多いです。
有名な「G」マーク
アメリカ各軍の航空機に使用されているグリップメーカーと同じ刻印。
もしかしたらグリップ本体は輸入品なのかもしれませんね。
底部のコネクター部分
17ピン仕様
左右非対称のデザインで、右手のみでグリップします。
前面にはフィンガーグルーブ（指の形に沿うよう段々に整形）がありますよ。
トリガーのON・OFF
しっかりとした感触でキレキレの作動！
手の小さな私でもこのサイズ。
データプレート（銘板）は当然外されていました…😞
修理会社のシール
官民の検査スタンプ
年月を示したシール
装備例
F-4EJ Kai of the JASDF | Aircraft, Phantom, Cockpit
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３ その特徴とは？
本体は艶消しブラックの強化プラスティックで、一部に滑り止めの加工があります。
一方各種スイッチはレッド系で、一眼でわかるようになっていますね。
左右非対称のデザインで、右手用です。
（因みに通常左手はスロットルレバーを持っています。）
上から４つのスイッチ（トリガーを含む）は、普通に操作できますが、最下部のスイッチ（前輪のステアリング（操向）用スイッチは、小指での操作は難しかったです。
（握りを持ち替える必要がありますね。私にはファントムの操縦は無理ですね。😃）
今回のモデルは、滑り止め加工の部分（右側）に「盾にG」マークの刻印がありました。
これはアメリカの操縦桿グリップメーカーのマークなのですが、もしかしたらこんな小さな部品でも輸入していたのかもしれませんね。
４ 製造とサイズのデータです！
製造・契約年度 1990年代？
製造場所 不明
契約会社 日本
製造会社 不明
材 質 強化プラス
ティック
ステンレス
スティール
アルミニウム
各部のサイズ 全長 約195ミリ
全幅 約60ミリ
奥行き 約72ミリ
状 態 中古良品
官民区分 官給品
入手場所 愛知の廃品業者
入手難易度 4（極めて困難）
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５ まとめ
実際にグリップを握ってみると、手に馴染んでとても握りやすいですね。
（しっくりきます。）
各種スイッチ類も、最下部にあるスイッチ以外は、ストレスなく操作することができます。
（ただしトリガーに関しては、操縦しながらの操作は難しいかも。注意しないと機体姿勢に影響を与えそうですよ。）
でも、実機に装備されていたコントロールグリップを自宅で握れるというのは、贅沢ですね。
（かなり感動します。）
特に、使用に伴う傷やテカリは、実際に使用されていた官給品特有の迫力がありますよ。
さてこのグリップですが、じつは友達でモデラー仲間の廃品業者から入手しました。
その方のお話では、1990年当時は不定期ながらIRAN（定期機体修理：車の車検みたいなもの）工場から廃棄物として少数が出されていたようですね。
（現在では数が減って、さらに細かく砕かれたものがよく出るとか。）
だからでしょうか？
ネットオークションでも、これまで数点見たことがあります。
（人気商品のようですよ。）
実機が廃棄処分されたことを考えると、もっと数が出てきてもよい気がしますね。
しかし、オークションに出品されても、最終的な落札価格がとても高額になるため、誰でも簡単に入手できるわけではないようです。
でもファントムファンのあなたなら、万難を排して入手して欲しいところですね。
また、よくできたモデル品もネットショップで販売されています。
（ファントムのみならず、他機種もありますよ！）
価格も比較的お安いので、ご予算に応じて購入してみてはいかがでしょうか？
私は、ファントムを除く歴代航空自衛隊戦闘機のコントロールグリップとスロットルAssyを探してみたいと思います。
今回は、珍しい航空自衛隊F–4EJ戦闘機操縦桿グリップを分析しました。
いやー自衛隊装備品って、本当に素晴らしいですね！
それでは、また次回をお楽しみに！
（20231126更新）
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参考：航空自衛隊装備に関する記事はこちらです。⬇︎
他の自衛隊装備品に関する記事はこちらです。⬇︎
他の航空機装備品に関する記事はこちらです。⬇︎
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読んでいただき、ありがとうございました。
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