今回は、1990年代のフランス陸軍空挺迷彩カバーオールを分析します。
購入した店舗から、HALO用ということで説明を受けましたが、詳細は不明です。
でもCCE(中央ヨーロッパ迷彩)が素敵な一品ですね。
中古品ですが程度は良好ですよ!
目次
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1 アメリカ陸軍HBT迷彩トラウザーズ(ダックハンター・国産H社モデル品)とは?
♪藍より蒼き大空に大空に たちまち開く幾千の 真白き薔薇の花模様…♫
ご存じ傑作軍歌「空の神兵」の一節ですね。
第二次大戦前に確立された空挺降下の多くは、「空の神兵」の歌詞のように、ある程度の高度を飛行する航空機からパラシュートを背負った兵士が飛び降りるのと同時にパラシュートを開く(機体にフックを掛けてパラシュートを引き出す方法も。)のが普通でした。
ただしこの方法では、空挺隊員が降下しているのが地上から丸わかりで隠密性は皆無ですし、地上付近の風が強かったり風向が違っていると目標地点から大きく外れてしまうこともありました。
この欠点を補うために、高高度で機外へ飛び出してのち、しばらくそのまま自由落下で降下して、地表面近くでパラシュートを開くという方法が確立されました。
この降下方法を「HALO(High Altitude- Low Opening、高高度降下低高度開傘)」といいます。
今回のモデルは、フランス陸軍空挺部隊がそんなHALO降下時に使用する迷彩カバーオールになります。
以前分析したフランス陸軍空挺迷彩カバーオールとデザインが大きく違っていましたよ。
さてさて、それはどんな空挺迷彩カバーオールなのでしょうか?
今回は、フランス陸軍装備マニアのみならず、世界の空挺装備コレクターのあなたと一緒に、確認していきましょう!
2 全体及び細部写真です!
前面
裾まで続く2本のジッパーが特徴です。
前面上半身
前面下半身
背面
ご存知CCE迷彩なのですが、迷彩パターンが多くのモデルとは少し違っているように見えますね。
背面上半身
ウエスト背面はゴムが縫い付けられています。
背面下半身
背面上半身裏側
背面下半身裏側
背面上半身裏側
背面下半身裏側
ウエスト背面にはゴムが縫い付けられています。
うなじのタグは切り取られていました。😭
襟周りレイアウト
胸ポケットがハの字は珍しいです。
前見頃のジッパーは左右にあるダブルジッパー。
胸ポケット
ジッパーで開閉
ジッパーは外側に傾けて取り付けられています。
ウエスト部分
前面は下半身部分が上に縫製されています。
腰スラントポケットとスリット
向かって右側がポケットで左側がスリットになります。
腰ポケット裏側
スリット部分には冷気を遮断するフラップあり。
ヒップポケット
右側のみでオープンタイプ。
右ヒップポケットの下にある細長いポケット
こちらも オープンタイプです。
用途は?
裾
緩やかなテーパー付き。
裾にはダットファスナーあり。
ダットファスナーは表面に反射防止加工されたもの。
ODに塗装。
袖
緩やかなテーパー付き。
背面にはアクションプリーツ(バイスイング)あり。
ウエスト背面にはゴムが縫い付けられています。
背面の生地は、上半身が下半身の上に縫製されています。
ジッパープルタブ拡大
無刻印でした。
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3 その特徴とは?
迷彩はCCE(中央ヨーロッパ)と呼ばれるフランス軍独自迷彩で、タンの生地にブラウン、ブラック、グリーンで各種雲型をプリントしてあります。
初期の頃は帯状のパターンでしたが、近年のモデルはより複雑なパターンに変更されていますね。
生地はコットンのサテンで、防風性能が高いです。
ライナー等を装着するためのボタンやジッパーはありません。
(降下する時間が短いので大丈夫なのでしょうか?)
デザインは、胸ポケット×2、腰スラントポケット×2、腰スリット×2、ヒップポケットで、意外にシンプル。
特筆すべきはフロントのジッパーで、2本で開閉するようになっているところです。
これで素早く脱着できますね。
全体的な縫製は、正確かつ丁寧でフランス軍物らしい上質な仕立てです。
4 製造とサイズのデータです!
製造・契約年度 1990年代
製造場所 フランス
契約会社 フランス
製造会社 〃
材 質 コットン
表記サイズ 不明
(日本人のL)
各部のサイズ(平置)
肩幅 約52cm
身幅 約60cm
袖丈 約55cm
ウエスト 約45cm
着丈 約153cm
股下 約74cm
裾幅 約22cm
状 態 中古上品
官民区分 官給品
入手場所 名古屋の専門店
入手難易度 3(困難)
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5 まとめ
今回のモデルの一大特徴であるフロントのダブルジッパーですが、これはヨーロッパ各国軍のAFV(アーマード・ファイティング・ビーグル:装甲戦闘車両)スーツなどでも多く採用されていますね。
着用には少々コツが必要ですが、素早く脱ぎ捨てるには、最も適したデザインかもしれません。
今回のモデルが本当にHALOスーツでしたら、一般的な戦闘服の上に着用するため、脱ぎやすさは重要なファクターですよね。
でも今回のモデルは、「フランス陸軍空挺HALOスーツ」という説明を受けて購入しました。
でも全体的な造りを見ていると、少々違和感を感じるものなので、あるいは違う用途のスーツかもしれませんね。
それはともかく、スーツ自体は一般的な作業でも十分に使用できるデザインですね。
定評ある(効果的な)CCE迷彩のカバーオールなので、リエナクトは勿論、サバイバルゲーム、野鳥観測、キャンプ、作業に使用できそうですね。
ところが残念ながら、大手通販サイトはいうに及ばず、オークションでもこのスーツを見かけることはありません。
入手は困難かもしれません。
探しているあなたは、ヨーロッパ物に強いSHOPや、海外のオークションをチェックしてみましょう!
私はHALO降下に使用するハーネスやヘルメットを探してみたいと思います。
今回は、フランス陸軍空挺隊のHALO用とされる迷彩カバーオールを分析しました。
いやー軍装品って、本当に素晴らしいですね!
それではまた、次回をお楽しみに!
(20250619更新)
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参考:他のフランス軍CCE迷彩装備に関する記事はこちらです。⬇︎
他のフランス軍装備に関する記事はこちらです。⬇︎
各国軍の迷彩装備に関する記事はこちらです。⬇︎
各国軍の空挺装備に関する記事はこちらです。⬇︎
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読んでいただき、ありがとうございました。
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