今回は、1970年代の旧チェコスロバキア陸軍迷彩ジャケットを分析します。
日本ではフィールドコートの方がより多く出回っていますね。
一見レインドロップ迷彩に似てますが、大きく違う箇所がありました!
中古で修理箇所もありますが、程度は良好ですよ!
目次
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1 旧チェコスロバキア陸軍迷彩ジャケット(ダット&レインドロップ迷彩)とは?
第二次大戦前から、優秀な戦車や小火器を製造していた旧チェコスロバキア。
戦後はユニークな迷彩服を多数採用していたことでも有名ですね。
一説には1950年代から研究とテストを行なって、その全てを何らかの形で採用しているとか?
(…できればコレクターのことを考えて欲しいですね😅)
当ブログでも、これまでいくつか取り上げてきました。
旧チェコスロバキアのユニークな迷彩服
どちらかというと派手な色調のものが多かったですが、今回のモデルは一転とても地味ですね。
しかも、今一つその迷彩生地のプリントに、意味のわからないパターンも存在していましたよ。
さてさて、それはどんな迷彩ジャケットなのでしょうか?
今回は、旧チェコスロバキア軍装備マニアのみならず、野鳥観測ベテランのあなたと一緒に、確認していきましょう!
2 全体及び細部写真です!
前面
一見左胸ポケットしか見えませんね。でも…
背面
珍しく右腰にポケットがありますね。
前面裏側
なんと腰左右の内ポケットと右胸に内ポケットがありました!
表側迷彩パターンの一部が裏側まで達していますね。
背面裏側
襟周りレイアウト
前合わせ頂部にボタンがあって襟を詰められます。
ただしチンストラップはなく、襟を立てることができません。
エポレット
短く細い長方形です。
ボタンで開閉
前合わせはボタンのみです。
胸ポケット
2個のボタンで開閉
ボタンホールの開いたテープがポケットフラップ裏側にあります。
(慣れないと使いづらいですね。😅)
胸ポケット裏側の生地
ストラップで捲れ上がりを防止していますね。
ストラップはカーキのHBT
サイズ(?)スタンプ
「交差した剣」はチェコスロバキア軍のマーク
1973年度契約品です。
背面右腰ポケット
こちらは1個のボタンで開閉
裏側にはストラップがありません。
右胸のループ
どうやら階級章を取り付けるもののようです。
袖
テーパー付き
袖口はボタンで絞るタイプ
(これも少々使いづらいですね。)
胸ポケット下のスタンプ
用途廃止スタンプでしょうか?
腰内ポケット
左右にあります。
ボタンで開閉
ウエストのドローテープはオーナーがカットして縫い付けていました。😅
裾にもドローテープがあったようですが、取り外されています。
襟裏にはおかしなところにボタンが。
フード用でしょうか?
脇の通気孔
ボタンホールタイプで1個
前合わせのボタン大
ODのプラスティック製でアメリカ軍タイプ
ポケットなどのボタン小
ODのプラスティック製でイギリス軍皿型タイプ
迷彩パターン
斑点の意味は何でしょう?🤔
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3 その特徴とは?
迷彩は、生成りの生地に、グレイ、濃淡2色のグレイグリーンで斑点や茎(?)を描き、その上からマホガニーブラウンで縦の波線をプリントしてあります。
グレイグリーンの斑点や茎は、ベースとなるグレイとの明度差があまりありません。
そのため一見、旧東ドイツ軍のレインドロップ迷彩に見えるのが特徴です。
(色調と波線の形はやや違っていますが…。)
また濃淡2色のグレイグリーンは、とても興味深いパターンでした。
(生地の裏側から見るとよくわかりますよ。)
このパターン、どこかで見たことありませんか?
迷彩生地裏側に透けているパターン
そうです!
第二次大戦中のドイツ武装親衛隊迷彩スモックに使用された「お花畑パターン」に似ていますね。
ドイツ武装親衛隊迷彩スモック
似ているパターンの部分拡大
これにも植物の「花と茎」と思われるパターンが描かれていますね。
当時のチェコスロバキアが、どのような意図でこの迷彩パターンを選定したのか、今となってはわかりません。
また、どんな効果があるのか…というのもわかりませんが、なかなか面白い迷彩ですね。
生地は、コットンサテンに似ている織り方で、防風性能が高そうですよ。
本来なら、ある程度硬さのある生地だと思われますが、今回のモデルは洗濯が繰り返されたのか、とても柔らかいです。
デザインは、これも旧チェコスロバキア軍独自のものですね。
構成は、エポレット付き、左胸ポケット、右腰ポケット、右胸内ポケット、左右の腰内ポケットです。
ジャケット表面にあるポケットより、内ポケットの方が多いというのが、旧チェコスロバキア軍独特ですね。
全体的な縫製は、チェコスロバキア軍らしい、正確で丁寧な仕立てです。
あと今回のモデルでは、ウエストのドローテープが縫い付けられていて、使用できないようにプチカスタムされていましたよ。
4 製造とサイズのデータです!
製造・契約年度 1973年?
製造場所 旧チェコ
スロバキア
契約会社 旧チェコ
スロバキア
製造会社 〃
材 質 コットン
表記サイズ 2B
(日本人のL)
各部のサイズ(平置)
着丈 約68m
肩幅 約46cm
身幅 約60cm
袖丈 約56cm
状 態 中古上品
官民区分 官給品
入手場所 東京の専門店
入手難易度 1(容易)
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5 まとめ
よく見ないと、細部がよくわからない変わり種のパターンの迷彩ですね。
素人目には、グレイグリーンの斑点など無くても良いような気がします。
でも旧チェコスロバキア軍のことですから、何しら凄い秘密があるのでしょうね。
(…あって欲しい!)
できれば日本のフィールドでも効果を確認してみたいです。
レインドロップが独特の視覚効果を発揮しているので、サバイバルゲーム…よりも野鳥観測や狩猟に向いているかもしれませんね。
ジャケットも面白いデザインですが、表面にポケットが少ないのは少々不便かもしれません。
(…もしかしたら、空挺用ジャケットなのかもしれませんね。)
幸いなことに、旧東ドイツ軍ほど人気がなく(😅)、大手通販サイトでも取り扱われているので、入手は容易です。
(しかも比較的お安いです。)
それでも購入する場合は、破損、修理、欠品、改造などをよく確認し、納得した上で決定しましょう!
私はおそらく存在するであろうと思われるトラウザーズを探してみたいと思います。
今回は、旧チェコスロバキアの不思議な迷彩ジャケットを分析しました。
いやー軍装品って、本当に素晴らしいですね!
それではまた、次回をお楽しみに!
(20231202更新)
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参考:その他の旧チェコスロバキア軍装備に関する記事はこちらです。⬇︎
のちに分離したチェコ軍の装備に関する記事はこちらです。⬇︎
チェコスロバキアが参考にしたと思われるドイツの迷彩に関する記事はこちらです。⬇︎
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読んでいただき、ありがとうございました。
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