今回は、1950年代のフランス軍空挺迷彩スモックを分析します。
以前分析した同社の「イギリス軍空挺迷彩スモック」と同時期に販売された国産のモデル品ですね。
でも、イギリス軍モデルよりも遥かに優れた製品でした。
中古品ですが程度は極上ですよ!
目次
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1 フランス陸軍空挺迷彩スモック(リザードパターン・国産TP社モデル品)とは?
今回のモデルは、1990年代に日本の有名SHOPが販売したモデル品です。
以前このブログでも生地にした「イギリス陸軍空挺迷彩スモック (DA作モデル品)」と一緒に販売されていましたね。
でもその出来は、まさに「雲泥の差」でした。
原型は1950年代にフランス陸軍が採用した空挺迷彩スモック。
その後期型というか最終モデルを再現しています。
迷彩生地モデルの他、OD単色モデルも発売されていましたよ。
さてさて、当時のフランス軍装備マニアを狂喜乱舞させた製品とは、どういったものだったのでしょうか?
今回は、フランス軍装備マニアのみならず、当時諸事情で入手できなかったあなたと一緒に、確認していきましょう!
2 全体及び細部写真です!
前面
確かによく再現されていますね。
背面
左右で生地が縫い合わされているのも忠実ですね。
前面裏側
背面裏側
襟周りレイアウト
前合わせはジッパーとボタンです。
ジッパーの長さは官給品に近いですね。
サイズタグとループ
タグはこのサイズタグのみ。
ループはカーキのナイロン製です。
内ポケット
(右胸のみ)
ボタンとタブで開閉
前合わせジッパーはYKKの金属製
完全なブルーイングではなく、薄墨仕様
エポレット
僅かにテーパー付きのラウンドタイプ。
ボタンで開閉
右胸ポケット
ダットファスナーで開閉
ポケットの容量に合わせて2段階に調整可能。
左胸ポケット
こちらもダットファスナーで開閉
ポケット表面には小さなパッチポケットがあります。
このポケット内部にはペン用のループが縫い付けられています。
残念ながらループはカーキのナイロン製ですが、それでもよく再現されていますね。
左胸の隠しポケットもちゃんと再現されていました。
ジッパーで開閉
このジッパーも勿論YKK
腰ポケット
こちらもダットファスナーで開閉
残念ながら胸・腰ポケット内部底にあるはずのリネン・コットン製の分厚いテープは省略されています。
しかしこれでアイロンが当てやすくなりました。
袖
付け根はゆったり裁断ですね。
袖口はボタンで開閉…なのですが、ボタンは内側に向いています。
これはパラシュートのライン(索)に引っ掛からないようにとの配慮によります。
胴体左右の独特なデザインも正確に再現されていますね。
脇には通気孔あり。
金属製ハトメ付きで片側4個。
使用されているダットファスナー表面
無塗装のようですが、表面は当初艶消し加工されています。
HBT(ヘリンボーン・ツイル:杉綾織)独特の模様に注意。
ポケット以外に使用されているODのプラスティック製ボタン
皿型のイギリス軍タイプ。
本来、前見頃はもっと大きなボタンなのですが、そこは再現されていませんでした。
迷彩パターンの一部
(中央で縫製されています。)
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3 その特徴とは?
迷彩は、ライトカーキの生地に、ダークグリーンとレッドブラウンを用いて、刷毛で乱雑に塗ったようなパターンを描いています。
その独特のパターンから「リザード(トカゲ)」と呼ばれていますね。
(どこがトカゲなのかはともかく…😅)
残念ながら今回のモデルも韓国製のモデル品生地が使用されていました。
全体的な雰囲気はまあまですが、細部は官給品と少々違っていますよ。
(ちなみに今回の迷彩パターンは、フランス軍迷彩M47ジャケットに多く見られるものですね。)
迷彩比較
今回のモデル
(袖部分)
韓国製モデル品空挺迷彩トラウザーズのパターン
迷彩色調は違っていますが、パターンは全く同じですね。
フランス軍官給品迷彩M47ジャケットに見られる同種パターン
中央の丸いグリーンに重なるブラウンのパターンがモデル品と大きく違っていますね。
それでも迷彩の色調が比較的当時のフランス軍官給品に似ているので雰囲気は良好です。
生地はコットンのHBT(ヘリンボーン・ツイル:杉綾織)で薄く丈夫です…
官給品に比べてもやや薄いため、夏場でも使用できそうですよ。
デザインは、官給品の空挺迷彩スモックをよく再現しています。
(韓国製モデル品より官給品に近いですね。)
構成は、エポレット付き、胸ポケット×4、腰ポケット×2、内ポケットで、袖口にはゴムを内蔵。
面白いのは袖口の合わせで、ボタンがパラシュートライン(索)に引っ掛からないように内側に向けて縫い付けられているところですね。
(韓国製モデル品空挺迷彩スモックではここが無視されていました。)
全体的な縫製はやや雑で不正確ですが、韓国製ならこんなものでしょう。
ちなみに今回の製品は初期生産品で、後期生産品は右胸のポケットが一部省略されているとの情報があります。
4 製造とサイズのデータです!
製造・契約年度 1990年代
製造場所 韓国
契約会社 日本
製造会社 韓国
材 質 コットン
表記サイズ M
(日本人のM〜L)
各部のサイズ(平置)
肩幅 約49cm
着丈 約70cm
身幅 約58cm
袖丈 約57cm
状 態 中古極上品
官民区分 民生品
入手場所 愛知の専門店
入手難易度 3(困難)
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5 まとめ
とても良くできたモデル品ですね。
本来TP社はタイガーストライプ関連品でも、高品質な製品を世に送り出すことで有名でした。
今回のモデルも、実力を十二分に発揮したモデルと言えそうです。
(…ならば、なぜイギリス軍空挺スモックは、あれで良いと思ったのでしょう?)
このレベルなら、あるいはリエナクト(コスプレ)にも使用できそうですね。
(こうなってくるとトラウザーズ、OD単色モデル、この後に販売された廉価・省略モデルも観てみたいです!)
残念あがら(当然ながら?)今回のモデルは、既に絶版になって久しく、再販もされていません。
どうやら一時的なスポット生産品だったようです。
(私としては、不定期でも生産を続けて欲しかったのですが。)
現在では、もはや国内のオークションでも見掛けなくなりました。
(むしろ当時の官給品の方が多く出回っています!😅)
それでも欲しいあなたは、リサイクルショップや古着ショップのサイトを中心に探してみましょう。
中古品の場合、場合によっては「フランス植民地製」の空挺迷彩スモックとして販売されている場合があります。
(サイズタグしかないのなら、そう思われるのも仕方ないかも。)
見つけて購入する場合は、今回の記事を参考にしてください。
(特に袖口のボタン。誤って韓国モデル品を購入しないように。)
私は迷彩トラウザーズと単色モデルの上下を探してみたいと思います。
今回は、TP社プロデュースのフランス陸軍空挺迷彩スモックを分析しました。
いやー軍装品って、モデル品も本当に素晴らしいですね!
それではまた、次回をお楽しみに!
(20231226更新)
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参考:官給品の同型空挺迷彩スモックに関する記事はこちらです。⬇︎
韓国製の同型空挺迷彩スモックに関する記事はこちらです。⬇︎
韓国製よりもできの悪い中共製空挺迷彩スモックに関する記事はこちらです。⬇︎
他のモデル品全般に関する記事はこちらです。⬇︎
他のフランス軍装備に関する記事はこちらです。⬇︎
他国の迷彩服に関する記事はこちらです。⬇︎
他の空挺装備に関する記事はこちらです。⬇︎
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読んでいただき、ありがとうございました。
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