今回は、フランス軍の空挺リザード迷彩スモックのモデル品を分析します。
中共製なのですが、山田…いえいえ、未だかつて無いモデル品と言えます。
何故こんな事が起こったのでしょう?
それはともかく、今回のアイテムもデッドストックですよ!
目次
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1 フランス陸軍空挺リザード迷彩スモック(中共製モデル品)とは?
その独特の迷彩と数奇な運命から、世界中で大人気のフランス陸軍空挺リザード迷彩スモック。
洋の東西を問わず、程度の良いものは思わぬ高値で取引されていますね。
その人気の高さ故、これまで多くの国でモデル品が製造されてきました。
(日本でも大手ミリタリーSHOPが忠実なモデル品を販売していましたよ!)
今回のモデルは、その人気に商機を見出した中共(中国共産党)が製造したモデル品になります。
これまでも中共製モデル品をいくつか分析してきましたが、その再現度に関してはピンキリでしたね。
製造会社で違うのか?それとも注文元で違うのか?
詳細は不明ですが、興味深い出来事ですね。
そういう意味で、今回のモデルは大きく外れだったようです。
最初に書いておきますが、忠実なモデル品をお探しのあなたは、買ってはいけないシリーズだといえます。
さてさて、それはどんな迷彩スモックなのでしょうか?
今回は、リザード迷彩マニアのみならず、迷彩服コレクション初心者のあなたと一緒に、確認していきましょう!
2 全体及び細部写真です!
前面
第一印象は「なんだこりゃ?」でした。
背面
迷彩はあからさまに4色迷彩になっています。
中央のステッチも再現されています。
前面裏側
…でも、内ポケットはちゃんと再現していますね。
背面裏側
前合わせはボタンとジッパーです。
ジッパーの長さが官給品よりも長いですね。
忠実に再現はしていませんが、実用には防風性能が高そうですね。
タグ表裏
襟周りレイアウト
エポレットはテーパーなしのクサビ型です。
ボタンはマホガニーブラウンではなくODです。
右胸ポケット
ダットファスナーで開閉
左胸ポケット
表面にパッチタイプのペンポケットがあります。
(中のテープも再現!)
向かって左側にはジッパーで開閉する隠しポケットが!
腰ポケット
こちらもダットファスナーで開閉
各ポケット内部底の分厚い補強生地は省略されています。
でも、各ポケットの水抜き穴は再現
袖
テーパー付きで袖口にはゴムを内蔵
またボタンでも開閉できます。
ボタンは通常と逆に内側に向けて付いています。
これはパラシュートのライン(索)に引っ掛からないようにとの配慮から。
脇の通気孔
4個の金属製ハトメ
襟裏のフード用ボタンは省略されています。
裾のドローコード
内ポケット
ボタンで開閉
何故か生地の色が違っていますね。
ジッパーは無刻印のブラス製
動きはスムーズです。
ダットファスナーの表面には、反射防止加工が。
でも何故グレイ?
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3 その特徴とは?
迷彩は、ライトグリーングレイ(明灰緑色?)の生地にレッドブラウン、ダークグリーン、ブラックグリーンを用いて、刷毛で雑に塗ったようなパターンを描いています。
遠目で見るとそれらしいのですが、近くで見るとパターンも色調も全く違っていますね。
そもそもフランス官給品の迷彩は、ブラウンとグリーンが重なるところが濃いブラウンになって、4色迷彩のように見えるのが特徴でした。
(迷彩色調は数種類あるので、その特徴の薄いモデルもありますが…。)
ところが、今回のモデルは予め3色を用いて、それらしくプリントしてありました。
何故こんなプリントなのか不明ですが…もしかしたら勘違いだったのでしょうか?
(うまく表現できる染料が入手できなかったのかもしれませんね。)
迷彩生地の比較
今回のモデル
前面
フランス軍官給品
前面
今回のモデル背面
フランス軍官給品背面
迷彩生地に関しては、パターンや色調のどれも正確に再現していません。
(そもそも、官給品の写真だけ見て雰囲気で作ったのかも?)
生地は、ちゃんとコットンのヘリンボーンを採用しています。
(それだけに、迷彩プリントが全く違うのが惜しいです。)
デザインは忠実に官給品のスモックを再現しています。
構成は、エポレット付き、胸ポケット×4、腰ポケット×2、内ポケットで、袖口にはゴムを内蔵しています。
また袖口のボタンも、ちゃんと隠しボタンになっていますよ。
デザインは以前分析した韓国製モデルよりも忠実に再現していますね。
(小物パーツに不満はありますが…。)
全体的な縫製は普通で、フランス官給品のように強度を追求したものではありません。
4 製造とサイズのデータです!
製造・契約年度 2000年代
製造場所 中共
契約会社 不明
製造会社 中共
材 質 コットン
表記サイズ M
(日本人のL)
各部のサイズ(平置)
着丈 約80cm
肩幅 約52cm
身幅 約60cm
袖丈 約56cm
状 態 新品
官民区分 民生品
入手場所 ヤフオク
入手難易度 3(困難)
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5 まとめ
細部は辛うじて再現しているのに、肝心な迷彩パターンが全く論外の物を使用しているため、モデル品としての評価は低くせざるを得ないですね。
おそらく世界中のリザード迷彩モデル品の中でも、最低レベルなのではないでしょうか?
(かつて日本の大手ミリタリーSHOPが販売した、イギリス陸軍空挺DPMスモック (モデル品)と双璧をなす出来の悪さだと言えます。)
モデル品としての価値は無いですね。
ただし一着の迷彩服として見た場合、濃淡のハッキリした色調から、ある程度の分裂効果がありそうですね。
或いは日本のフィールドでも効果があるかもしれません。
またそのデザインは、機能的に優れているという評価のフランス軍空挺スモックが原型で、sしかもある程度忠実に再現しています。
…とするなら、意外に使える迷彩服なのではないでしょうか?
用途は、ヒストリカルゲーム(コスプレ)以外では普通に使えそうですよ。
幸か不幸か、現在SHOPでもオークションでも全く見掛けません。
おそらくその出来の悪さから、全く売れずに消えてしまったのではないでしょうか?
(私は参考に購入してみました。勉強になりました。)
詳細は不明ですが、もしあなたが忠実なモデル品を探しているなら、今回のモデルは入手しない方が良いようです。
もしかしたら、海外のオークションで不鮮明な写真で出品されているかもしれませんが、今回の記事を参考にして入札の可否を検討して欲しいです。
今回は、モデル品としては最低レベルの中共製フランス軍空挺リザード迷彩服を分析しました。
いやーモデル品って、本当に面白いですね!
それでは、また次回をお楽しみに!
(20231216更新)
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参考:他のフランス軍空挺リザード迷彩スモックのモデル品はこちらです。⬇︎
今回のモデルの原型はこちらです。⬇︎
✳︎ ✳︎ ✳︎
Twitterで見つけました。
ちょっと古いお話ですが…。
こうなるぞ(出典不明画像) pic.twitter.com/onkZaU6Dfu
— ひらが (@hiraga_hiraga) 2020年11月22日
本当に「日本昔ばなし」みたいですね。
岐阜ならでは?…なのでしょうか?
いつか人間も含めたみんなで一緒に飲める日が来ると良いですね💕
読んでいただき、ありがとうございました。
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