今回は、1940年代のドイツ空軍戦闘機・爆撃機用照準器(Revi C/12D)を分析します。
松本零士先生の戦場マンガシリース「我が青春のアルカディア」に出演(?)して一躍有名になりましたね。
大戦中のドイツ機マニア垂涎の一品です!
保管上の傷や欠品がありますが、箱付きの極上品ですよ!
目次
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1 ドイツ空軍戦闘機・爆撃機用照準器(Revi C/12D)とは?
史上初めて航空機同士が空中で戦ったのは第一次大戦でした。
当初はレンガを落としあったり、ピストルやライフルを手で持って撃ち合うという微笑ましい(?)ものでしたね。
しかし、いつしか機関銃を搭載し、かつプロペラ回転圏内からの射撃が可能になると、弾丸の命中精度が飛躍的に向上しました。
機体を操縦して機首を目標に向ければ命中させることができたのですから…。
(それでも敵機を撃墜するのは至難の業でしたが…。)
そして、より効果的に弾丸を目標に命中させるため、専用の照準器も開発されましたよ。
当初は筒状の望遠鏡タイプでしたが、のちに光学式が主流になりましたね。
今回のモデルは、大戦中のドイツ空軍戦闘機、急降下爆撃機、地上襲撃機に搭載された光学式照準器になります。
型式の「Revi C/12D」は、主に第二次大戦前半の航空機に使用されました。
(メーサーシュミットBf109、ユンカースJu87、ヘンシェルHs129など)
一部は日本にも輸出されて、照準器開発の参考にされましたね。
さてさて、それはどんな照準器なのでしょうか?
今回は、ドイツ空軍マニアのみならず、松本零士先生ファンのあなたと一緒に、確認していきましょう!
2 全体及び細部写真です!
全体形
左側面
右側面
前面
背面
皮革製のパッドは、パイロットの顔面を保護するためのもの。
上面
底面
ダイヤルはレティクルの明度を調整するためのもの。
(可変抵抗?)
データプレート(銘板)
メーカーはかの有名な「C社」です!
各部の合いマーク
本体左側面にはレバーがあって…
前方を上げることでサングラスがスライドして上がってきます。
サングラス装備前
サングラス装備後
サングラスはワイヤーのバネで固定されます。
補助照準器
使用しない場合は下に倒しておきます。
本体下部の電球室
(電球は欠品😭)
電球室蓋裏側には注意書きが!
機体に取り付けるレール
サングラス使用時のレティクル
(ややピンボケです。😅)
専用の紙箱
頑丈な厚紙製。
蓋のラベル
二段目の「F152095」は、照準器本体のデータプレートと一致!
開けるとこんな感じです。
押さえを開けたところ。
本来なら予備の電球などの付属品があるはずなのですが、欠品でした。
当時の取り扱いマニュアル(…のコピー!)
実機に装備したコクピット写真(Bf109)
参考
日本が今回のモデルを輸入・参考にして開発した「4式射爆照準器」
(松本零士先生寄贈との説あり。)
松本零士御大のザ・コクピットシリーズに出てきがちの戦闘機の照準器 pic.twitter.com/Y5HzX7kW2r
— t.k (@kojikoji2009) 2020年12月12日
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3 その特徴は?
本体は金属製で、偏光ガラス製の反射ガラスとサングラスがあります。
(サングラスは通常、下に格納されていて、必要に応じてレバーで上げて使用します。)
本体の他に、破損したり電球が切れたりした場合に備え、補助照準器が本体右側に装備されていますね。
電球は本体下の電球室に取り付け、プラグは機体にあるコンセントに差し込んで使用します。
(機種によっては、このコードが機体計器盤に垂れ下がり、計器盤の一部が見えなくなったりしていますね。それで良かったのでしょうか?)
レティクル(照準環)は、本体下部の電球で照らされたレティクル画像を反射ガラスに投影して表示させます。
これは以前分析した旧ソ連空軍Mig25フォックスバット戦闘機用照準器と原理は同じですね。
レティクル
(いくつかのパターンがありますが、同時期の日本軍用よりもシンプルですね。)
照準イメージ
相手役はイギリス空軍スピットフィア戦闘機
(iPad画像との合成です。こちらもピンボケですが、逆に臨場感がある…と信じたい!😃)
…でも、やはり距離が近過ぎますね。😅
レティクルは固定で、アメリカ陸軍航空隊戦闘機用光学照準器(K–14)のように、動いて未来位置を示すことはありません。
因みに官給品は反射ガラスに偏光ガラスが用いられていて、レティクルが綺麗に見えますが、モデル品や一般のガラスに替えられている場合は、レティクルが二重に見えるそうです。
覚えておきましょう!
ところで今回のモデルは「Revi C/12D」でも後期の生産品になります。
初期生産品は、本体表面に高級な処理がされていて重厚な印象ですが、今回のモデルはそれに比べると簡素な表面仕上げになっていますね。
全体的な作りは少々荒削りの部分がありますが、重要な箇所はとても丁寧に精密に作られています。
ドイツ的合理主義の結晶ですね。
4 製造とサイズのデータです!
製造・契約年度 1940年代
製造場所 ドイツ
契約会社 ドイツ
製造会社 〃
材 質 アルミ
スチール
偏光ガラス
皮革
綿
木材
各部のサイズ 全長 約17cm
全幅 約9cm
高さ 約21cm
状 態 中古極上品
官民区分 官給品
入手場所 名古屋の骨董市
入手難易度 4(極めて困難)
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5 まとめ
とてもシンプルな構造とレティクルで、使いやすそうな照準器ですね。
ただしこの照準器を用いて照準し、敵機に命中弾を与えるのは、やはりとても難しいようです。
照準器に関しては、より効果的な照準器の開発に成功した英米に軍配が上がるようですね。
(ドイツ空軍も戦争末期にはジャイロを組み込んだ照準器を開発していたという説もあります。)
ところが現存している当時の空戦フィルムをみると、この照準器を用いて巧みに敵機を撃墜しているものが多いですね。
当時のドイツ空軍パイロットは、ずば抜けて優秀だったのかもしれません。
(もっとも旧日本陸・海軍パイロットに次いでですが。)
それはともかく、今から30年くらい前には、国内のオークションでも一定数出品されていたこの照準器も現在では入手がとても困難になりました。
しかも年々価格は高騰、逆に取引される個体の程度は悪化していますね。
探しているあなたは、ダメもとで海外のオークションを当たってみましょう!
また、希少価値に商機を見出した国内のメーカーが、忠実なモデル品を作成して販売したことがありました。
現在ではそのモデル品入手困難です。
(モデル品とはいえ、意外に高価でした!今でも販売しているのでしょうか?)
こちらはまだ探せば国内で見つかるかもしれません。
資金を準備して探してみましょう!
今回は、希少な大戦中のドイツ空軍戦闘機・爆撃機用照準器(Revi C/12D)を分析しました。
いやー軍装品って、本当に素晴らしいですね!
それではまた、次回をお楽しみに!
(20240318更新)
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参考:他の航空機用照準器に関する記事はこちらです。⬇︎
第二次大戦中のドイツ空軍フライトジャケットに関する記事はこちらです。⬇︎
その他のドイツ軍装備に関する記事はこちらです。⬇︎
第二次大戦中の各国軍装備に関する記事はこちらです。⬇︎
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読んでいただき、ありがとうございました。
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