今回は、1940年代のドイツ空軍(ルフト・バッフェ)フライトジャケットを分析します。
勿論モデル品ですが、当時の軽量なタイプをよく再現しています。
戦後の旧西ドイツ空軍レザーフライトジャケットにも通じるデザインですね。
今回は中古品ですが、極上品ですよ。
目次
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1 ドイツ空軍フライトジャケット(コットン・夏季用・モデル品)とは?
第二次大戦中のドイツ空軍は、とても強力だったそうですね。
まず航空機。
徹底的に量産を考慮した設計、高性能エンジンや機関砲の開発、ジェット戦闘機・ロケット戦闘機の実用化。
素晴らしいですね。
次にパイロット。
一人で352機もの敵機を撃墜したハルトマン、急降下爆撃機を駆って敵戦車を519台以上も撃破したルーデル…枚挙にいとまがないくらいです。
(この二人だけでも、敵国にいったいどくらいの損害を与えたのか、いつか計算してみたいですね。)
元々第一次大戦で敗れたドイツは、空軍の所持を禁止されていました。
しかし、秘密裏に各種スポーツ機(急降下スポーツ機などというものもありました!)でパイロットを養成するとともに、簡単な改造で軍用機になる民間機の開発などを進めていました。
つまり、再軍備のために着々と準備していたのですね。
そんなドイツ空軍は、パイロットの装備も独特でした。
軍規には比較的緩やかで、明文化はされていませんが「成果を出していればお気に入りの格好をしても良い」みたいなところがあったようです。
例えば各エース(敵機を5機以上撃墜したパイロット)などは、派手な革ジャンパーなどを着用するなど、まるでムービースターのようでした。
(この辺りは、映画「空軍大戦略(原題バトルオブブリテン)」で忠実に描かれていますよ。)
まるで、カッコよさを互いに競っているみたいだったそうです。
勿論、官給品のフライトジャケットも存在していましたよ。
今回のモデルは、そのドイツ空軍官給品のコットン製夏季用フライトジャケットになります。
多種多様なドイツ空軍フライトジャケットの中でも、最も数の多い標準的なタイプをモデル化していますね。
さてさて、それはどんなフライトジャケットなのでしょうか?
今回は、ドイツ空軍マニアのみならず、フライトジャケットコレクターのあなたと一緒に、確認していきましょう!
2 全体及び細部写真です!
前面
如何にもドイツ…というデザインですね。
右胸のドイツ空軍パッチは最初からありませんでした。
背面
前面裏側
ほぼ全面に濃いブルーのコットン製ライニングがあります。
袖は、別の生地で二重袖になっています。
前身頃の短いストームフラップ(ウインドシールド)に注意!
背面裏側
インナーライニング(中綿)はありません。
アメリカ軍のL–2系に相当します。
前合わせはジッパーのみです。
襟は通常のタイプですね。
首元にはチンストラップがあって、襟を立てることができます。
胸ポケット
ボタンで開閉
戦後の旧西ドイツの軍服】空軍レザーフライトジャケットもこのデザインを踏襲していますね。
酸素マスクなどを固定するためのタブ
皮革製です。
袖はほぼストレートで二重になっています。
袖口はボタンで開閉しますが、内側の袖は先端にゴムを内蔵、 ダットファスナーで開閉できます。
エポレットはなく、階級章取り付け用のループとボタンがあります。
ジッパーは無刻印ですが、どこかで見たジッパーですね?
腰ニット
単色ではなくてミックスになっています。
なんか民間衣料品みたいですね。
内ポケット
オープンタイプです。
サイズ表記
モデル品なのでSML表示です。
ランドリーマーク
材質表示
もうおわかりですね。
日本製の丁寧なモデル品です。
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3 その特徴とは?
シェル(外皮)の生地は、落ち着いたグレイのコットンで目の細かいツイルです。
旧東ドイツ軍が戦後に支給したフライトジャケットの生地に似ていますね。
一方、ライニングはブルーのコットンで、ポプリンに似た生地です。
(インナーライニング(中綿)はありません。)
デザインはエポレットなし、胸ポケット、内ポケットで、袖は別生地で二重になっています。
また裾はニットになっています。
胸ポケットは、垂直に開口してボタンで開閉するタイプですが、面白いことに戦後の西ドイツ空軍が支給したレザーフライトジャケットに似ていますね。
全体的な縫製はとても正確かつ丁寧です。
さすが日本製ですね。👍
4 製造とサイズのデータです!
製造・契約年度 1990年代
製造場所 日本
契約会社 日本
製造会社 〃
材 質 コットン
ウール
表記サイズ M
(日本人のL)
各部のサイズ(平置)
着丈 約64cm
肩幅 約50cm
身幅 約60cm
袖丈 約58cm
状 態 中古極上品
官民区分 民生品
入手場所 東京の専門店
入手難易度 3(困難)
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5 まとめ
アメリカ軍のL-2系やCWU-36Pくらいに位置づけされるジャケットですね。
秋や春の「着用する衣類に迷う」時期にちょうど良いかもしれません。
(勿論、着込めば初冬くらいなら対応できそうですよ。)
このジャケットの優れたところは、デザインもさることながら、誰も着ていないというところでしょう。
アメリカ軍系ジャケットは、官給品、モデル品併せて市中に出回り過ぎていますが、このジャケットはまず着ている人がいません。
他者との差別化を図り、個性を発揮できるジャケットと言えるでしょう。
ただ残念ながら、このモデルは通年で製造されているものではなく、数年に僅かな量しか製造されません。
そのため入手が難しいです。
もしかしたら、東京の「SM屋」さんには、あるかもしれません。
探しているあなたは、ぜひ覗いてみましょう。
私は、当時の官給品のジャケット、そしてペアで使用する特殊なトラウザースを探してみたいと思います。
今回は、これからの季節にジャストなドイツ軍フライトジャケットのモデル品を分析しました。
いやー軍装品って、モデル品も本当に素晴らしいですね!
それでは、また次回をお楽しみに!
(20231125更新)
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参考:第二次大戦中のドイツ空軍装備品に関する記事はこちらです。⬇︎
戦後の西ドイツ(ドイツ連邦)空軍レザーフライトジャケットに関する記事はこちらです。⬇︎
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読んでいただき、ありがとうございました。
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