今回は、1950年代のフランス軍M47ジャケットを分析します。
フランスがまだ植民地を失う前の「希望」に満ち溢れていた時代の戦闘服ですね。
文字通り1947年採用の装備品です。
今回もデッドストックですよ!
目次
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1 フランス陸軍M47ジャケット(OD・デッドストック・初期型)とは?
かなり先進的な兵器を多数保有していたにも関わらず、第二次大戦初期に、あっさりドイツ軍に敗北したフランス軍。
大戦中はアメリカ、イギリスの威を借りて細々と戦い、いつのまにか戦勝国の仲間入り。
なんか納得いかないですよね。
それはともかくフランス軍の個人装備は、当時の諸外国に比べてかなり遅れていました。
単に正面装備を揃えるだけでは、戦争に勝てないという事ですね。
(マジノラインにお金かけ過ぎ!)
でも当時の主要連合国のみならず、敵として戦ったドイツ軍の充実した個人装備には、さすがにフランス軍も衝撃を受けざるを得ませんでした。
そのため、戦後すぐに個人装備の独自開発に乗り出します。
とはいえ、元々センスのないフランスですので、他国のデザインを少しずつ取り入れて開発していきましたね。
今回のモデルは、戦後間もなくの1947年に採用された戦闘服です。
ある国のフィールドジャケットを参考にしているようですよ!
さてさて、それはどんなジャケットなのでしょうか?
今回はミリタリーマニアのみならず、ファッションリーダーのあなたと一緒に、確認していきましょう!
2 全体及び細部写真です!
前面
シェルのカラーはオリーブです。
フランスの明るい時代を象徴していますね。
背面
前面裏側
ポケットとウエストの生地が目立ちますね。
背面裏側
前合わせはボタンのみ
タグ
タグ付近のスタンプ
メーカー名でしょうか?
胸ポケットの陸軍スタンプ
1957年度契約品です。
何かのタグ
切り取られていました。
エポレット
テーパー付きのクサビ型です。
胸ポケット
ポケットフラップ内側やボタンホールタブは、明るいカーキの裏地
ボタンで開閉
腰ポケット
胸ポケットと同様ですが、2個のボタンで開閉
腰ポケット底部には、頑丈な麻製の補強生地が縫い付けられています。
ポケット横のピンクの下書き(?)線がまだ残っていますね。
袖口 調整用のタブ
ボタンで調整
これもヨーロッパ製の衣類に多い処理ですね。
襟裏には、チンストラップとボタンが。
アメリカ軍のM43風です。
何鎖骨付近には裏地が。
胸ポケット内部の生地
ウエストのドローコード
ボタンはマホガニーブラウンのプラスティック製
前合わせのボタンホールは、裏地が明るいカーキです。
これもM43風ですね。
襟はチンストラップでスタンドカラーになります…が、ボタンホールが開いていませんでした。
ツメが甘いフランスらしいですね。
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3 その特徴とは?
以前にも迷彩生地で造られたM47ジャケットを分析しました。
迷彩M47ジャケットの記事はこちらです。⬇︎
今回のモデルもデザインは大きく変わりませんが、迷彩生地ではないこちらのモデルの方が細部がよくわかりますね。
やはり、所々アメリカ軍のM43ジャケットの影響を受けているようです。
構成は、エポレット付き、胸ポケット×2、腰ポケット×2のコートタイプで、ライニングは上半身の上部しかありません。
生地は、やや薄いヘリンボーンで軽量ながら丈夫そうです。
カラーは明るいオリーブで、一見戦闘のことなど一切考えていない、お気楽な時代を反映していますね。
縫製はカチッとしていますが、チンストラップのボタンホールが開いていない箇所がありました。
陸軍のスタンプが押してあって検査済みなのに、どういうことなんでしょうね?
そういえば、この時期に製造されたフランス製小銃には、安全装置をつけ忘れていたものがあったとか?
なるほど、共通している気がしますね。
4 製造とサイズのデータです!
製造・契約年度 1957年
製造場所 フランス
契約会社 フランス
製造会社 〃
材 質 コットン
表記サイズ 29
各部のサイズ(平置)
着丈 約80cm
肩幅 約50cm
身幅 約65cm
袖丈 約59cm
状 態 中古良品
官民区分 官給品
入手場所 大阪の専門店
入手難易度 1(容易)
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5 まとめ
その後、フランスは見下して搾取していたアルジェリアやベトナムの植民地を相次いで失陥。
植民地大国の威信を失ってしまいます。
国内でも革命騒ぎがあったりして混乱、次第に国際的な発言力をなくしていくのでした。
それと同じくこのジャケットも、時代とともに生地のカラーが段々と暗くなっていきましたよ。
末期は粗末な生地で作られた空軍用の作業服や迷彩生地を用いた外人部隊専用のジャケットに格下げされました。
面白いですね。
軍隊の個人装備は、その国の状態をも表しているのですね。
でもジャケットとしては、着やすいものですし、着込めば冬にも対応できそうです。
何より、現在ではこの明るめのカラーに心が和みますね。
逆に合わせるのは難しいかもしれませんが、そこがあなたのセンスの見せ所ですよ。
実は以前、フランス本国から程度の良いM47装備の大量放出がありました。
今でも市中に出回っていますね。
ネットオークションなどにも、豊富に出品されていますよ。
…ですので入手は比較的容易です。
ただ身幅は大きいものが主体です。
購入する場合は、出来るだけ初期のものを選びましょう。
(縫製が丁寧です。)
そうそう、生地色が暗いオリーブグリーンに変更された後期型も入手可能です。
あなたのシチュエーションに応じて入手してみてください!
今回は、フランス軍の古い、でも明るい時代の戦闘服を分析しました。
いやー軍装品って、本当に素晴らしいですね!
それでは、また次回をお楽しみに!
(20240311更新)
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参考:後期型のM47ジャケットに関する記事はこちらです。⬇︎
このジャケットが参考にしたアメリカ軍のジャケットに関する記事はこちらです。⬇︎
このジャケットとペアで使用するトラウザーズに関する記事はこちらです。⬇︎
M47ジャケットやトラウザーズの迷彩版に関する記事はこちらです。⬇︎
他のフランス軍装備に関する記事はこちらです。⬇︎
各国軍の単色衣類に関する記事はこちらです。⬇︎
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読んでいただき、ありがとうございました。
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