今回は、戦後初の国産戦闘機として練習機から改造・開発された航空自衛隊F-1戦闘機の照準器を分析します。
F-1は支援戦闘機という名称のもと、対艦ミサイルや爆弾を装備・運用できるのが印象的でしたね。
ところで今回の分析で、面白いことがわかりました!
使用感がありますが、程度は良い方ですよ!
目次
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1 航空自衛隊F-1支援戦闘機用照準器(サイト97 JP-1)とは?
冷戦期に開発されたにもかかわらず、一度も敵機と砲火を交えることなく退役したF-1戦闘機。
当時、かけがえのない対艦戦闘能力(洋上の艦艇を攻撃する能力)を有した戦闘機でした。
諸外国の例とは逆に、T-2練習機から改造されて開発されたため、何かと問題も多かったようですが、それも今となっては懐かしいですね。
何より日本を守ってくれましたし、後の戦闘機開発の礎となってくれた功績は、とても大きいと言えるでしょう。
F-1戦闘機に関する歴史や開発の経緯などは、以下をご覧ください。⬇︎
F-1戦闘機、そしてT-2練習機には、とても先進的な設計、素材、技術が用いられていますが、それまでの戦闘機(F-86系、F-104、F-4)と大きく違うのは、上述の対艦能力が付加されていることですね。
そのため照準器も特殊なものが装備されたようですよ。
今回のモデルは、そんなF-1の照準器なのですが、もしかしたら国産品ではないかもしれませんね。
さてさて、それはどんな照準器なのでしょうか?
今回は、航空自衛隊装備マニアのみならず、実際にF–1を操縦されていたあなたと一緒に、確認していきましょう!
2 全体及び細部写真です!
全体形
前方右斜め上から
奇跡的に反射グラスの損傷ありません。
後方左斜め上から
上面
前面
反射ガラスを押さえる2本の支持架が特徴ですね。
背面
左側面
側面に数字のインジケーターあり。
右側面
後面斜め上
パイロット目線で見た反射ガラス
データプレート(銘板)
フランスからの輸入品でしょうか?
後面左側にあるダイヤル
可動し手動で数値を変えることができます。
後面左側下部のセレクター
後面右上部のセレクター
後面下部には冷却フィン?
後面左側のインジケーター
後面右側のインジケーター
後面のパネルは下のレバーで取り外せます。
パネルのデータプレート
データカードと保護プラスティック
オレンジ色は変色でしょうか?
投光部
専用のカバーが付きます。
本体左右にある製造メーカーのマーク
なんかスターウォーズみたいですね。
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3 その特徴とは?
実機搭載写真
モデルアート臨時増刊スーパーディティール・シリーズ②三菱T-2/F-1より引用・加工
全体は金属製で、艶消しのブラックに塗られています。
(反射防止ですね。)
反射ガラスは分厚く、仕上げがとても美しいですね。
後方から見ると、反射ガラスの左右に色のついたインジケーターがあって、機体がパイロットに何かを知らせるようになっていますよ。
また、左側にダイヤルとセレクター、右側にもセレクターがあって、照準器のモードなどを変更できるようです。
背面には取り外しできるパネルがあって、オプションで何かを装着できるようです。
今回のモデルは、購入時から前オーナーが木製の専用台を造って照準器本体を取り付けてくれていました。
気になったのは、データプレートを見るとフランス製のようです。
(詳細不明…でも面白いですね。)
残念ながら、近代の複雑な(おそらくコンピューターやレーダーに連動した)構造なので、どこかのパネルを外してライトで照らせばレティクルなどが浮かび上がる…などという再現は難しいようです。
でもどんなデータが映し出されていたのか、観てみたいですね。
4 製造とサイズのデータです!
製造・契約年度 1980年代?
製造場所 フランス?
契約会社 日本
製造会社 フランス?
材 質 スチール
アルミ
偏光ガラス
各部のサイズ 縦 約27cm
横 約18cm
奥行 約27cm
状 態 中古極上品
官民区分 官給品
入手場所 ヤフオク
入手難易度 4(極めて困難)
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5 まとめ
その昔、有名な零式艦上戦闘機の試作機である十二試艦上戦闘機には、フランスOPL社の照準器が取り付けられていたという説もありますね。
フランス製の照準器を用いるのは、伝統なのでしょうか?
それはともかく、この時代までの照準器は、まだ人が持って歩けるくらいの大きさと重さが魅力ですね。
この照準器もコンパクトで、机の上におけるサイズです。
(少々重いですが…。)
何より日本を守ってくれた機体の照準器ということで、コレクションする意味はとても大きいと思いますね。
入手は困難ですが、あなたもぜひ入手してみてください。
ところで下の写真をずっと見ていると、反射ガラスの向こうに空母「ミンスク」や「キエフ」そして、とある飛行場が見えてきませんでしたか?
(またまた、馬鹿なことを…って、本当だ!バックファイアーが20機ならんでる!)
…照準器の鉄板ネタ(まるでLS1/144の箱絵を参考にしたような)がキマったところで関連エピソードをいくつか。
その1(構造)
F-1(T-2)は、水平尾翼を動かすシャフトが2本あるというのをご存知ですか?
開発したメーカーによりますと、本当は左右の水平尾翼を別々に動かす(F-15のようにする)計画だったとか。
もし実現できていたら、更なる運動性能の向上や、微妙な速度域における操縦が楽になったかもしれませんね。
その2(デザイン)
F-1(T-2)の開発に関して、初飛行の時期からイギリスとフランスが共同開発したジャギュアという攻撃機をコピーした…との説が実しやかに流れていますが、
- どちらも同じエンジンを2発装備している。
- どちらの設計者も当時の最新鋭戦闘機F-4ファントムのレイアウトを参考にした。
- F-1は練習機から改造された。
という理由から、全くのデマです。
信じないように注意しましょう。
(そもそもF-1(T-2)の美しい機体ライン、細い脚などはジャギュアの面影など微塵も感じない美しいデザインですよね!)
その3(機体形状)
あまり知られていませんが、F-1は正面からのレーダー反射率が小さく、日米合同演習では時折アメリカ軍戦闘機を出し抜くことができたとか?
原始的かつ限定的ではありますが、ステレス性能まで有していたとは素晴らしいですね。
(先見の明!)
その4(機体塗装)
F-1は、タンと2色のグリーンで迷彩塗装がなされています。
これは明らかに地上を意識した迷彩…だったのですが、メリハリのある迷彩塗装はなんと空中でも効果があったそうですよ。
特に雲量がSCT(スキャタード:3/8〜4/8)以上程度あった場合には、見慣れた航空自衛隊パイロットでも見失う場合があったとか。
期待形状のみならず、迷彩塗装も天地兼用だったなんて、本当に素晴らしいですね!
最後に、こんな素晴らしいF-1戦闘機の開発した三菱の関係者、運用、操縦、整備・補給に携わった全ての航空自衛隊隊員の皆さん、本当にお疲れ様でした。
そして、ありがとうございました。
今回は戦後の国産戦闘機第1号である、航空自衛隊F-1戦闘機の照準器を分析しました。
いやー自衛隊装備品って、本当に素晴らしいですね!
それでは、また次回をお楽しみに!
(20241004更新)
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参考:F-1支援戦闘機が活躍していた時代の航空自衛隊装備品はこちらです。⬇︎
その他の軍用各種照準器に関する記事はこちらです。⬇︎
古今東西の航空機装備品に関する記事はこちらです。⬇︎
他の自衛隊装備に関する記事はこちらです。⬇︎
✳︎ ✳︎ ✳︎
YoutubeでF-1支援戦闘機が特集されていました。
この他にもゆっくり解説系の動画もあるようです。
動画に残してくれていると、いつでも勉強できますね!
あなたもぜひご覧ください。
読んでいただき、ありがとうございました。
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