今回は、2000年代のロシア陸軍迷彩ユニフォームを分析します。
以前分析したロシア陸軍特殊部隊用リザード迷彩服などとよく似たデザインですね。
でも使用されている迷彩パターンは、超有名なものでした。
いわゆるPX品ですが、おまけも付いたデッドストックですよ!
目次
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1 ロシア陸軍迷彩ユニフォーム(P79類似迷彩・専用ベスト付・PX品)とは?
冷戦時代の旧ソ連(ソビエト社会主義共和国連邦)軍は、いわゆる西側にとって「とてつもない脅威」でした。
戦勝パレードなどで繰り出される、見たこともないデザインの新型戦車。
大きい対艦ミサイルを何発も搭載した艦艇。
途切れることのない新型軍用機の展示飛行。
そして「世界中のどの首都にも落とせる!」と政治家が豪語した大陸間弾道弾など、各種新兵器にはいつも度肝を抜かされるとともに、危機感(時には絶望感)を煽られたものです。
個人装備も同様です。
独特のパターンを持った迷彩服、統一そしてシステム化された個人携行火器等々は、対峙する相手に恐怖心を与えるには十分でしたね。
しかしアフガン侵攻以降、ソ連軍も低迷。
ソ連崩壊前後は惨憺たる状況でしたね。
ロシア時代になっても、その状況はしばらく続いていました。
そんな状況を見ていた当時のロシア国内軍装品メーカーが、挙って新しい迷彩服を開発しましたよ。
特にその迷彩パターンは、メーカーオリジナルもありましたが、一部は
- 第二次大戦中のドイツ武装親衛隊類似迷彩
- 他国に類似した迷彩
- 旧ソ連軍時代の迷彩
を参考にしたものもありましたね。
まるで強い者(強かった者)を思い出し、それに擬態するように…。
今回のモデルは、3番目の旧ソ連時代の迷彩を採用したユニフォームと専用のアサルトベストになります。
迷彩パターンは、かつてKGBやスペツナズがよく使用していたもので、日本では「インベーダー迷彩」と呼ばれていましたね。
さてさて、それはどんな迷彩ユニフォームなのでしょうか?
今回は、ロシア軍装備マニアのみならず、インパクトのある迷彩服をお探しのあなたと一緒に、確認していきましょう!
2 全体及び細部写真です!
ジャケット
前面
背面
前面裏側
背面裏側
前合わせはボタンのみです。
タグ
内ポケット
ナイロン製でボタンで開閉
ポケット内部はシルバー。
防水のようです。
ポケットの下端には予備のボタンが縫い付けられています。
ポケット下端はフリー。
ヨーロッパ物に多い袖の補強も万全ですね。
エポレット
テーパーなしのクサビ型
階級章用のループが予め通されています。
胸ポケット
マジックテープで開閉
袖
緩やかなテーパー付き。
袖ポケット(大)
マジックテープで開閉
右袖ポケット(細)
マジックテープで開閉。
縦に長く細い独特のポケット。
肘の補強生地
八角形ですね。
よく見ると袖ポケットの下にあります。
袖口はボタンで開閉・調整
マチはありません。
裾はストラップとボタンで調整可能
体の左側のみにあります。
脇の通気孔
メッシュの生地
トラウザーズ
前面
背面
左右非対称のデザインですね。
前面裏側
ポケット内側生地はブラック。
足首付近の生地と紐にも注意。
背面裏側
前合わせはボタンとホックです。
タグ
タグは補修用迷彩生地と一緒に縫い付けられています。
左側面レイアウト
右側面レイアウト
膝ポケット
前面左右にあります。
マジックテープで開閉。
膝の補強生地
下端がマジックテープで開閉し、パットを入れることができます。
ヒップポケット
左側のみです。
マジックテープで開閉
左膝の細長いポケット
2個が接近しています。
ポケット中央にゴム内蔵していますね。
マジックテープで開閉。
右腰にも別の細長いポケットあり。
ナイフまたはバヨネット用でしょうか?
ダットファスナーで開閉。
腰スラッシュポケット
ウエスト左右にはゴムを内蔵。
足首の二重裾
迷彩生地の裾にはゴムを内蔵。
内側裾(ブラック生地)のずり上がりを防ぐ紐でしょうか?
前合わせのホック
ボタンはODの肉厚プラスティック製。
アメリカ軍BDUタイプ。
おまけ
専用タクティカルベスト
前面
左右対称なデザインですね。
背面
前面裏側
内ポケットはありません。
(逆に欲しかったような気もします。😅)
背面裏側
前合わせはジッパーとダットファスナー
前面レイアウト
ライフルのストックホルダー
ウレタン(?)のパット入り。
左右にあります。
胸ポケット小
マジックテープで開閉。
中段のマガジンパウチ
マジックテープとダットファスナーで開閉。
ナイロン製ストラップにプラスティック製のクイックリリースバックル付き。
下段の幅広ポケット
マジックテープで開閉。
側面のパウチ
ダットファスナーで開閉
背面ポケットレイアウト
旧ソ連/ロシア系装備には、背面ポケットが多いですね。
背面中央の大ポケット
ダットファスナーで開閉。
背面左右の中ポケット
ダットファスナーで開閉。
左右のサイズ調整ストラップ
ナイロン製で金属製のバックル付き。
金属製バックルは、アメリカ軍ALICEパック(LC-2)のものに似ていますね。
ジッパー
どこかで見た刻印ですね。
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3 その特徴とは?
迷彩は、ダークイエロー(またはライトイエローグリーン)の生地に、一部をギザギザの輪郭をした雲型を塗りのこすようにオリーブグリーンをプリントしています。
その色調から、派手でメリハリが付いている迷彩ですね。
このギザギザの輪郭から、日本では「インベーダー迷彩」とも言われていますね。
生地は一般的なコットン/ポリエステル混紡のツイルで、軽量かつ丈夫、しかも薄く通気性も十分ですね。
デザインは、ジャケットがエポレット付き、胸ポケット×2、袖ポケット×3の短ジャケットタイプ。
トラウザーズは、腰スラッシュポケット×2、前面膝ポケット×2、右縦長ポケット、左縦長ポケット×2で、膝には保護用パットが入るようになっています。
この構成は、以前分析したロシア陸軍特殊部隊用リザード迷彩ユニフォームと全く同じですね。
全体的な縫製は、ロシア軍者にしては正確かつ丁寧です。
ここは民生品だからでしょうか?
4 製造とサイズのデータです!
製造・契約年度 2000年代
製造場所 ロシア
契約会社 ロシア
製造会社 〃
材 質 コットン
ポリエステル
表記サイズ 50-3
(日本人のL)
各部のサイズ(平置)
ジャケット
着丈 約70cm
肩幅 約49cm
身幅 約60cm
袖丈 約60cm
トラウザーズ
ウエスト 約39cm
着丈 約105cm
股上 約32cm
股下 約77cm
裾幅 約14cm
ベスト
着丈 約57cm
肩幅 約42cm
身幅 約60cm
状 態 デッドストック
官民区分 民生品
入手場所 東京の専門店
入手難易度 3(困難)
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5 まとめ
今回のモデルは、まさに強力だった(…と思われた)旧ソ連時代を彷彿させる迷彩ですね。
何か旧ソ連軍にあやかっている…そんな印象があります。
かつて制服では例がありますが、戦闘服で…というのが珍しいですね。
それはともかくこの独特の迷彩は、やがて夏を迎える日本でも効果があるかもしれませんね。
特に林や深くない森の日向(木漏れ日のあるところ)では迷彩効果を発揮しそうです。
サバイバルゲーム、野鳥観測、狩猟、キャンプに使用してみてはいかがでしょうか?
また、ややビビットな配色から、ファッションで使用するのも有りかもしれません。
コーディネートに自信のあるあなたは、チェレンジしてみましょう。
…と書いておきながら、今回のモデルは既に絶版で、メーカーによる販売は終了しているようです。
そのため入手は困難は困難ですね。
探しているあなたは、やはりオークションを主体に網を張って待ってみましょう。
幸い官給品ではなく、人気も今ひとつなので入手できるチャンスはありそうです。
(ただしベストまでセットになっている製品は少ないですよ。)
私は、存在は不明ですが同じ迷彩生地を用いたブーニーハット、フィールドジャケット、防寒ジャケットを探してみようと思います。
今回は旧ソ連軍の迷彩を採用したロシア陸軍の迷彩ユニフォームを分析しました。
いやー軍装品って、PX品も本当に素晴らしいですね!
それではまた、次回をお楽しみに!
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参考:今回のモデルが迷彩の参考にしたと思われる旧ソ連軍装備に関する記事はこちらです。⬇︎
よく似た迷彩生地を用いたロシア軍の迷彩ユニフォームに関する生地はこちらです。⬇︎
その他のロシア軍装備に関する記事はこちらです。⬇︎
旧ソ連軍装備に関する記事はこちらです。⬇︎
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読んでいただき、ありがとうございました。
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