今回は、1940年代のアメリカ陸軍ウールトラウザーズを分析します。
以前分析した中共モデル品が参考にした官給品ですね。
戦争映画でも多く出演していますよ。
破損箇所の修理がありますが、程度は良好です!
目次
スポンサーリンク
スポンサーリンク
1 アメリカ陸軍ウールトラウザーズ(マスタードパンツ・初期型)とは?
若いあなたはご存知ないかもしれませんが、かつて「コンバット」というアメリカのTV番組が日本で放送されていました。
物語は、第二次大戦のヨーロッパにおけるアメリカ軍歩兵部隊の闘いを描いたものでした。
現在の目で見ると、時代考証的にはとてもおおらかな作品でしたが、多感な(?)ミリタリー少年の心を動かすには十分な内容でしたね。
この番組内で好対照(?)だったのは、ドイツ軍とアメリカ軍の軍服でした。
カチッとした制服で戦闘する敵役ドイツ軍に対し、主人公側のアメリカ軍はとてもラフな格好(…当時はそう見えました。😃)で、一見だらしなく見えたものです。
(当時、この番組を観たミリタリー少年たちが「ドイツ軍派」と「アメリカ軍派」に分かれたのは言うまでもありません。)
でもこれは、「戦闘」に対する考え方の相違だったのですね。
伝統的な格式を重んじたドイツ軍と、格式にこだわらなかったアメリカ軍との違いでした。
この当時のアメリカ軍は、従来の常識にとらわれないとても軽快な、まるで民間衣料品のようなデザインの軍服を着用していました。
特にトラウザーズは材質こそウールでしたが、そのデザインは現代でもサラリーマン御用達のスーツパンツと大きく変わらないものでしたね。
今回のモデルは、そのウールトラウザーズの初期型になります。
独特の色調から「マスタードパンツ」と呼ばれていますね。
さてさて、それはどんなウールトラウザーズなのでしょうか?
今回は、アメリカ軍装備マニアのみならず、寒候期に使用できる個性的なズボンをお探しのあなたと一緒に、確認していきましょう!
2 全体及び細部写真です!
前面
背面
前面裏側
背面裏側
前合わせはボタンのみ。
でも大面積のガスフラップあり。
右(向かって左)上部の小ポケットに注意。
最頂部のボタンはイギリス軍のものに替えられていますね。😅
サイズタグ
ポケット内側の生地は生成りのコットン製
左腰ポケット内側のタグは縫い糸を残して消失😭
右側面レイアウト
腰スラッシュポケットが垂直、ヒップポケットにフラップやボタンがないのが初期型の特徴です。
(右ヒップポケット付近の補修に注意。)
右上部の小ポケット
コイン入れとか、懐中時計入れとかの説あり。
右上部の小ポケット用の生地も同じですね。
腰スラッシュポケット
ヒップポケット
右ヒップポケットの補修は丁寧ですね。
でも、できればトラウザーズの生地と縫い糸のカラーやステッチの方向を合わせて欲しかったような気がします。😅
裾
全体的にゆったりしたデザイン。
表記サイズから考えると、裾上げされていますね。
前合わせのフラップには、専用のボタンがあるはずですが、ありませんでした。
しかも縫い跡も見つからず。🤔
裏側のポケット生地には意味不明の番号や名前が記入されていました。
スポンサーリンク
スポンサーリンク
3 その特徴とは?
ウール生地は、ややブラウンの強いカーキのサージで、保温力に優れています。
このトラウザーズにも数種類のカラーが存在していて、その色調には誤差がありますね。
(今回のモデルは、カーキの強い色調です。)
デザインは、腰スラントポケット×2、ヒップポケット×2、右小ポケットで、シンプルです。
腰スラントポケットが垂直でヒップポケットには左右ともポケットフラップがありませんが、これが初期型の特徴ですね。
(後期型は、スラントポケットに角度がついていて、左ヒップポケットにはポケットフラップがあります。)
この当時の一般的なトラウザーズ同様、やや太めのデザインですが、これは寒候期にインナーを着込むための余裕ですね。
全体的な縫製は、丁寧かつ正確で上質な仕立てです。
今回のモデルには、右腰に破損があって修理されていました。
また実寸と比較すると裾上げもされているようです。
(いずれも時期は不明です。😅)
4 製造とサイズのデータです!
製造・契約年度 1930年代
製造場所 アメリカ
契約会社 アメリカ
製造会社 〃
材 質 ウール
コットン
表記サイズ 31(ウエスト)
31(レングス)
(日本人のL)
各部のサイズ(平置)
着丈 約101cm
ウエスト 約41cm
股上 約31cm
股下 約74cm
裾幅 約24cm
状 態 中古上品
官民区分 官給品
入手場所 東京の専門店
入手難易度 2(やや困難)
スポンサーリンク
【中古】 40s 米軍実物 U.S.ARMY ウール フィールド トラウザー パンツ ミリタリー WW2 ガスフラップ(W38 L31) l7642
スポンサーリンク
5 まとめ
破損箇所の補修と裾上げがありますが、他の状態は良い個体ですね。
プライベートでの普段使いには十分でしょう。
生地はウールですが薄いことから、真冬にインナーなしで着用するには少々問題があります。
逆に春秋には好都合ですね。
大戦中のアメリカ軍リエナクト(コスプレ)は言うに及ばず、寒候期の屋外では重宝されるトラウザーズとも言えます。
また独特のシルエットも相まって、個性的なファッションが追求できそうですよ。
大戦中には多数製造されたことから、中古品なら現在でも大手通販サイトで入手可能なのが嬉しいですね。
(探せばデッドストックやニアミント品も見つかるかも?😃)
また不定期ですが、忠実なモデル品も販売されていますよ。
(実用目的のあなたには、モデル品の購入をお勧めします。😃)
あなたのシチュエーションに合わせて購入してみましょう!
今回は、大戦初期の標準的なアメリカ陸軍ウールトラウザーズを分析しました。
いやー軍装品って、本当に素晴らしいですね!
それではまた、次回をお楽しみに!
スポンサーリンク
スポンサーリンク
参考:他のアメリカ軍ウールトラウザーズに関する生地はこちらです。⬇︎
中共製モデル品に関する記事はこちらです。⬇︎
✳︎ ✳︎ ✳︎
読んでいただき、ありがとうございました。
スポンサーリンク
【中古】 40s 米軍実物 U.S.ARMY ウール フィールド トラウザー パンツ ミリタリー WW2 ガスフラップ(W38 L31) l7642
【中古】 40s 米軍実物 U.S.ARMY ウール オフィサー パンツ ミリタリー m2923
スポンサーリンク