今回は、1940年代のアメリカ軍M44ウールODフィールドジャケットを分析します。
アメリカ軍の有名な将軍がよく着用していたことから、その名前をとって「アイクジャケット」と呼ばれていますね。
でもじつは、アメリカ軍装備体系から逆行する衣類でした!
中古品ですが、時代を考えると程度は極上ですよ!
目次
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1 アメリカ陸軍M44ウールODフィールドジャケット(アイクジャケット・プレーン)とは?
他国に先駆けて、戦闘に特化したいわゆる「戦闘服」を開発し、第二次大戦を戦い抜いたアメリカ軍。
他国が制服をそのまま戦闘服としていた当時としては、画期的な考え方でしたね。
ところが、大戦も終盤に差し掛かった1944年、突如として新しい衣類が開発、支給されました。
それが今回のモデルです。
一説には、イギリス軍の「バトルドレスブラウス」を観て感銘を受けたアメリカ軍のアイゼンハワー将軍が開発を促したのだとか?
(本当なのでしょうか?)
イギリス軍バトルドレスブラウス
…そういえば、彼もよく戦場でこのジャケット(の私物)を着用していましたね。
品名のとおり、元々は野戦戦闘にも使用するジャケットでしたが、実際は殆ど使用されることはなく、後方で制服替わりに使用される場合が多かったようですよ。
さてさて、それはどんなフィールドジャケットなのでしょうか?
今回は、第二次大戦中のアメリカ軍装備マニアのみならず、寒候期に使用できる小粋な短ジャケットをお探しのあなたと一緒に、詳しく観てしていきましょう!
2 全体及び細部写真です!
前面
背面
前面裏側
ほぼ前面にコットンツイル製の薄いライニングがあります。
背面裏側
前合わせは、ボタンと下端のダットファスナーです。
うなじのサイズタグ
内ポケット内にあるタグ
縫い付け方が面白いですね。
襟裏にはオリーブグリーンのコットン製チンストラップあり。
これは襟を立てる時に使用します。
エポレット
テーパー付きのクサビ型
ボタンで開閉
一部は縫い付けられていますね。
胸ポケット
中央にプリーツ付き
ボタンで開閉
右胸ポケットのボタンは購入前から割れていました。😭
ボタンは大戦中〜朝鮮戦争くらいまでの標準タイプ
OD(といいますか、殆どブラウン)のプラスティック製
袖
袖口はボタンで開閉
内ポケット
左右にあります。
内側の生地は、ライニングと同じもの。
ポケット内側にはライニングと生成りの生地が用いられていました。
背中には謎のナンバリングが!
認識番でしょうか?
ウエストのサイズ調整ストラップ
金属製バックル付き
左右にあります。
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3 その特徴とは?
生地はブラウンに近いOD(オリーブドラブ)に染められたウールサージで、イギリス軍バトルドレスブラウスよりも肌触りが良いです。
この当時のマスタードパンツなどと同様の生地ですね。
デザインは、エポレット付き、胸ポケット×2、内ポケット×2で、ウエスト左右にはサイズ調整タブがあります。
着丈がとても短いですね。
またエポレット以外のボタンが全て隠しボタンになっているのも渋いですね。
やはりイギリス軍のバトルドレスブラウスを参考にしたデザインが特徴と言えます。
でも、より使い勝手を向上させていますよ!
全体的な縫製はとても丁寧で、アメリカ軍物とは思えないくらいです。
4 製造とサイズのデータです!
製造・契約年度 1944年
製造場所 アメリカ
契約会社 アメリカ
製造会社 〃
材 質 ウール
コットン
表記サイズ 40S
(日本人のL)
各部のサイズ(平置)
着丈 約58cm
肩幅 約45cm
身幅 約55cm
袖丈 約59cm
状 態 中古極上品
官民区分 官給品
入手場所 愛知の専門店
入手難易度 2(やや困難)
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5 まとめ
短くてスマートなデザインのジャケットですね。
そしてとてもカッコ良いです。
どうやら実用よりも見た目を重視したデザインと言えそうですよ。
なるほど、支給されても戦闘には使用せず、後方での外出などで使用された…というのも頷けますね。
(そう言えばアイゼンハワー将軍も、戦場で着用していましたが、ピストルベルト(弾帯)すら着用していませんでしたね。)
大戦中のアイゼンハワー将軍:官給品ではなくテーラーメイド品を着用
でもせっかく画期的なM38、M41、M43の各フィールドジャケットを開発・支給したのに、イギリス軍の真似をした、いわば「先祖返り的」な今回のモデルを新しく採用した…というのは補給上、運用上問題があったのでは?
(アメリカ軍内にも、制服で戦闘することが正義だと考えていた人が居たのでしょうか?)
もしアイゼンハワーが本当に開発に関わっていたなら…時代錯誤も甚だしいですね。
…それはともかく、この素晴らしいジャケットですが、嬉しいことに現在でも大手通販サイトで入手可能です。
ただし小さいサイズがメインで、平均以上のな日本人男性が着用できるサイズは少ないようです。
ただし大戦物に固執せず、1950年代の製品なら程度が良く、やや大きいサイズも入手可能ですよ。
(コーディネートは上級者向けですが…。)
また、このスマートなデザインに影響されてでしょうか?
戦後フランス、イタリア、オランダ、ブルガリアなどでも良く似たジャケットが製造されています。
こちらは生地やカラー(ついでにデザインも)が今回のモデルと違っていて、人気もアメリカ軍物ほどではありませんので、意外に安く入手できる場合がありますね!
あなたのシチュエーションに合わせて、入手してみてください。
私は、上下デッドストックの、サイズ「40R」を探してみたいと思います。
(いや、もうないでしょう?😭)
今回はアイクジャケットと呼ばれているM44ウールODフィールドジャケットを分析しました。
いやー軍装品って、本当に素晴らしいですね!
それではまた、次回をお楽しみに!
(20240331更新)
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参考:大戦中のアメリカ軍フィールドジャケットに関する記事はこちらです。⬇︎
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読んでいただき、ありがとうございました。
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