今回は、1940年代のアメリカ軍フィールドジャケット(モデル品)を分析します。
1940年代に採用された当時は、それまでの常識を覆す画期的なジャケットでした。
モデル品ですが、とてもよく再現しています。
中古品ですが、程度は良好ですよ!
目次
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1 アメリカ陸軍M41フィールドジャケット(モデル品)とは?
古今東西、世界の軍服を見ていると、面白い事がわかります。
第二次世界大戦くらいまでは、多くの国における戦闘時の服装は「制服」、自衛隊で言う「常装」でした。
(一般的なサラリーマンの服装に例えると、スーツ上下で戦闘していたような感じです。)
昔はこれが常識でした。
しかし、塹壕(ざんごう:戦場に掘られた兵士が行き交う溝)での活動や匍匐(ほふく:敵弾に当たらないよう這いつくばって移動すること)でいつも制服は汚れてしまいます。
(映画1917参照)
そこで発達してきたのが、防水処理されたコットン製のコートでした。
制服の上に着用して、制服の汚れを最小限にしたのですね。
(これが後のトレンチ(塹壕)コートです。今ではファッションアイテムですよね。)
第二次大戦中の主要国も、こんな感じで概ね装備は共通していました。
しかし、アメリカ軍は全く違っていましたね。
大戦前から戦闘に特化した「戦闘服」を開発し、国内でテストしていました。
それが、M38フィールドジャケットです。
しかし、いくつかの問題点があってそれを改良したモデルが、1941年に採用されました。
それが今回のM41フィールドジャケットです。
前作より軽量化を図り、防寒性、量産性を向上させたこのモデルは、次のM43フィールドジャケットが支給された以降も使用された、当時としては傑作ジャケットでした。
さてさて、それはどんなフィールドジャケットなのでしょうか?
今回は、アメリカ軍マニアのみならず、ドラマ「コンバット」ファンのあなたと一緒に、確認していきましょう!
2 全体及び細部写真です!
前面
当時アメリカにあった紳士用の衣類に似ていますね。
背面
前面裏側
ライニング(裏地)はウールフランネルと呼ばれる、薄い毛布のような生地です。
(今回のモデルは、アクリルです。)
脇の下はコットン生地が当てられています。
背面裏側
前合わせはジッパーとボタンです。
タグ
エポレット
テーパー付きのクサビ型です。
腰ポケット
ポケット内の生地は生成りです。
脇の下は、特殊な裁断です。
袖はシンプルな筒で、ストラップとボタンで調整できます。
背中にはアクションプリーツが!
裾左右には、絞りを調整するタブとボタンが。
ボタンの雰囲気はまあまあ。
ジッパーは黒染めされた「IDEAL」です。
襟はチンストラップで立てる事ができます。
ボタンは現在のプラスティック製ですが、当時のボタンに似せてあります。
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3 その特徴とは?
シェルはカーキのコットンでポプリンと呼ばれる、薄い生地です。
(後にカラーは違いますが、ジャングルファーティーグに使用されましたね。)
当時の生地を、とてもよく再現していますよ。
ライニングはウール製で、薄い毛布のような生地でできています。
(ウールフランネルと呼ばれています。)
…ですが、今回のモデルは、モデル品なのでここはアクリル製です。
これは有難いですね。
(クリーニングが楽です。)
デザインは、1940年代にアメリカにあったウインドブレイカーやスイングトップと呼ばれる、軽い上着に似ています。
丈が短くとてもシンプルで、ポケットは左右の腰ポケットのみです。
(内ポケットもありません。)
全体的な縫製は正確ですが、少々強度が足りない気がします。
でも普通に使う分には、無問題のようですよ。
因みに、有名なファッションブランドもこのフィールドジャケットをサンプリングして商品化していますね。
(お高いですが…😎)
4 製造とサイズのデータです!
製造・契約年度 1990年代
製造場所 日本
契約会社 日本
製造会社 〃
材 質 コットン
アクリル
表記サイズ 38
(日本人のL)
各部のサイズ(平置)
着丈 約65cm
肩幅 約47cm
身幅 約56cm
袖丈 約56cm
状 態 中古上品
官民区分 官給品
入手場所 ヤフオク
入手難易度 1(容易)
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SESSLER(セスラ) M-41 FIELD JACKET WW2 フィールドジャケット 【中田商店】 A-1941
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5 まとめ
昔々、アメリカのTV番組で「コンバット」という、第二次大戦中のアメリカ軍兵士のドラマがありました。
その番組で、ビッグ・モロー演じる「サンダース軍曹」他が、このジャケットを着ていました。
(惜しい人を亡くしました。)
近年では、映画「プライベートライアン」でトム・ハンクス演じるミラー大尉他が着ていましたね。
第二次大戦のアメリカ軍を再現する上では、欠かせないジャケットと言えます。
そんな代表的なジャケットでしたが、実戦を経て、いくつか不具合点が発覚します。
それは、
- ライニングがウールであったため、通常の洗濯で縮んだ
- シェルの生地が薄すぎて、すぐに擦り切れたり、破れたりした
- シェルの色調がカーキで目立つ
- ポケット数、容量とも少ない
でした。
しかし、この欠点が後のM43フィールドジャケットの登場を促すことになったのは面白いですね。
でも、結局M43フィールドジャケットの支給が遅れたため、大戦を通じて活躍したジャケットでした。
(一部は朝鮮戦争でも使用されました!)
さて、今回のモデルですが、官給品の欠点であったウールのライニングをアクリルに変更されています。
ここは当時の官給品に忠実ではありませんが、これで家庭の洗濯機でも洗えるようになりましたね。
実用に適したモデルと言えます。
(ただ、シェルのポプリンはそのままなので、擦り切れに弱いのはそのままですね。)
外観も正確なので、ヒストリカルゲームでは普通に使えそうですよ。
モデル品なので、ガンガン着られるのも魅力ですね。
一方、程度の良い当時の官給品は、現在とても高値で取引されています。
数も減ってきていていますが、将来を考えるなら官給品の入手は不可欠ですね。
購入する場合は、モデル品、官給品に限らず、ワンサイズ大きく造られていることに注意してください。
また、アメリカ海軍もよく似たデザインのN-4デッキジャケットを採用していますね。
シェルのカラーがOD(オリーブドラブ)で、左胸に「USN」とステンシル(又はスタンプ?)でプリントされていますので識別は容易ですよ。
たまにM41フィールドジャケットとして販売されていることがあります。
ご注意ください!
今回は、アメリカ軍が第二次大戦とほぼ同時に採用したフィールドジャケットを分析しました。
いやー軍装品って、本当に素晴らしいですね!
それでは、また次回をお楽しみに!
(20240116更新)
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参考:官給品M41フィールドジャケットに関する記事はこちらです。⬇︎
第二次大戦中のアメリカ陸軍装備品に関する記事はこちらです。⬇︎
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読んでいただき、ありがとうございました。
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