こんにちは!
今回は、アメリカ軍の寒候期用トラウザース(ズボン)を分析します。
形式からも判るように、M51シリーズの一端を担う装備ですよ。
ある理由から、今回もデッドストックです!
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目次
- 1 アメリカ陸軍M51フィールドトラウザースとは?
- 2 アメリカ陸軍M51フィールドトラウザースの全体及び細部写真
- 3 アメリカ陸軍M51フィールドトラウザースの特徴とは?
- 4 アメリカ陸軍M51フィールドトラウザース製造とサイズのデータ
- 5 アメリカ陸軍M51フィールドトラウザースまとめ
1 アメリカ陸軍M51フィールドトラウザースとは?
第二次大戦中のアメリカ軍が装備した寒候期用トラウザースは、通称「マスタードパンツ」と呼ばれたウール製のトラウザースでした。
(マスタードとはいうものの、どちらかと言えばブラウン系でしたが。)
やはり第一次大戦から続く、ウール系装備の流れを汲んだものだったのですね。
このウールトラウザースは、暖候期用のコットン製トラウザース(HBTシリーズ等)との併用で、終戦まで使用されました。
(映画「プライベートライアン」では、トム・ハンクス演じるミラー大尉他数名がウールトラウザースを着用していましたね。)
しかし戦後はナイロン繊維の普及に伴い、ウール製のトラウザースにも改良が加えられます。
折しも朝鮮戦争勃発によって開発が加速し、晴れて新型トラウザースが採用されました。
それが今回のモデルになります。
品名に「フィールド」が付いていることからお判りいただけるように、制服(サービスドレス)ではなく、野戦服の範疇に入ります。
さてさて、それはどんなトラウザース(ズボン)なのでしょうか?
今回は、ミリタリーマニアんみならず、ファッションリーダーのあなたと一緒に、確認していきましょう!
2 アメリカ陸軍M51フィールドトラウザースの全体及び細部写真
前面
全体的にゆったりとしたデザインです。
スリムが主流の現代デザインとは一線を画すものですね。
各ポケットの両端には補強のステッチが。
背面
前面裏側
白い生地は、ポケット内側の生地や前合わせの補強生地です。
裾がわざと多く折り返してあるのに注意
背面裏側
前合わせはジッパーとボタンです。
大戦中のモデルは、ボタンでかなり面倒でしたね。
タグはなく、全てスタンプです。
これはサイズスタンプ
まだNSNが存在していない時代の製品ですね。
データスタンプ
契約スタンプ
ウールとナイロンの混紡です。
側面
各ポケットと、ウエスト調整タブ
ベルトループは、通常の細いベルト用です。
臀部のポケットはフラップがあって、フラップ裏面は別の生地です。
ボタンで開閉
大戦中のモデルは、紳士服の用に片側のみフラップが付いていましたが、今回のモデルは左右にあります。
ジッパーは「GRIPPER」のブラスです。
右臀部ポケット内には、カッタータグが残っていました!
小さいボタン
ウエストちょうせいたぶのバックルは金属(銅合金)です。
ウエスト内側には、サスペンダー用のボタンやループが縫い付けられています。
リッチですね。
よく見ると、生成りの生地で、小さなポケットがありました。
ボタンで開閉します。
因みに黒い斑点はカビではなく、漂白していない生成りの証拠です。
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3 アメリカ陸軍M51フィールドトラウザースの特徴とは?
まず生地ですが、大戦中のモデルと同様ウールサージです。
でも、ナイロンとの混紡になっていますね。
色調は、よりグリーンの強いものに変更されています。
デザインは、左右のスラント及び臀部のポケットの合計4ポケットですが、ウエスト内側にも小さなポケットがあります。
ごく一般的なスーツのズボンのようですが、臀部のポケットは、左右ともフラップがありますよ。
全体的に太めのデザインですが、これはパッチ(ズボン下)などを履くための余裕です。
(でも昔のズボンは、太いデザインが多いですよね。)
ウエストには、金属バックルを用いた、サイズの調整タブがあります。
これは、現在のBDUまで踏襲されていますよ。
全体的な縫製は、少々雑ながら強度は十分です。
4 アメリカ陸軍M51フィールドトラウザース製造とサイズのデータ
・製造又は契約年度 1953年
・製造場所 アメリカ
・契約会社 アメリカ
・製造会社 〃
・材質 ウール
ナイロン
・表記サイズ M–S
(日本人のL)
・各部のサイズ(平置)
ウエスト 約46センチ
股上 約33センチ
股下 約69センチ
着丈 約101センチ
裾幅 約25センチ
・状態 デッドストック
・官民区分 官給品
・入手場所 岐阜県の専門店
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5 アメリカ陸軍M51フィールドトラウザースまとめ
実際に着用してみると、違和感を感じるくらい太いシルエットに、最初は困惑します。
でも、履き心地はけっして悪くないですよ。
むしろ、これだけ余裕があるなら、ジャージやフリースを着込めそうです。
また寒候期では、コットンの様に最初の接触が冷たくなくて良いです。
ナイロンが入っていて軽量ですし、ウールも多いので暖かいですよ。
じつは、このモデルには裏話があります。
朝鮮戦争中に採用されて、量産されたM51フィールドトラウザースですが、採用後間もなく軍の方針が変更されました。
それは、ジャケットやトラウザースの素材を、ウール系からコットン系に統一するというものでした。
ウールの洗濯にはドライクリーニングが必要で、前線では必ずしも準備できない場合があったのですね。
(これは第二次大戦中から、ジャケットの洗濯で問題になっていました。)
通常の洗濯機で洗濯し、アメリカの標準的な乾燥機で乾燥させると、大幅に縮んだりしたのがその理由です。
せっかく開発され、支給されたのに勿体無い話ですね。
でも、これがマニアにとって思わぬ福音をもたらせました。
大量に製造され、ストックされていた余剰品は、そのまま民間業者に払い下げらたのです。
日本へは1980年代から入荷していますね。
でもデザイン的に、ミリタリーマニア以外には売れていません。
そのため現在でも探せばデッドストックが入手できますよ。
サイズも各種あって、日本人にもピッタリのサイズもありますね。
マニアは、ファッションやヒストリカルゲームで大戦中のウールトラウザースの代替品としてよく使用しています。
(私も数本入手しています。冬は通勤に使用していますよ。)
ファッションの場合、コーディネートには工夫が必要ですが、個性を出したい方には、特におすすめですよ!
今年は暖冬傾向ですが、一本入手して履いてみませんか?
今回は、朝鮮戦争時代のアメリカ軍のフィールドトラウザースを分析しました。
次回は、アメリカつながりで、アメリカ軍のフライトジャケットを分析します。
お楽しみに!
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参考:朝鮮戦争時代のアメリカ軍被服はこちらです。⬇︎
✳︎ ✳︎ ✳︎
読んでいただき、ありがとうございました。
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