今回は、1960年代のイタリア軍迷彩ユニフォームを分析します。
第二次大戦前に採用された、伝統ある迷彩ですよ!
でも見慣れない方には、少々違和感があるかもしれませんね。
今回のセットはデッドストックですよ!
目次
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1 イタリア海軍サン・マルコ海兵団迷彩ユニフォーム(初期型・1960年代)とは?
今から15年くらい前だったでしょうか?
出張で東京へ行って、山手線外回りに乗っていた時、車内に貼ってあったポスターに目が釘付けになりました。
何処かのデパートで開催予定のイタリア芸術展のポスターでした。
そのポスターの中心に見慣れたものの写真がありましたね。
そうです!
イタリア軍が1929年に開発した迷彩生地(それも結構長い)の写真でした。
ポスター製作者(会社)は、それがイタリア軍のテントに使用された迷彩生地だと知っていたのでしょうか?
それとも、イタリアを代表するデザインだったのでしょうか?
とにかく、主役の様に映っていましたよ。
じつはその迷彩生地に関する記事は、以前もこのブログで取り上げました。
第二次大戦中のイタリア陸軍空挺スモックの記事はこちらです。⬇︎
今回は、同じ迷彩生地を用いて製造された有名なサン・マルコ海兵団迷彩ユニフォームの初期型になります。
概ね1960年代から1980年代まで使用されましたよ。
さてさて、それはどんな迷彩服なのでしょうか?
今回は迷彩服コレクション初心者のあなたと一緒に、確認していきましょう!
2 全体及び細部写真です!
ジャケット
前面
鮮やかな迷彩です。
背面
前面裏側
ブラウンは、裏側まで透けていますね。
背面裏側
前合わせはダットファスナーです。
エポレットは、ややテーパー付きのクサビ型です。
胸ポケット
2個の ダットファスナーで開閉
ポケット口の力の掛かるところは、小さいリベットが打たれています。
肘はゴムのパットが内蔵されています。
袖口は、約1/4周にゴムが内蔵されています。
うなじのループ
ウエストのドローコード
袖口
表側が裏側へ回り込んでいます。
裾もゴムを内蔵して、表側が裏側へ回り込んでいます。
裏側にはスタンプが。
こちらはサイズのスタンプです。
ダットファスナー裏側
リベットのアップ
ダットファスナー表側
防反射処理がなされています。模様はなんとなくランダムで、いかにもお国らしいですね。
トラウザーズ
前面
サスペンダーは後部が縫い付けられています。
ジャケットと少し色調が違いますね。
(イタリアスタンダードです。)
背面
前面裏側
やはり迷彩の透け方がジャケットと違いますね。
背面裏側
前合わせはボタンとダットファスナーです。
サイドにはリベットで補強されたスリットがあります。
下に着用した戦闘ズボンのポケットを使用するためのものですね。
オーバーパンツの証です。
でも、腰には ダットファスナーで開閉するポケットがあります。
膝にはジャケットと同じ様なパットが準備されています。
裾はダットファスナーで一部が開放できます。
またボタンとボタンホールがあって、裾幅を絞ることができます。
サスペンダーは三段階に調整できます。
ウエストは、2個のボタンで絞りを調整できます。
サスペンダーの縫い付けは、やや心許ないですね。
裏側にはスタンプが。
材質と形式、それにサイズのようです。
よく見ると2種類のスタンプが押されています。
裏地には、リベットやダットファスナーの部分にちゃんと力布が準備されていますよ。
付属品
付属していた意味不明の布
最初フードかと思っていましたが、違うようです。
何なのでしょう?
襟裏のボタンで装着します。
追記(20210305)
専用のフードが見つかりました。
左側面
右側面
フード前縁にはドローコードを内蔵。
右側面裏側
左側面裏側
フード裾には5個のボタンホールあり。
フード前縁頂部にもボタンホールか!
フード前合わせのボタンホール
同じく前合わせのボタン
裏側には謎のナンバリングが。
生地の番号でしょうか?
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3 その特徴とは?
迷彩は、白いコットン生地に、グリーンとレッドブラウンで雲型を描き、所々ライトグリーンの斑点を打ってあります。
鮮やか…というか少々「ビビット」な迷彩ですね。
1929年テントに採用された当時、イタリア軍の将軍達から笑われたそうです。
(気持ちはわかるような気がしますね。)
世界的にもあまり評価されていないようですが、第二次大戦中に迷彩生地の不足したドイツ軍武装親衛隊には重宝されたようですよ。
生地は薄いコットン平織で、肌触りは良好です。
デザインは、ジャケットが2ポケットで裾、袖にゴム内蔵のシンプルなデザイン。
トラウザースは、2ポケットでサスペンダー付きです。
オーバーパンツなのか、左右にスリットがあって、下のズボンのポケットを使用できます。
そういえば、ジャケットもサイズが大きいですね。
スモックのような使い方をするのかもしれませんね。
全体的な縫製は、「これ本当にイタリア製?」と思うくらい丁寧かつ正確です。
やればできるんですね。
(そもそもファッションものでは高品質で有名なのに、軍装品の仕立てが悪いのは何故でしょう?)
4 製造とサイズのデータです!
製造・契約年度 1960年代
製造場所 イタリア
契約会社 イタリア
製造会社 〃
材 質 コットン
ナイロン
表記サイズ 2(90)
(日本人のXL)
各部のサイズ(平置)
ジャケット
着丈 約80cm
肩幅 約52cm
身幅 約67cm
袖丈 約63cm
トラウザース
ウエスト 約45cm
着丈 約98cm
股上 約36cm
股下 約68cm
裾幅 約26cm
状 態 デッドストック
官民区分 官給品
入手場所 ヤフオク
入手難易度 2(やや困難)
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5 まとめ
日本では「サン・マルコ海兵団(何処かのカフェみたいですね。)」の空挺用という説もありますね。
同じ迷彩生地を用いた後期型は、デザインが大幅に変更されていました。
(もっとカッコ良かったりしますよ。)
日本のフィールドでは、秋限定のような迷彩ですが、意外にもサバイバルゲームで普通に着用している方が居ますね。
(ベレッタのBM50とかAR70があれば、より再現度が高まるのですが…。😅)
ヒストリカルゲームでは、この迷彩服を改造して、第二次大戦のドイツ軍装備にする方もいらっしゃるようですよ。
人間の目には、違和感だらけの迷彩ですが、野生動物にはどう見えるのでしょうね?
上手く利用すれば、野鳥観察に使えるかもしれません。
日本では人気が無い(?)この迷彩服は、一時期デッドストックが入手可能でしたが、昨今は流石に中古品も少なくなってきました。
またサイズが大きいものが主体…というのも難点ですね。
大きさを利用して、スモック風に着用するのが良いかもしれませんね。
今回は、伝統的な迷彩生地のイタリア海軍サン・マルコ海兵団の迷彩ユニフォーム初期型を分析しました。
いやー軍装品って、本当に素晴らしいですね!
それでは、また次回をお楽しみに!
(20240219更新)
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参考:その他のイタリア軍迷彩装備に関する記事はこちらです。⬇︎
その他のイタリア軍装備に関する記事はこちらです。⬇︎
各国軍の迷彩服に関する記事はこちらです。⬇︎
✳︎ ✳︎ ✳︎
読んでいただき、ありがとうございました。
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