今回は、1940年代のイタリア陸軍空挺迷彩スモックを分析します。
今まで、プラモデルの箱絵(?)でしか見たことがありませんでしたが、今回偶然入手できました。
残念ながらモデル品ですが、とてもよくできています。
保管上のシワはありますが、ほとんど使用感のない極上品ですよ!
目次
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1 イタリア陸軍空挺迷彩スモック(大戦型・モデル品)とは?
イタリアというと、第二次大戦の一件で裏切り者のイメージがあります。
同盟を結んでいたドイツを裏切り、連合軍へ寝返った挙句、ドイツに宣戦布告したのですから当然ですよね。
(その報復で宣戦布告後すぐに、ドイツの誘導爆弾によってイタリア海軍の戦艦を沈められたのは有名な話ですよね。)
戦争においても「ノリと勢い」で最初は凄いですが、旗色が悪くなると武器をほっぽり出してすぐ降伏したりしましたね。
決定的なのは、イタリアが連合軍に降伏した時です。
驚くことに兵士たちは、勝手に自分の故郷へ帰ってしまったそうですよ。
あり得ないですよね。
(あり得ない…なんてあり得ない?)
そんな「ヘタリア」ですが、唯一と言って良いほど、精強かつ勇猛な部隊がありました。
それがフォルゴーレと呼ばれる空挺部隊です。
(映画「紅の豚」では、同名の架空エンジンが良い仕事をしていましたね。宮崎さんは、フォルゴーレ空挺部隊を知っていたのでしょうか?)
今回のモデルは、そのフォルゴーレを含む空挺部隊専用に開発・支給された迷彩スモックのモデル品になります。
さてさて、それはどんな迷彩スモックなのでしょうか?
今回は、ヘタリア…いえいえ、イタリア軍装備マニアのみならず、世界の空挺装備コレクターのあなたと一緒に、確認していきましょう!
2 全体及び細部写真です!
前面
全体的なデザインは、ドイツ空軍空挺部隊が支給した1型空挺スモックに似ていますね。
背面
独特の迷彩が目を惹きますね。
前面裏側
背面裏側
迷彩は裏側にかなり透けています。
前合わせはボタンで、大きく開放できますが、完全開放ではありません。
脚の短いカバーオールとも言えます。
襟はホックで詰めることができます。
脇には通気孔があるのに、がっぽり開いています。
袖口はダットファスナーで開閉 鉄製の銀メッキです。
裾のポケット 大容量です。
ポケットは、ダットファスナー3個で開閉します。
裾はズボンタイプで、脚を一本ずつ通します。
ホックはワイヤー製で、白い糸で別に縫い付けられています。
ポケットのダットファスナー裏側
股の複雑な裁断
脇の通気孔には、ハトメが。
鉄製で錆びていますね。
ダットファスナーの刻印
着用例
(当時の官給品)
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3 その特徴とは?
迷彩は、レッドブラウンの生地に、ダークグリーンとダークイエロー(ダークイエローグリーン?)で雲形や大きな斑点を描いています。
ダークイエローの面積が少ないですね。
このパターンは、1929年にイタリア陸軍が世界に先駆けて採用した有名な迷彩パターンでしたね。
テント用の迷彩でしたが、量産された迷彩生地を用いた世界初のアイテムになります。
(迷彩大国ドイツよりも僅かに早かったのですね。)
ただし官給品の迷彩スモックは、大幅に色調が違っているとの情報もあります。
生地は薄いコットンの平織で、ドイツ武装親衛隊のスモックに用いられている生地に似ています。
(ただしイタリア軍の迷彩生地は、リバーシブルではありません。)
デザインは、これも当時のドイツ空軍空挺部隊が採用していた初期の空挺スモック1型(単色、ズボン型)に似ています。
大戦中のドイツ空軍空挺スモック(2型)に関する記事はこちらです。⬇︎
イタリアの空挺部隊創設は1941年なので、当時の同胞ドイツ軍を参考にしたのかもしれませんね。
しかし、各部の省略、左右の容量の大きいポケット、ホックで留めることのできる襟など、イタリア独特のデザインもありますよ。
全体的な縫製は、やや雑で不正確です。
ある意味、イタリア軍スタンダードな仕立てですね。
(モデル品もそうなのか!)
4 製造とサイズのデータです!
製造・契約年度 不明
製造場所 イタリア
契約会社 イタリア
製造会社 〃
材 質 コットン
表記サイズ 不明
(日本人のXXL)
各部のサイズ(平置)
着丈 約88cm
肩幅 約60cm
身幅 約76cm
袖丈 約64cm
状 態 中古極上品
官民区分 民生品
入手場所 ヤフオク
入手難易度 5(まず無理)
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5 まとめ
やはりスモックだけあって、かなりサイズが大きいですね。
戦闘服(場合によっては装備も装着して)の上に着用するので、どうしても大きくなりますね。
この迷彩は、採用当時イタリアで酷評されました。
(しかも高級軍人からです!)
全体的に赤みの強い迷彩ですし、パターンも大雑把なので、わかる気もしますね。
(そもそもコソコソ隠れようとすることなことは、イタリア軍に相応しくない…なんて考えていたのかも。)
でもドイツ軍はイタリア降伏後、この迷彩生地を多量に接収して、各種迷彩服を製造・支給していましたね。
大雑把な迷彩も、衣類に加工すると複雑になって迷彩効果があったのかもしれませんね。
それが証拠に、イタリア軍は戦争終了後も1980年代までこの迷彩生地を使用した迷彩服を製造していました。
(50年以上も使っていたことになります!)
ところで今回のスモック(官給品は言うに及ばずモデル品すら)は、海外のオークションでも見たことがありません。
数がとても少ないようです。
また、このスモックの存在を知っている方も少ないでしょう。
(フォルゴーレの活躍を考えると、日本でももっと人気が出ても良い気がしますが…。)
日本では、海外に比べてさらに目にする機会がないようです。
でも、もし見つけたら…必ず保護してあげましょう。
(モデル品とはいえ絶滅危惧種ですよ!)
今回は、大戦中のイタリア陸軍空挺迷彩スモックのモデル品を分析しました。
いやー、軍装品って本当に素晴らしいですね!
それでは、また次回をお楽しみに!
(20240222更新)
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参考:大戦中の各国空挺装備に関する記事はこちらです。⬇︎
✳︎ ✳︎ ✳︎
読んでいただき、ありがとうございました。
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