今回は、イタリア軍の迷彩カバーオールを分析します。
イタリア軍サン・マルコ海兵団のみで使用されている装備品です。
これまでに分析した古いイタリア軍迷彩に似ていますが、僅かに違っていますね。
残念ポイントがありますが、今回もデッドストックですよ!
目次
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1 イタリア海軍サン・マルコ海兵団用迷彩カバーオールとは?
サン・マルコ海兵団の迷彩服については、以前にも分析しました。⬇︎
今回は、この一つ前の迷彩生地を用いたモデルになります。
イタリア軍といえば、1929年に開発した迷彩を、つい最近まで使用していたことでも有名ですよね。
その後、配色やパターンを変えた迷彩生地を開発し、戦闘服上下やフィールドジャケット、そして今回のモデルのようなカバーオールを製造していますよ。
場合によっては、同じ部隊内でも新旧迷彩が同時に運用されていて、奇異に感じたこともありますね。
何故、新しいパターンを採用したのかは不明です。
旧来の迷彩生地の不足による代替とか、厚みのある生地のみこの迷彩を採用した等々、諸説入り乱れています。
今回のモデルは、もちろん戦闘用ですが、艦艇の乗組員がよく着用しているようですよ。
さてさて、それはどんな迷彩カバーオールなのでしょうか?
今回も、迷彩服コレクション初心者のあなたと一緒に、確認していきましょう!
2 全体及び細部写真です!
全体前面
前面上半身
前面下半身
全体背面
迷彩パターンは戦後パターンです。
背面上半身
背面下半身
前面裏側
背面裏側
前合わせはボタンのみ
襟周り
うなじタグ(上)と背面ウエストタグ(下)
全く同じシールタイプですが、うなじタグは下部が縫い付けられていますね。
エポレット
テーパーなしのクサビ型です。
右胸ポケット
オープンタイプですが、ボタンが欠損してます。😞
左胸ポケット
本来は、こんな感じです。
左右にある腰ポケット
こちらはポケットフラップ付きです。
ボタンで開閉
裾にはゴムを内蔵
袖はボタンとタブで絞れます。
方法は下記に。
ウエストのドローテープ
ペラペラのナイロン製
おまけ
konのミリタリー講座
今回のようなモデルの袖の絞り方
通常、袖を絞る場合、タブと複数のボタンがあって、ボタンを留め替えることで袖口が絞れます。
しかし今回のモデルや、航空自衛隊の雨衣などには、タブはありますがボタンが1個しかない場合があります。
こんなボタン1個では絞れない(調整できない)よ…と思ったあなた!
実は方法があります。
①まず、タブを裏返してループを作ります。
②タブのループに、袖口を通します。
③そして通した袖口を伸ばすと…、あら不思議!
なんということでしょう!
ちゃんと袖が絞れています!
これで寒い日も安心?
(タブのカラーが①と変わっている(裏側になっている)のがお分かりいただけますか?)
各コートなどにも応用できますので、ぜひやってみてください。
ただし、絞った時に手首を強く圧迫したり、手が通せない場合は無理せずに。
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3 その特徴とは?
迷彩は、ライトレッドブラウンの生地に、グリーングレイ、ライトカーキ、レッドブラウンで、雲型や斑点を描いています。
(この迷彩とは別に、ライトカーキが省略されたモデルもありますよ!バイエーションでしょうか?)
生地は厚いコットンのツイルで、新しいためかゴワゴワです。
通気性もあまりなさそうですが、かなり丈夫そうです。
デザインは、前見頃が全てボタンで開閉、胸ポケット×2、腰ポケット×2、袖にはタブ、裾にはゴムが内蔵されています。
とてもシンプルなカバーオールですね。
今回のモデルは、右胸ポケットのボタンが最初から紛失していました。
(同じボタンを見つけるのは、至難ですね。)
全体的な縫製は、やや雑で甘いところがあるため、長く使用する場合は補強したほうがよいようです。
4 製造とサイズのデータです!
製造・契約年度 1970年代
製造場所 イタリア
契約会社 イタリア
製造会社 〃
材 質 コットン
表記サイズ 2
(日本人のL〜XL)
各部のサイズ(平置)
着丈 約154cm
肩幅 約55cm
身幅 約61cm
袖丈 約63cm
ウエスト 約62cm
股下 約73cm
裾幅 約13cm
状 態 デッドストック
官民区分 官給品
入手場所 東京の専門店
入手難易度 3(困難)
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5 まとめ
昨今の細かい斑点やダットを用いた迷彩から見ると、少々時代遅れのような印象のある迷彩ですね。
でも撮影していると、これはこれなりに魅力的に見えてきました。
大まかな迷彩ですが、ライトカーキの配置でやや分裂効果があるようです。
日本のフィールドでも効果を確認したいですね。
用途としては、少々生地があるいですが、サバイバルゲーム、野鳥観測、狩猟などには使えそうです。
生地が丈夫なので、藪の中でも安心です。
無雪期の冬山でも、下に着込めば使用できますね。
(同じ迷彩のフィールドジャケットとのコーディネートもあり。)
ファッションでは、上半身を脱して原色かブラックのTシャツと合わせてみるのはいかがでしょうか?
今回のアイテムは、既に官給品から外れていて、民間業者への払い下げが進んでいるようです。
しかし一昔前ではデッドストックも入手可能でしたが、現在は中古品でも見かけなくなりましたね。
探しているあなたは、ヨーロッパ物に強いSHOPを当たるか、ネットオークションをチェックしてみましょう。
今回は、イタリア海軍サン・マルコ海兵団のカバーオールを分析しました。
いやー軍装品って、本当に素晴らしいですね!
それでは、また次回をお楽しみに!
(20231121更新)
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参考:1929年採用の迷彩生地で製造された、大戦中のイタリア軍迷彩服に関する記事はこちらです。⬇︎
今回のモデルと同時期のイタリア軍装備はこちらです。⬇︎
その他のイタリア軍装備に関する記事はこちらです。⬇︎
* * *
読んでいただき、ありがとうございました。
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