今回は、1960〜1980年代の旧西ドイツ軍雪上迷彩服を分析します。
何故かフード、スモック、オーバーパンツで製造された時期が違っていました。
余った装備を組み合わせたのでしょうか?
中古品ですが程度は良好ですよ!
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目次
1 旧西ドイツ陸軍山岳兵用雪上リバーシブル迷彩ユニフォームとは?
北海道と緯度が同じくらいにあるドイツ。
冬…特に山岳地の冬は厳しいようですね。
そんなドイツの山岳地での作戦用に、ドイツは第二次大戦中から山岳兵という特殊な兵科を運用していました。
記章は「エーデルワイス」。
なかなか渋いですね。
山岳兵というだけあって、装備はさぞかし特殊な物を採用しているのかと思いきや、ロッククライミングやスキーなどの山装備以外は、おおむね通常兵科と変わりませんでしたね。
(西ドイツの時代です。現在はどうでしょうか?)
でも、冬季雪上で使用する迷彩スモックは独特でした。
今回のモデルは、その山岳併用の雪上迷彩リバーシブルユニフォームになります。
さてさて、どんな迷彩ユニフォームなのでしょうか?
今回は、旧西ドイツ軍装備マニアのみならず、冬の積雪地で高価的な迷彩服をお探しのあなたと一緒に、確認していきましょう!
2 全体及び細部写真です!
スモック
前面
表面はホワイトですが、わずかに裏面の迷彩が透けていますね。
でも、これも狙った効果なのかもしれません。
左右の細長いストラップは、結んでウエストを調整するためのもの。
前合わせはボタンのみです。
背面
襟はクルーネックです。
襟周辺のボタンは、フード取り付け用です。
胸前面のポケットが珍しいですね。
タグ
ポケットフラップの裏側にあります。
1962年度製造です。
胸のスリット
腰のスリット
ポケットではありません。
袖口にはゴムを内蔵
背中にもスリットが。
表面の補修跡
丁寧な補修です。
ウエスト調整ストラップはこんなふうに使います。
付け根には穴が開いていて、裏側にも移動させることができます。
前面裏側
迷彩が秀逸です。
雪原ではホワイト面を、木々のある山岳地では迷彩面を表側にします。
効果的な迷彩ですね。
背面裏側
脇には通気孔が。
腰のスリットは、中に着ている戦闘服のポケットを使用するため。
ボタンは、やや半透明の白いプラスティック製
裏側にすると、襟のボタンは内側に。
オーバーパンツ
前面
オーバーパンツは、後期型で迷彩面が表側になります。
背面
迷彩の色調が変更されています。濃いブラックグリーンです。
前面裏側
背面裏側
腰のスリット
ジッパーで開閉
各部の処理をみると、こちら側が裏側とわかりますね。
裾のジッパー
ジッパーは「OPTI」でスライダーが表裏に移動するタイプです。
タグ
股間のスリット部にあります。
1986年度製造です。
股間のスリット
迷彩の比較
上:後期型
下:初期型
左:後期型 右初期型
フード
左側面表側
色調から中期型のようです。
このフードも細部を見ると、迷彩面が表側でした。
右側面表側
右側面裏側
左側面裏側
前面のドローコード
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3 その特徴とは?
生地は良質のコットンツイルで、薄いですがしっかりしていますね。
迷彩は、グリーンを刷毛で放射状にかすらせたようなパターンを、所々に描いています。
(まるで針葉樹の葉のようです。)
面白いのは、年代が新しくなるに連れて、グリーンの色調が暗くなってくるところですね。
今回のモデルでは、スモックが初期型、フードが中期型、オーバーパンツが後期型になっています。
おそらく、バラバラに放出されたものを、輸出業者が適当に組み合わせて出荷したのでしょう。
(店員さんは製造誤差みたいな話をしていましたが、製造年度が全く違います。いい加減な説明は素人さんに変な知識を与えるので、真摯に対応してもらいたいですね。)
デザインは、スモックは初期型の特徴であるジッパーを一切使用しないタイプで、胸元中央に一個のポケット、肩、背中、腰の左右にスリットがあり、前合わせはボタンです。
また、ホワイト側が表になります。
(因みに後期型の前合わせはフルジッパーで、左胸に一個のポケットのみですね。)
ウエストのドローコードはありませんが、長いストラップを縛って調整します。
(なんか日本的ですね。)
オーバーパンツは、腰と裾のスリットにジッパーが使用されていて、迷彩側が表になります。
スモックやオーバーパンツに、防寒性能はありません。
あくまで雪上迷彩のみに特化した、簡易衣料品と言えます。
でも全体的な縫製は、とても正確かつ丁寧で、高い技術で仕立てられていますよ!
4 製造とサイズのデータです!
製造・契約年度 1962年
(オーバーパンツは1989年)
製造場所 ドイツ
契約会社 ドイツ
製造会社 〃
材 質 コットン
表記サイズ M–R
(日本人のL)
各部のサイズ(平置)
スモック
着丈 約75cm
肩幅 約53cm
身幅 約64cm
袖丈 約62cm
オーバーパンツ
ウエスト 約57cm
股上 約31cm
股下 約71cm
着丈 約101cm
裾幅 約20cm
状 態 中古上品
官民区分 官給品
入手場所 兵庫県の専門店
入手難易度 3(困難)
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5 まとめ
私が初めてこの迷彩服を確認したのは、現在も発刊されている「G」誌の記事でした。
(1970年代の事です。)
それまで、雪上迷彩といえばホワイト一色のイメージしかなかったので、針葉樹パターンは衝撃的でしたね。
山岳兵の訓練風景を取材した記事でしたが、見事な迷彩に「さすがドイツ軍!」と感心しました。
ところで今回のモデルは、現在でもレプリカも発売されていますね。
でも迷彩の調子が全く違います。
購入する場合は、タグをよく確認しましょう。
(店員さんはこの事実も知らなかったです。モデル品製造の必要性が無い…なんて言ってました。勉強しない店員は素人さんより始末が悪いですね。)
さて、実際に着用してみると、スモックなのでゆったりしています。
普段の防寒着の上に着用できそうですね。
雪上サバイバルゲーム(…があるのかどうか不明ですが)や積雪地の野鳥観測には問題無く使用できそうです。
知りたいのは狩猟時、野生動物にどう見えるかですね。
シカさんやイノシシさんにも効果があると良いのですが…。
今回のスモックの上にオレンジ色のベスト… で風下での待ち伏せなら、最強でしょうか?
おそらく今回のモデルは、人間の目には効果的な迷彩でしょう。
それ故にスキー場での使用には問題があります。
人命に関わってくるので、ヒストリカルゲームといえどスキー場での使用は、控えた方が良さそうですね。
今回は、旧西ドイツ陸軍山岳兵の雪上迷彩ユニフォームを分析しました。
いやー軍装品って、本当に素晴らしいですね!
それでは、また次回をお楽しみに!
(20241102更新)
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参考:他国の雪上迷彩に関する記事はこちらです。⬇︎
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読んでいただき、ありがとうございました。
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