今回は、1940年代のドイツ国防軍防寒リバーシブル迷彩パーカーを分析します。
大戦前のドイツで、初めて採用された迷彩生地で製造された防寒着ですね。
このパーカー(パルカまたはアノラック)を観て、「東部戦線」とか「T–34」という言葉を連想したあなたは、生粋のマニアです!
誠に残念ながら、今回もモデル品です。
でもよく出来ていますよ!
目次
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1 ドイツ陸軍防寒リバーシブル迷彩パーカー(スプリンターパターン)とは?
1939年に当時のドイツとソ連との間で締結された「独ソ不可侵条約」でしたが、1941年6月にドイツ軍はソ連への侵攻を始めました。
世に言う「バルバロッサ(赤ひげ)作戦」の開始です。
当初、ソ連軍を舐め切っていたドイツ軍は、冬までにモスクワを占領できると考えていました。
ところがいざ戦ってみると、当時の全ドイツ戦車を凌駕するT–34戦車、低空ではドイツ戦闘機よりも運動性の良いYak戦闘機など、当時のドイツ軍と同等以上の兵器と頑強な兵士の抵抗に、思わぬ苦戦を強いられます。
そうこうしているうちに冬将軍が到来、貧弱な防寒装備だったドイツ軍は、各所で敗退を余儀なくされました。
戦争って、相手を舐めたり、油断した方が負けるんですね。
そんなバルバロッサ作戦の教訓に関しては他に譲るとして、以降ドイツ軍は本格的な野戦用防寒装備の開発を進めます。
そうして開発されたのが、今回のモデルです。
無雪期から積雪期までの広い季節に使用できると言う贅沢な迷彩パーカーでしたが、何かと欠点の多いことでも有名でした。
今回のモデルは、そんな欠点もしっかり再現している力作です。
さてさて、それはどんな迷彩パーカーなのでしょうか?
今回は、ドイツ軍マニアのみならず、迷彩服コレクター初心者のあなたと一緒に、確認していきましょう!
2 全体及び細部写真です!
通常迷彩面
前面
通常迷彩面
背面
雪上迷彩面
前面
雪上迷彩面
背面
前合わせはボタンのみですが、三重になっています。
しかも一番外側の裏面は、なんとホワイトです。
よくみると三枚の重ね合わせがありますね。
ウエストのドローテープまで、裏面がホワイトです。
フード側面
腰ポケット
ボタンで開閉
袖口
こちらもボタンとストラップで開閉
雪上迷彩面も、一枚裏側は通常迷彩です。
これ、意外と目立ちますよね。
雪上迷彩面ポケット
こちらもボタンで開閉
このポケットがダミーのモデルもありますね。
雪上目迷彩面袖
袖口のストラップもリバーシブル
ウエストのドローテープ付け根にはスリットがあって、一本のテープを両面で使用できるようになっていますね。
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3 その特徴とは?
迷彩は、一般迷彩面がカーキーグレイをベースに、ブラウンとグリーンでスプリンター(破片)模様を描き、ほとんどの部分にブラックグリーンで長い破線を加えています。
パターン自体は、ドイツ国防軍が1931年に採用したツェルトバーン(テント、天幕)と同じです。
でも、今回のモデルは、ブラウンの赤味が強い色調です。
(当時の官給品にも、同じようなパターンがありましたよ。)
裏面は白色で、雪上迷彩になっていますよ。
生地は、おそらく前出の津ツェルトバーンと同じではなく、より薄い別生地のようです。
今回のモデルには、当時の官給品同様コットンの中綿が入っていますよ。
(量はやや少ないようですが…。)
そのため、やや重く当時の欠点であった水を吸った時に重くなったり、乾きにくかったりと言う欠点も見事に再現しています。
(ここはポリエステルでよかったような気もしますが…😓)
デザインは、前作グレイ単色の防寒リバーシブルパーカーを原型としています。
フード付き、左右の腰ポケットで、着丈が短いです。
これは、通常ペアで使用するオーバーオールがあるからなんですね。
そうそう、完全リバーシブルです。
特筆するべきはその前合わせで、なんと三重になっていますよ!
(万全というか、やりすぎでは?←素人判断!)
私が観た当時の官給品は、実際に戦闘で使用されたものだったので、めちゃくちゃ汚れていて各部も擦り切れていました。
でも、今回のモデルはそれを思い出させるくらいよく出来ていますよ。
4 製造とサイズのデータです!
製造・契約年度 1980年代
製造場所 不明
契約会社 不明
製造会社 〃
材 質 コットン
表記サイズ 表記なし
(日本人のL)
各部のサイズ(平置)
着丈 約69cm
肩幅 約54cm
身幅 約67cm
袖丈 約63cm
状 態 中古上品
官民区分 民生品
入手場所 ヤフオク
入手難易度 3(困難)
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5 まとめ
実際に着用してみると、まず重いです。
また、着膨れしている感じがしますね。
イメージ的には、現代の防寒着のように軽い素材を重ね着するのではなく、「冷気はこの1着で止める!」という考えのもとに設計された印象ですね。
でも、けっして不快ではないですよ。
ただ、ウエストのドローテープ、前見頃の重ね、そしてフードの裏側がすぐに迷彩だったりホワイトだったりというのは、リバースブルでの迷彩効果を半減させているような気がしますね。
というのも、狙撃兵が使用する照準眼鏡(スコープ)では、森林の中で白いものはとても目立って、良い標的になるからです。
ましてや暗視装置の発達した現代では、夜に白いものは輝いて見えるので致命的ですね。
(かつて自衛隊の「曹」と呼ばれる階級の階級章は、白地でした。夜間、暗視装置みると、頭の位置がすぐわかりましたね。カモでした。)
それはともかく、迷彩服としては、これも効果的な迷彩ですね。
日本のフィールドでも十分に使えそうです。
冬季のサバイバルゲーム、狩猟、野鳥観測、そして勿論ヒストリカルゲームにも使えるでしょう。
今回のモデルは、おそらく海外製です。
現在でも、不定期にかつ継続的に生産されているので、入手は可能のようです。
でも、軽量で優秀な防寒装備がある現在では、やはりヒストリカルゲーム主体で使用するのが良いのかもしれませんね。
今回は、ドイツ国防軍(陸軍)の防寒パーカーを分析しました。
いやー軍装品って、本当に素晴らしいですね!
それでは、また次回をお楽しみに!
(20221204更新)
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参考:他の第二次大戦中ドイツ軍迷彩装備に関する記事はこちらです。⬇︎
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読んでいただき、ありがとうございました。
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