今回は、1980年代と思われるフランス軍フライトジャケットのモデル品を分析します。
コットン製でカラーから陸軍モデルを再現しているようですね。
でも疑問点もありました。
少々傷んでいますが、外観の程度は良好ですよ!
目次
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1 フランス陸軍コットンフライトジャケット(OG・モデル品?)とは?
フランス空軍は、パイロット装備について独特の考えを持っていますね。
例えばフライトジャケット。
官給品のレザー(皮革)製のジャケットは、官給品のみならず、いわゆるPX品(基地内売店などで販売されている私物品)も使用されていますね。
(PX品使用が認められているようです。)
勿論、ジャケット自体は官給品の規格に沿って製造されているので、一般的な使用にはなんら問題はありません。
(モデルによっては、官給品を適度に省略したものもあって、むしろ使いやすかったりします。)
ある程度の価格はするものの、私費を投じてもより良いものを使用したい…と考えるのは、洋の東西を問わず、軍隊におけるパイロットやその他の兵士に共通の考えですね。
(イギリス軍もその辺りは大らかですよね。自衛隊にもPX品があります。)
今回のモデルは、そんな官給品以外のフライトジャケットを欲しがる陸軍パイロットのために製造された、官給品に類似したモデルになります。
製造国は英語圏らしいのですが、正確な製造場所はどうもよく分かりません。
それでも、きっちりフランス軍のフライトジャケットを踏襲したデザインになっていますよ。
さてさて、それはどんなフライトジャケットなのでしょうか?
今回は、フランス軍装備マニアのみならず、フライトジャケットコレクターのあなたと一緒に、確認していきましょう!
2 全体及び細部写真です!
前面
ジッパーが身体の中心線より、やや右側にオフセットされていますね。
これはアメリカ軍のB-15と似ています。
(襟がボア付きで大きいのも似ています。)
背面
裾や袖にニットを用いないのがこの当時のフランス軍フライトジャケットの特徴です。
前面裏側
ライニングはナイロン製のようです。
背面裏側
襟が二重になっていますね。
じつはボアは取り外すことができます。
しかも襟はチンストラップで立てることができますよ。
ただしボア付きを想定しているため、ボアなしでは今ひとつしっかりしていませんね。
前合わせはボタンとジッパーですが、ボタンホールはライニングに開いていますよ。
あまり見かけないデザインですね。
エポレット
テーパーなしのクサビ型で短いタイプ
ジッパーは全て「YKK」
正しい判断ですね。
腰ポケット
ダットファスナーで開閉
他のフランス軍フライトジャケットとは違って、ポケットフラップが設けられています。
これで、ポケット内容物を不時落下させる可能性が減りますね。
ポケット内側の生地は薄いナイロン製ですが、とても弱く左右とも破れています。
(辛うじてポケットは使用可能!)
正面裾のダットファスナー
裾には合計8本のステッチ。
ジッパー下端両側にはジッパーを引き上げる際に補助となるタブ付きです。
袖ポケット
表面にペンポケットあり。
でも短いですね。
袖
ほぼストレートです。
袖口はダットファスナーで絞ることができます。
台形の補強生地に注意!
裏側ウエスト付近のドローコード
通常2本ですが、このモデルは1本省略されています。
ドローコードは、フランス軍特有のデザイン
裾ではなくその少し上を絞るためのもの。
内ポケット
マジックテープで開閉
内側は所々ライニングに穴が開いていました。
でも中身を見ることができましたよ。
中の綿は厚いポリエステル製でした。
タグ
印字は消失していますが、英語表記でした。
しかも、なんとなくアメリカ軍の型式に似ています。
ということは?
襟ボア
表と裏
ボアの材質はアクリルのようです。
ボアは襟内側にあるボタンに取り付けます。
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3 その特徴とは?
生地は美しいオリーブグリーンの薄いコットンサテンで、軽量ながら防風性能が高そうです。
(オリーブグリーンは、フランスでは珍しいカラーですね。)
ほぼ全面に薄いナイロン製のライニングが設けられていて、中には厚いポリエステルの綿は入っています。
デザインは、アメリカ軍のB–15を原型とし、フランス軍独特の改修がされていますね。
構成は、襟ボア、エポレット付き、腰ポケット×2、袖ポケット、内ポケットで、ニットの配置はありません。
袖はダットファスナー、ウエスト付近はドローコードで絞ることができますよ。
面白いのは、襟のボアが取り外し可能であるところ、前合わせのボタンをライニングに取り付けるところですね。
残念ながら、各ポケット内側の生地は、とても弱く腰ポケットは左右とも破れていました。
全体的な縫製は、多くのフランス軍衣類に見られる丁寧で丈夫なものではなく、やや雑で強度も足りないようです。
今回のモデルはタグが英語表記で、1970年代のアメリカ軍風の表記方法でした。
もしかしたら、かつて植民地だった国の製品かもしれませんね。
4 製造とサイズのデータです!
製造・契約年度 1980年代?
製造場所 不明
契約会社 不明
製造会社 〃
材 質 コットン
ナイロン
ポリエステル
表記サイズ 不明
(日本人のL〜XL)
各部のサイズ(平置)
着丈 約69cm
肩幅 約53cm
身幅 約66cm
袖丈 約61cm
状 態 中古並品
官民区分 民生品
入手場所 愛知の専門店
入手難易度 3(困難)
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5 まとめ
材質や縫製に少々問題がありますが、フライトジャケットとしての機能としては十分なジャケットですね。
また、実際に着用すると、以前分析したフランス空軍コットンフライトジャケットより軽量かつ暖かいですよ。
低空を飛行するとはいえ、吹きっさらしのヘリコプターパイロットやクルーには、嬉しいジャケットなのでは?
襟ボアは大きいですが厚みはそれほどでもなく、パイロット用ヘルメットの動きを阻害するものではありません。
フライトジャケットですが、バイクなどの使用にも適しているジャケットとも言えます。
ただ、このモデル品ジャケットも日本ではあまり…と言いますか、全く見かけませんね。
私も偶然見かけて、たまたま購入したに過ぎません。
でも、ネットショップやオークションなどでは「正体不明のフライトジャケット」とか「B–15民生品」という感じで販売や出品したりしているかもしれません。
探しているあなたは、気長に待ってみましょう!
私は、実際に使用されて各種パッチが付いているモデルを探してみたいと思います。
今回は、モデル品ながら暖かいフランス陸軍フライトジャケットを分析しました。
いやー軍装品って、モデル品も本当に素晴らしいですね!
それでは、また次回をお楽しみに!
(20230109更新)
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参考:他のフランス軍フライトジャケットに関する記事はこちらです。⬇︎
他国のフライトジャケットに関する記事はこちらです。⬇︎
フライトジャケット(Flight jackets) カテゴリーの記事一覧
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読んでいただき、ありがとうございました。
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