今回は、1970年代のフランス空軍レザーフライトジャケットを分析します。
以前、分析した同フライトジャケットは後期型でしたが、今回のモデルは初期型です。
袖ポケットが特徴ですね!
中古品で破損や欠品がありますが、まだまだ着用でいますよ!
目次
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1 フランス空軍レザーフライトジャケット(官給品・初期型・襟ボアなしカスタム)とは?
パイロットを風や冷気…場合によっては被弾や火災から保護するフライトジャケット。
航空機の黎明期から第二次大戦中くらいまでは、動物の皮革(レザー)が多用されていましたね。
でも一部の国では、まだレザーフライトジャケットが健在ですよ。
現在でもレザーフライトジャケットが生き残っているのは、機能や性能よりも「象徴的」な意味があるのかもしれませんね。
今回のモデルは、フランス軍が戦後からずっと採用しているレザーフライトジャケットになります。
大戦前後のアメリカ空軍フライトジャケットのデザインを参考に、フランス独自の改良を加えた独特のデザインと他に類を見ないカラーから日本でも大人気の一品ですね。
当ブログでも、これまでいくつかフランス空軍レザーフライトジャケットを分析してきましたが、今回は官給品のそれも初期型です。
さてさて、それはどんなレザーフライトジャケットなのでしょうか?
今回は、フランス空軍装備マニアのみならず、レザージャケットコレクターやバイカーのあなたと一緒に、確認していきましょう!
2 全体及び細部写真です!
前面
渋いブルーが堪りませんね!
背面
前面裏側
背面裏側
襟周りレイアウト
前合わせはジッパーのみ。
でもジッパーは上下から開くダブルジッパーです。
ストームフラップ(ウインドシールド)はありません。
ジッパー刻印は全て「ECLAIR」
背面裏側のタグは紛失していました。😭
当時の官給品タグサイズですね。
胸ポケット
ダットファスナーで開閉
内側の生地はライニングと同じです。
左胸のポケット?
マジックテープで開閉
用途は?
今回のモデルは実際に使用されていた中古品なので、前見頃を含めた各部にコーティングに剥がれがありますね。
袖ポケット
初期型は楕円形のポケット表面にペンポケットがあります。
ジッパーが曲線なので開閉には少々コツが必要。
ポケットはパッチポケットなので、オリジナルのカラーが残っていました!
脇の通気孔
4つの穴
本来なら襟ボアを取り付けるためのボタンがあるのですが、全て取り外されていました。
裾裏側には、絞りを調整するストラップあり。
ダットファスナーで調整。
内ポケット
オープンタイプですね。
左脇腹裏側には、レスキューベストを収めるポケットあり。
隠しポケットとして使えますね。
(お姫様の指輪を隠すとか…😎)
袖
ややテーパー付き
内側にニット袖がある二重タイプです。
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3 その特徴とは?
レザーは濃いブルーに染められていて、とても柔らかいものですね。
(おそらくゴートスキンかと思われます。)
袖ポケット内部に当初のカラーが残っていましたが、今回のシェル(外皮)よりやや明るく、ブルー…と言うよりはバイオレットに近いカラーですね。
でも使用中に汚れなどで段々黒っぽくなってくるようです。
(面白いですね。普通は褪色して薄くなってくるのですが…。)
裏側ほぼ全面にライニングがあって、薄いながらインターライニング(中綿)も入っているようです。
そのため、アメリカ軍のレザーフライトジャケットG-1より、やや防寒能力が高いかもしれませんね。
デザインは、アメリカ軍のフライトジャケットB-15をベースにしていますが、袖ニットは袖内にあり、裾にはニットを使用していません。
襟ボアも取り外しできるタイプですね。
構成は、エポレットなし、胸ポケット×2、袖ポケット、内ポケット×3で1ポケットの一つは、レスキューオレンジのベストを格納する小ポケットです。
(残念ながらレスキューベストは欠品です。😭)
後期型との違いは、袖ポケットが楕円形のパッチポケット(表面にペンポケット付き)
というところですね。
また今回のモデルは、襟ボアを取り付けるためのボタンが全て取り外されていました。
(襟ボアもなし!パイロットには邪魔だったのでしょうか?🤔)
全体的な縫製は、フランス軍物にしては少々不正確ですが、強度は十分ですね。
4 製造とサイズのデータです!
製造・契約年度 1970年代
製造場所 フランス
契約会社 フランス
製造会社 〃
材 質 ゴートスキン
ナイロン
コットン
表記サイズ 不明(96Cと予想)
(日本人のL〜XL)
各部のサイズ(平置)
着丈 約62cm
肩幅 約48cm
身幅 約62cm
袖丈 約58cm
状 態 中古並品
官民区分 官給品
入手場所 大阪の専門店
入手難易度 3(困難)
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5 まとめ
外観上はニットを使用していないように見えるため、スパルタンな印象を受けますね。
実際、アメリカ軍フライトジャケットの定番である襟、袖、裾ニットは冷気の侵入を防いでくれる反面、破損しやすいのが難点でしたね。
(しかも交換には技術を要する物でした。)
しかし今回のジャケットは、袖の内部以外にニットを使用していないので、衣類としての耐久性は高いかもしれませんね。
(そこが魅力でもあります。)
レザーの防風性能は高く、ライニングの効果もあることから、下にセーターでも着込めば真冬でも使用できそうですね。
惜しむらくは、現在大手通販サイトでも取り扱っている量は僅かで、かつ入荷しても瞬時に購入されていくようです。
大手ミリタリーSHOPには在庫があるかもしれませんが、程度の悪いものが多いので要注意ですね。
やはり程度の良い個体をお探しのあなたは、オークションやフリマを覗いてみることをおすすめします。
また、官給品に準じた造り(微妙に各部が違っていますが…😅)のモデル品も出回っていますね。
第三国製もありますが、フランス製モデル品も数多く製造されています。
官給品にこだわらないあなたにはおすすめかも!
資金や信条、そしてシチュエーションに応じて選んでみましょう!
今回は、フランス空軍定番レザーフライトジャケット初期型を分析しました。
いやー軍装品って、本当に素晴らしいですね!
それではまた、次回をお楽しみに!
(20240814更新)
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参考:他のフランス軍パイロット装備に関する記事はこちらです。⬇︎
他のフランス軍装備に関する記事はこちらです。⬇︎
各国軍のレザージャケットに関する記事はこちらです。⬇︎
各国軍のフライトジャケットに関する記事はこちらです。⬇︎
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読んでいただき、ありがとうございました。
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