今回は、1950年代のフランス陸軍空挺ジャケットを分析します。
以前分析した「陸軍空挺迷彩スモック」と同じく比較的近年の韓国製のモデル品ですね。
でもフランス軍官給品とは決定的な違いがありました。
中古品ですが、程度は極上ですよ!
目次
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1 フランス陸軍空挺ジャケット(韓国製モデル品・2種)とは?
軍物の衣類でありながら支給開始直後から、あるいは何十年も経って新しく復刻されるものがありますね。
その目的は大きく
- リエナクト(コスプレ)用
- 映画撮影用
- ファッション用
に分かれています。
特に近年では、ファッションに使用することを目的に絶版アイテムが復刻される場合が多いですね。
中でも実際に戦闘に使用するフィールドジャケットやフライトジャケットは、シンプルで個性的かつ機能的なモデルが多く、有名ファッションブランドでも大々的にサンプリングしている状況です。
既に官給品が用途廃止になり、中古品も減ってきた希少なアイテムが復刻されることは、コレクターとしては素直に嬉しいですね。
(プレミア感満載の価格設定は一考の余地がありそうですが…😅)
今回のモデルは、希少なフランス軍OD単色空挺ジャケットを韓国が復刻したものになります。
以前分析した「フランス陸軍空挺迷彩スモック(韓国製モデル品)」のOD単色モデルですね。
残念ながら再現度は迷彩版同様今ひとつですが、逆に普段使いにはこちらが適しているのでは?…と思う箇所もありましたよ!
さてさて、それはどんな空挺ジャケットなのでしょうか?
今回は、フランス軍装備品マニアのみならず、ファッションリーダーのあなたと一緒に、確認していきましょう!
全体及び細部写真です!
ODタイプ
前面
生地はコットンサテンですが、オーストリア軍フィールドジャケットに近い、やや赤味(茶色味)の強いカラーが特徴です。
背面
官給品が左右合わせだったのに対し、一枚生地ですね。
前面裏側
右胸の内ポケットに注意。
背面裏側
襟周りレイアウト
襟はジッパーを頂部まで上げることにより立てることができます。
前合わせはボタンとジッパー…ですが、ボタンは官給品のように裾までありません。
(むしろ使い易い?)
タグ
一度洗濯したら印字が殆ど消失してしまいました。😅
(タグの周囲も解れてきていますね。) ⬇︎
エポレット
テーパーなしのクサビ型
ボタンで開閉。
胸ポケット
3個のダットファスナーで開閉。
内容物の容量によって二段階に調整できます。
左胸ポケット
フランス官給品同様、表面にパッチポケット付
向かって左側には垂直ジッパーで開閉する画しポケットあり。
ジッパーはポケット及びフロントとも刻印は「C&C」
腰ポケット
こちらは右胸ポケットと同じです。
官給品にあった各ポケット内側底部の分厚いキャンバス生地は省略されています。
袖
テーパー付
袖口にはゴムを内蔵
またボタンで開閉できます。…が、ボタンは官給品と違って外側がら確認できますね。
(官給品はパラシュートライン(紐)に引っかからないよう裏側に向かって取り付けられています。)
体側の裁断は官給品どおりです。
でも脇の通気孔は省略されていますね。
内ポケット
生地のループとボタンで開閉。
フロントのジッパーは、斜めに取り付けられていました!
そのため引き上げるには、ややコツが必要です。
安定の韓国クオリティーですね。😅
裾のドローコード
ナイロン紐ですね。
よく見るとステッチが解れていますね。
ダットファスナー表面
ODの塗装
ボタン
ODのプラスティック製で、イギリス軍の皿型タイプ。
ブラックグリーンタイプ
前面
画像では分かりづらいですが、カラーはブラックに近いダークグリーンです。
背面
前面裏側
背面裏側
内ポケット
タブにボタンホールがなく、ボタンもありませんでした。
相変わらず安定の韓国品質ですよね。
襟周りレイアウト
ジッパーを頂部まで引き上げることで襟を立てることができます。
前合わせはジッパーとボタン。
タグ
ODモデルとは表記方法が違っていました。
エポレット
こちらはテーパーなしのラウンド型。
右胸ポケット
3個のダットファスナーで開閉
ポケットの内容物に応じてポケットフラップの位置を変更できます。
左胸ポケット
右胸ポケットと同様ですが、ポケット表面に オープンタイプの小ポケットあり。
左胸ポケット横にはジッパーで開閉する隠しポケットあり。
腰ポケット
こちらも3個のダットファスナーで開閉。
いずれのポケットも内部底部にある分厚いリネンテープは省略されています。
袖
テーパー付。
袖口はゴムを内蔵
そしてボタンで開閉。
裾のドローコード。
こちらのモデルも脇の通気孔は省略されています。
ジッパーはODモデルと違って「YKK」
(左胸ポケットジッパーも同じです。)
正しい選択ですね。
ボタンはオリーブグリーンのプラスティック製
ダットファスナー表面
ダットファスナー凸部
メッキが目立ちます。
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3 その特徴とは?
生地は
- ODモデルが赤味の強いOD
- ブラックグリーンモデルがブラックに近いダークグリーン
ですが、粗く編まれているので軽量で通気性が良いです。
1950年代のフランス軍空挺ジャケットは、その多くがHBT(ヘリンボーンツイル:杉綾織)なのですが、ここは入手しやすく安価な生地に変更していますね。
デザインは、概ね官給品を再現しています。
構成は、両モデルともエポレット付き、胸ポケット×3、腰ポケット×2で、ウエストのドローコードはありません。
全体的な雰囲気は再現されているものの、やはり細部は違っているところがありますね。
ここで今回のモデルと官給品を比べてみましょう!
前面
今回のモデル
当時の官給品
生地のカラーはともかく、全体の雰囲気はまあまあですね。
背面
今回のモデル
背面の生地が一枚ですね。
当時の官給品
官給品は2枚で縫製。
前合わせ
今回のモデル
ボタンは6個。
官給品
前合わせ
ボタンは8個
今回のモデル
ODモデル
エポレット
テーパーなしのクサビ型
ブラックグリーンモデル
テーパーなしのラウンド型
官給品はテーパー付きでラウンド型でした。
左胸パッチポケット
今回のモデル
表面の小ポケット内部には何もありません。
当時の官給品
内部にはペン用のループが上下に縫い付けられています。
脇の通気孔
今回のモデル
(通気孔が省略されています。)
当時の官給品
金属製ハトメ付きで4個あります。
ポケット内側底部
今回のモデルは何もありません。
当時の官給品は、分厚いキャンバス生地で補強されていました。
袖ボタン
今回のモデルは表に出ています。
官給品は裏側に向いて取り付けられていますね。
全体的な縫製は、良好なものの肝心なところでミスや手抜きがあります。
お国柄といえばそれまでですが、場合によっては修理が必要かも。🤔
4 製造とサイズのデータです!
製造・契約年度 1980年代
製造場所 韓国
契約会社 韓国
製造会社 〃
材 質 コットン
表記サイズ ODモデル
112/116
ブラックグリーンモデル
96/100
(日本人のL)
各部のサイズ(平置)
ODモデル
着丈 約74cm
肩幅 約58cm
身幅 約64cm
袖丈 約63cm
ブラックグリーンモデル
着丈 約73cm
肩幅 約49cm
身幅 約61cm
袖丈 約62cm
状 態 中古極上品
官民区分 民生品
入手場所 ヤフオク
入手難易度 3(困難)
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5 まとめ
今回のモデルは、生地のカラーが違っているので(細部を無視しても)、忠実度を求められるリエナクト(コスプレ、ヒストリカルゲーム)には不向きですね。
しかしファッションなどの実用には向いていますよ。
単(ひとえ)のコートタイプでポケットの数が多く、袖や前見頃のボタンも一般的なデザインになっていることから、使い勝手も良いですね。
そもそも民間ではあまり見かけないデザインなので、個性も発揮できそうです。
使えるジャケットですね。
ただし細部はお国柄が反映されているので、長く使用するなら修理や補強が必要ですよ。
残念ながら、今回のモデルは一時的に少数が製品化されたもので、現在では見かけることがありません。
私も偶然発見して購入したに過ぎません。
それでも、稀に国内のオークションで見かけることがあります。
(数年に一度のレベルで…。😅リザード迷彩モデルの方が多いイメージ。)
もしかしたら、1990年代にTP社が販売したモデル品の方が入手できる確率が高いかもしれませんね。
欲しいあなたは、オークションとダメ元で古着屋さんを当たってみましょう。
今回は、フランス陸軍空挺ジャケット(単色モデル)の韓国製モデル品2種を分析しました。
いやー軍装品って、モデル品も本当に面白いですね!
それではまた、次回をお楽しみに!
(20241026更新)
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参考:今回のモデルが参考にしたフランス軍空挺スモックに関する記事はこちらです。⬇︎
今回のモデルと同じ韓国製のモデル品空挺迷彩スモックに関する記事はこちらです。⬇︎
その他の韓国製モデル品に関する記事はこちらです。⬇︎
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読んでいただき、ありがとうございました。
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