今回は、1950年代のフランス陸軍空挺スモックを分析します。
有名なリザード迷彩ではなくODの単色モデルですね。
とても貴重なモデルです。
中古品で残念ポイントもありますが、程度は良好ですよ!
目次
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1 フランス陸軍空挺スモック(OD単色タイプ)とは?
現代でこそ各国の軍隊や軍事組織では、迷彩服の着用が一般的ですね。
でも、その昔(1980年代くらいまで)は、OD(オリーブドラブ)、OG(オリーブグリーン)やカーキなどの単色服が主流でしたよ。
(迷彩服大国のドイツでさえ、大戦後しばらくはそうでした。)
迷彩服は、装備していても数が少なく、限定使用でしたね。
やはり主たる装備品の他に、普段使用しない装備を追加調達する…というのは、費用対効果の観点から考えて無駄だという考え方があったようです。
フランス軍も同様で、主たる装備はOD単色でしたね。
今回のモデルは、そんなフランス陸軍の空挺部隊が使用するスモックです。
フランス軍空挺スモックといえば、フランス陸軍空挺リザード(トカゲ)迷彩生地を用いたモデルが有名ですが、今回は単色生地のモデルエスね。
一説にはリザード迷彩よりも数が少なく、かつ酷使されたため現存数が極端に少ないとされています。
さてさて、それはどんな空挺スモックなのでしょうか?
今回は、フランス軍装備マニアのみならず、世界の空挺装備コレクターのあなたと一緒に、確認していきましょう!
(少々疑問点もありますので、お持ちの単色空挺スモックと見比べてみてください。)
2 空挺スモックの全体及び細部写真
前面
白っぽくかなり汚れているように見えますが、乱暴な洗濯で部分的に褪色しているようです。
背面
前面裏側
内ポケットと左胸ポケット用の生地は、グリーンが強いですね。
背面裏側
襟周りレイアウト
金属製の ダットファスナーはまだ真新しいですね。
襟はジッパーで立てることができます。
前合わせはジッパーとボタンですが、やたらボタンが多いのが特徴です。
サイズタグは最初から切り取られていました!😭
でも製造所のスタンプは残っていましたよ。
エポレットはテーパー付きのラウンド型です。
右胸ポケット
3個のダットファスナーで開閉
ポケット容量に応じて、フラップの位置を変更することができます。
左胸ポケット
こちらも同様ですが、ポケット本体に小さいパッチポケットがあります。
このパッチポケット内部には、ペン用のストラップが上下2本縫い付けられています。
また左胸ポケットには、ジッパーで開閉する隠しポケットがあります。
腰ポケット
こちらも胸ポケットと同様です。
ポケットフラップにはボールペンで数字が!
ポケットの底には、コットンとリネンの分厚い生地が縫い付けらています。
これで鋭いものを入れても、ポケットを突き破ることが減りそうです。
袖
立体裁断で、強いテーパーが付いています。
袖口にはゴムを内蔵
袖はボタンで開閉しますが、ボタンは内側に向いています。
これはパラシュートコードなどが引っ掛からないようにとの配慮です。
脇の通気孔
金属製ハトメ付きで4個
独特の裁断ですね。
ウエストのドローコード
残念ながら市販の別物に変更されていました。
ロックも市販品ですね。
でもナイロン製なので、コットンのオリジナルより丈夫かも。
ドローコードのルートガイドには縫製ミスが!
内ポケット
タブとボタンで開閉
内ポケットのみ通常のフランス官給品ボタンでした。
マホガニーブラウンのプラスティック製
一方、その他のボタンは全てライトブラウンでした。
これは見たことがないボタンですね。
縫い糸は同じ官給品です。
ジッパーの刻印
「SPIDEX」と読めます。
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3 その特徴とは?
生地はODのHBT(ヘリンボーンツイル:杉綾織)で、とても丈夫です。
高級な生地なので、採用している国が少ないですね。
デザインは、空挺迷彩スモック後期型と同じです。
構成は、エポレット付き、胸ポケット×4、腰ポケット×2、内ポケットで、胸ポケットにはジッパーで開閉する隠しポケットがあります。
袖口には、冷気を遮断するためにゴムを内蔵、そしてボタンで開放できますが、ボタンは通常の逆で裏側に向くよう縫い付けられていますね。
全体的な縫製は丁寧で性格ですが、今回のモデルは一部に縫製ミスがありました。
フランス軍装備は、時々同じようなミスがありますね。
(要注意!)
4 製造とサイズのデータ
・製造又は契約年度 1950年代
・製造場所 フランス
・契約会社 フランス
・製造会社 〃
・材 質 コットン
・表記サイズ 不明
(日本人のL〜XL)
・各部のサイズ(平置)
着丈 約54センチ
肩幅 約39センチ
身幅 約55センチ
袖丈 約 センチ
・状 態 中古極上品
・官民区分 官給品
・入手場所 大阪の専門店
・入手難易度 4(極めて困難)
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5 まとめ
とてもスパルタンなデザインでカッコ良いジャケットですね。
ポケットも多く便利ですが、前合わせのボタンが多いことに少々閉口しますね。
(全てを留める必要はないのですが。)
生地もしっかりしていて、着込むことで初冬くらいまでなら耐えられそうです。
迷彩生地ではないので、屋外での迷彩効果は今ひとつですが、逆にストリートでファッションに特化させた使い方も良いかもしれませんね。
ただ、当然ながら数は激減しています。
(かつては単色スモックのモデル品もありましたが、現在では廃盤になっていますね。)
それでもファッション雑誌などでは、時折取り上げられたりしていますので、全く入手できないわけではなさそうです。
面白いことに、業者さんによっては「正体不明のジャケット」として、思わぬ低価格で販売されている場合がありますよ。
諦めず探してみましょう。
なお、よく似たデザインのジャケットとしては、
などもあります。
あわせて確認してみてください。
今回は、希少なフランス軍のOD単色空挺スモックを分析しました。
次回は、アメリカ軍の防寒着を分析します。
お楽しみに!
(20211019更新)
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参考:今回のモデルと同時期のフランス軍空挺装備はこちらです。⬇︎
その他のフランス軍装備に関する記事はこちらです。⬇︎
✳︎ ✳︎ ✳︎
読んでいただき、ありがとうございました。
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