今回は、1960年代の航空自衛隊57式航空服(パイロットスーツ)を分析します。
以前分析した航空自衛隊パイロットスーツ(56式航空服2型)と殆ど同時期に採用されたモデルですが生地色が違っていますね。
元々パイロット用なのですが、さる理由で整備員が着用したのではないか?と思われます。
中古品で所々傷みがありますが、まだまだ着用できる貴重品ですよ!
目次
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1 航空自衛隊57式航空服(パイロットスーツ・オレンジ)とは?
航空自衛隊においてパイロットスーツ(フライトスーツ)は、パイロットを含む空中勤務員(航空機搭乗員)が主に着用します。
まあ当然といえば当然なのですが、じつは稀ですが他の職種が着用する場合もあります。
それは航空機の定期点検を行う検査隊の整備員ですね。
航空機が定期点検を終えると必ず試験飛行があるのですが、機種によっては整備員が同乗し、各機能が正常かどうかを実地に検査します。
その試験飛行に使用されたと思われるのが、今回のモデルです。
どうやらパイロットのお下がりを使用していたようですね。
でも基本的なデザインは、後のモデルと大きくは変わっていません。
さてさて、それはどんなパイロットスーツなのでしょうか?
今回は、航空自衛隊装備マニアのみならず、正解のパイロットスーツコレクターのあなたと一緒に、確認していきましょう!
2 全体及び細部写真です!
前面
どこか懐かしいカラーですね。
前面上半身
前面下半身
背面
背面上半身
背面下半身
前面裏側上半身
上半身のみ、やや明るいオレンジのライニングがあります。
前面裏側下半身
背面上半身裏側
背面下半身裏側
襟周りレイアウト
襟に階級章を縫い付けた跡がありませんでした。
前合わせはジッパーのみ。
ストームフラップ(ウインドシールド)はありません。
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1962年度契約品。
胴体部分にはレーヨン(?)のライニングあり。
前見頃のジッパー
上下から開くダブルジッパーですが、プルタブの形状が違っていますね。
勿論「YKK」です。
胸ポケット
ジッパーで開閉。
胸ポケットのジッパーも勿論「YKK」
ウエストのサイズ調整ストラップ
ダットファスナーで開閉・調整。
腰スリット
右膝ポケット
水平のジッパーで開閉。
左膝ポケット
こちらは斜上に開くジッパーで開閉。
膝クリップ
ある程度の使用感あり。
足首ジッパー
開くと脚を通し易くなりますね。
ふくらはぎポケット
ジッパーで開閉。
表面にペンポケット付き。
(これは上部に解れあり。)
ふくらはぎポケットの底部はレザーで補強されているのがこの型式の仕様ですね。
ポケット表面のペン用ポケットは左右にあります。
左足首ジッパーには「INSP」の文字が!
袖
ほぼストレート
袖ポケット
1気室でマチ付き。
袖口はダットファスナーで開閉・調整
股間裏側の補強生地。
三角形ですね。
上下はウエストで縫い合わされています。
上半身には6本のタックあり。
左袖のダットファスナーは1個破損していました。
生地にある小穴各種
今回のモデルには小穴が多数開いていました。
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3 その特徴とは?
生地はオレンジに染められたウールとコットンの混紡で、細い糸で緻密に織られたギャバジンですね。
柔らかくて肌触りが良いです。
冬用なのでやや厚い生地になっていて、上半身のみレーヨン(?)のライニングがありますね。
(これは現行の冬用モデルにも踏襲されていますよ。)
デザインは、エポレットなし、胸ポケット×2、袖ポケット、膝ポケット×2、ふくらはぎポケット×2で、左右腰にはジッパーで開閉するスリットがあります。
面白いのは足首ポケット(パッチポケット)のみポケット本体下部がレザーで補強されているところです。
以前分析した56式航空服のデザインとほぼ同じですね。
全体的な縫製は、丁寧かつ正確で上質な仕立てですよ。
4 製造とサイズのデータです!
製造・契約年度 1962年
製造場所 日本
契約会社 日本
製造会社 〃
材 質 ウール
コットン
レザー
表記サイズ 4
(日本人のL)
各部のサイズ(平置)
肩幅 約43cm
身幅 約53cm
袖丈 約54cm
ウエスト 約49cm
着丈 約139cm
股下 約70cm
裾幅 約17cm
状 態 中古並品
官民区分 官給品
入手場所 埼玉の専門店
入手難易度 4(極めて困難)
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5 まとめ
今回のモデルは生地にウールが入っているので、時代を考えると虫食いは仕方がありませんね。
それでもウール混紡だったり、上半身にライニングがあったりして後のモデルにも通じる「寒候期仕様」なのが他国のパイロットスーツに比べてリッチですよね。
じつは私が航空自衛隊に入隊した1980年代でも、まだ使用しているパイロットが居ました。
(マイナーチェンジを行った後のモデルかもしれませんが…。)
なかなか物持ちが良いですよね。
そして57式航空服には、何故かオレンジの他にブルーグレイのモデルもあったことも知られています。
ブルーグレイの57式航空服
前作56式では、やや茶色味がかったセージグリーンの生地でしたが、何故ブルーグレイに変更されたのでしょうか?
製造年月を見ると、今回のオレンジモデルと併用されていたようなのですが、その理由がわかりません。
もしかしたら、アメリカ空軍に合わせて生地色を決定したのでしょうか?
(今回のモデルのオレンジは、森林や海でも発見しやすいカラーとして採用されたようです。)
謎が謎を呼び、解明できないままではありますが、今後もcっようさをケイゾクしていこうと思います。
さて今回のモデルですが、もしもっと程度の良いものを見つけても実用目的として購入するのではなく、航空自衛隊の歴史を語るピースの一つとしてコレクションするのがおすすめです。
着用せず大切に保管しておきましょう。
将来きっとあなたの力になってくれますよ!
私ももう少し程度の良い個体と、生地がブルーグレイのモデルを探してみたいと思います。
今回は航空自衛隊の古いパイロットスーツである57式航空服を分析しました!
いやー自衛隊装備品って、本当に素晴らしいですね!
それではまた、次回をお楽しみに!
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参考:他の航空自衛隊パイロットスーツに関する記事はこちらです。⬇︎
他の自衛隊装備に関する記事はこちらです。⬇︎
各国軍のパイロットスーツに関する記事はこちらです。⬇︎
各国軍のパイロット装備に関する記事はこちらです。⬇︎
各国軍の単色衣類に関する記事はこちらです。⬇︎
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読んでいただき、ありがとうございました。
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