今回は、2010年代の中国共産党人民解放軍陸軍最新迷彩ユニフォーム(の一種)を分析します。
約二年前に存在を確認していましたが、やっと入手することができました。
初めて観た時は、人民解放軍もすごいなあ…と思いました。
でも今回、とんでもないことが判明しました!
奇跡のデッドストックですよ!
目次
- 1 中国共産党人民解放軍陸軍最新マルチカム迷彩ユニフォーム(イギリス軍MTPのコピー)とは?
- 2 全体及び細部写真です!
- 3 その特徴とは?
- 4 製造とサイズのデータ
- 5 中国共産党人民解放軍陸軍最新マルチカム迷彩ユニフォーム(イギリス軍MTPのコピー)まとめ
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1 中国共産党人民解放軍陸軍最新マルチカム迷彩ユニフォーム(イギリス軍MTPのコピー)とは?
1990年代から、それまでよりも格段に進歩した装備を整え始めた中国共産党の人民解放軍。
現在では、もはや「質」と「量」でアメリカやロシアに追いつこうとしています。
(恐ろしいですね。)
個人装備でも2000年以降、新しい武器や迷彩服を開発・支給していますよ。
特に迷彩服は、最新のデジタル迷彩(星空迷彩とも?)のカラーバリエーションを揃えて、多くの地域に適応できるようにしていますね。
そしてとうとう、全ての地域で効果的に使用できる迷彩パターンを開発しました。
当初、パレード用との説もありましたが、一部の部隊には実戦用に支給されていますね。
アメリカ軍が開発した「マルチカム」にも似たその汎用性の高い迷彩は、今や世界の流行ともなっていて、中国共産党もしっかり波に乗っているようです。
さてさて、それはどんな迷彩服なのでしょうか?
今回は、迷彩服コレクターのみならず、現役自衛官のあなたと一緒に確認していきましょう!
2 全体及び細部写真です!
ジャケット
前面
迷彩で不鮮明ですが、4ポケットのコートタイプです。
背面
前面裏側
背面裏側
迷彩は裏面にかなり透けています。
襟周りレイアウト
前合わせはボタンのみです。
サイズスタンプ
タグ 表・裏
07式のバリエーションなんですね。
2019年度契約品です。
襟と胸のマジックテープ
胸ポケット
腰ポケット
右袖
二本のループ
左袖ポケット
袖
テーパーが付いています。
袖口はボタンで開閉・調整
肘の補強生地は、なんと裏側に縫い付けられています。
脇の通気孔
刺繍で二個あります。
ウエストのドローコード
ドローコードのガイドはヘリンボーンツイルでした。
腰ポケット内側の生地は、ストラップで裾に縫い付けられています。
ボタンは定番の迷彩色プラスティック製
トラウザーズ
前面
背面
前面裏側
背面裏側
前合わせはボタンのみです。
サイズスタンプ
ジャケットと同じですね。
タグ
こちらもジャケットと同じです。
右側面レイアウト
腰スラントポケット
膝ポケット
ボタンで開閉
ポケットフラップの縫い付けはありません。
膝の補強生地も裏側に縫い付けられています。
裾はマジックテープでサイズを調整できます。
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3 その特徴とは?
迷彩は、ライトブラウンの生地に、ブラウンをエアブラシで吹き付け、その上に濃淡二色のグリーンとブラウン、アイボリー、ブラックに近いブラウンで細い葉や雲のようなパターンを描いています。
また、パターンの一部は小さな斑点で輪郭をぼかしてありました。
私は当初、この迷彩パターンを中国共産党オリジナルかと思いました。
でも迷彩パターンの一部に既知感を感じ、念のためを他のマルチカム系迷彩と比べてみたところ、迷彩はイギリス軍MTP(マルチテラインパターン)のフルコピーであることが判明しました。
迷彩比較
左:今回のモデル
(識別のため袖を写しています。)
右:イギリス軍MTP(官給品)
僅かな色調やパターンの誤差はありますが、まったくMTPそのものですね。
参考
アメリカ軍マルチカムとMTPの比較
(過去記事アメリカ陸軍最新迷彩ジャケット(マルチカム)とは? より。)
左:イギリス軍MTP
右:アメリカ軍マルチカム
よくできた迷彩だと思っていましたが、コピーならさもありなん…って感じですね。
生地は一般的なポリエステルとコットンの混紡のツイル…だと思いましたが、他の07式とはちょっと違う質感なので、もしかしたら難燃繊維も含まれているのかもしれません。
(私見です。)
デザインは、他07式迷彩服と同じです。
構成は、ジャケットがエポレットなし、胸ポケット×2、腰ポケット×2、袖ポケット、袖ループ×2で、ウエストにはドローコード付き。
トラウザーズは、腰スラントポケット×2、膝ポケット×2で、裾はマジックテープで幅を調整できます。
面白いところでは、肘、膝、臀部の補強生地は全て裏側に縫い付けられているところですね。
全体的な縫製は、それまでの製品になかった正確かつ丁寧なもので驚きました。
品質は確実に向上させていますね。
4 製造とサイズのデータ
・製造又は契約年度 2019年
・製造場所 中国共産党
・契約会社 中国共産党
・製造会社 〃
・材 質 コットン
ポリエステル
(難燃繊維も?)
・表記サイズ 175–100
(日本人のL)
・各部のサイズ(平置)
ジャケット
着丈 約75センチ
肩幅 約49センチ
身幅 約59センチ
袖丈 約59センチ
トラウザーズ
ウエスト 約47センチ
着丈 約103センチ
股上 約30センチ
股下 約74センチ
裾幅 約23センチ
・状態 中古良品
・官民区分 官給品
・入手場所 浜松の専門店
・入手難易度 2(やや困難)
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5 中国共産党人民解放軍陸軍最新マルチカム迷彩ユニフォーム(イギリス軍MTPのコピー)まとめ
そういえば、日本でもイギリス軍MTPスモックのモデル品が販売されていて、それが中国製でした。
スモック自体はとても良くできていましたが、その裏でしっかり迷彩パターンを盗まれていたのですね。
単に迷彩パターンといっても、少しでも自国の兵士が安全かつ効果的に戦闘ができるよう、各国とも創意工夫して製造している立派な工業製品なのです。
それをそっくりコピーするというのは、一国が迷彩パターンの開発に掛けた費用が無駄になるのと同時に、コピーした側には費用の大幅な節約になります。
イギリス軍MTPが特許を取っていたのかどうかはわかりませんが、痛い損失だといえそうですね。
(ただし機能までコピーしているかどうかは不明ですが…。)
とはいえ、これで中国共産党は、世界でも有数の効果的な迷彩パターンを入手できたということになります。
今後、どのような使われ方をするのか、注意深く見守るとともに…警戒しましょう。
さて今回の迷彩服ですが、日本ではまだ数も少ないこともあってか、かなり高額で取引されていますね。
迷彩服の使い勝手としては、通常の07式デジタル迷彩と同じですし、同じ迷彩パターンならイギリス軍MTPの方がまだ安いようです。
また迷彩パターンにおいても、緑の多い日本では、使用できる季節や場所が限定されそうですね。
総じて迷彩服コレクター以外は敢えて手を出さない方が無難なようです。
現職自衛官のあなたは今回の記事を参考にして、識別眼を養っていただければ幸いです。
今回は、イギリス軍の迷彩をそっくりコピーした中国共産党人民解放軍の最新迷彩服を分析しました。
いやー軍装品って、本当に面白いですね!
それでは、また次回をお楽しみに!
(20211218更新)
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参考:中国共産党がコピーしたイギリス軍の迷彩服はこちらです。⬇︎
他国のマルチカム系迷彩装備はこちらです。⬇︎
他の中国共産党人民解放軍装備はこちらです。⬇︎
✳︎ ✳︎ ✳︎
Twitterで見つけました!
星空迷彩は、中国軍が「現代戦を戦える軍隊」に脱皮した象徴とも言える。 pic.twitter.com/2W9c3LiILu
— mssn65 (@jpg2t785) 2021年1月14日
種類がたくさんありますね。🤔
勉強になります!😎
読んでいただき、ありがとうございました。
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