今回は、2000年代のイギリス軍最新迷彩スモックを分析します。
この迷彩の採用で、DPMはお役御免になったようです…。
DPMマニアの私として、非常に残念に思いますね。😞
それはともかく、一見したところ、アメリカ軍の採用したマルチカムに似ていますね。
今回は中古品ですが程度は極上ですよ!
目次
スポンサーリンク
スポンサーリンク
1 イギリス陸軍迷彩スモック(MTP)とは?
まだまだ記憶に新しい2012年のロンドンオリンピックですが、ミリタリーマニアが驚いた光景がありました。
それは、開会式に参加していたイギリス軍兵士が、全員最新鋭のMTP迷彩ユニフォームを着用していたからです。
DPM大好き中年の私は、とても驚くとともに、とてもがっかりした覚えがありますね。
MTPとは、「マルチ・テライン・パターン」の略で、直訳すると「多用途(迷彩)模様」といったところでしょうか?
アメリカ軍のマルチカムと同じように、この迷彩一本で全ての地域に対応しているということなのでしょうね。
また、とある国がMTPをそっくりそのままコピーした迷彩生地で自国の戦闘服を製造していることでも有名です。😎
さてさて、それはどんな迷彩スモックなのでしょうか?
今回はイギリス軍装備マニアのみならず、アメリカ軍マルチカムマニアのあなたと一緒に、確認していきましょう!
2 全体及び細部写真です!
前面
フードは前縁にワイヤー(銅線)が入っています。
これまでの極地用(SAS)スモックと同じですね。
背面
とても複雑な迷彩です。
どうやってプリントするのでしょうか?
ブラウンのボカシが効いています。
前面裏側
上半身にはネット
ライニングはメッシュのハーフライン
腰ポケット内側生地は起毛されていますね。
裾の予備ボタンに注意
背面裏側
左右のドローコードに注意
内ポケットはありません。
前合わせはジッパーとマジックテープです、
でも、じつは…
タグ
メタボな私でも着用できるよう、身幅は大きめです。
左裾付近の小タグ
胸ポケット
折り返してボタンで開閉
ボタンは全てテープで留めるカナディアンタイプ
ポケットフラップ裏側のループに注意!
胸ポケットの横にジッパーで開閉するスラッシュポケットが。
内部にはペンポケットあり。
腰ポケット
ボタンで開閉
腰ポケットの外側には、もう一つポケットがあって、ハンドウォーマーになっています。
でも…
左胸ポケットにはボタンホールの開いた、小ポケットが。
用途は?
袖ポケット
左右にあります。
マジックテープで開閉
袖口
マジックテープで開閉
裾のドローコード
ブラックのゴム紐 ロック付き
脇の通気孔
ダブルジッパーで開閉
フードのループ用途は?
フードを使用しない時に背面のボタンでフードをロールアップしておくためのもの。
ハンドウォーマー 見るからに暖かそうな生地です。
でも夏は?
前合わせのジッパーもダブルジッパーで、上下でスライダーの形が違っています。
これは下側のスライダー
前合わせジッパーメイン(上)のスライダー
いずれも無刻印
胸ポケットのスライダー
前合わせジッパー差込口裏側
メインジッパーの裏の刻印 もしかしてYKK製?
左袖に付ける国籍マーク
ユニオンジャックの色調を抑えてありますね。
着用例
スポンサーリンク
スポンサーリンク
3 その特徴とは?
迷彩は、ライトブラウンをベースに、濃淡2色のカーキグリーン、タン、マホガニーブラウンで細い葉のような模様をプリントしてあります。
同時に所々ブラウンとグリーンでエアブラシ(スプレー)でボカシを加えたような塗装で、とても複雑なパターンとなっていますよ。
全体的にはカーキーブラウンの印象がある迷彩ですね。
ある意味、デザート系とも言えます。
生地の材質は、コットンとポリエステルの混紡で、軽量かつ速乾性がありますね。
デザインは、基本的にDPM末期のスモック(胸に垂直ジッパーで開閉するポケットが追加されたタイプ)と変わりません。
構成は、フード付き、エポレットなし、胸ポケット×5、腰ポケット×2、袖ポケット×2で用途不明の小ポケットが左胸にあります。
(小ポケットの用途は?)
特筆すべきは、腰ポケットの外側にもう一つスラッシュポケットがあって、中が毛布生地になっている所ですね。
どうやらハンドウォーマーも兼ねているようです。
…が、角度が垂直なので少々使いづらいですね。
また、内側上半身にはメッシュを装備して通気性を確保しています。
しかし、前合わせのマジックテープが時々くっついて、とても煩わしいですよ。
至れり尽くせり=使いやすい…とは限らないのですね。😅
(勉強になりました!)
全体的な縫製は、とても丁寧かつ正確で、高い技術を感じさせます。
4 製造とサイズのデータです!
製造・契約年度 2000年
製造場所 イギリス
契約会社 イギリス
製造会社 〃
材 質 コットン
ポリエステル
表記サイズ 170/104
各部のサイズ(平置)
着丈 約80cm
肩幅 約56cm
身幅 約60cm
袖丈 約60cm
状 態 中古極上品
官民区分 官給品
入手方法 ヤフオク
入手難易度 1(容易)
スポンサーリンク
スポンサーリンク
5 まとめ
DPMも手が込んでいるパターンでしたが、MTPはさらに拍車がかかっていますね。
やはり、プリントローラーでプリントする…のだとは思いますが、エアブラシのようなボカシはどうやって再現するのでしょうか?
とても興味あります。
この迷彩も日本のフィールドで、どのような効果があるのか確認したいですね。
(寒候期用にはベストかも?)
細かい迷彩で、濃淡もはっきりしているので、ある程度効果があると思います。
でも緑の多い日本では、もう少しグリーンがあった方がより効果的かもしれませんね。
材質は変更されていますが、防風、防水性能もなかなかのものです。
気軽に羽織れるスモックですが、着丈が長いのでバイカーには向かないようですね。
(また風でバタつくかもしれません。)
まだまだ着用している人が少ないので、シティユースでは目立ちますよ。
イギリス軍官給品は何故か最近品薄です。
(輸出規制されたのでしょうか?)
でも中共製のモデル品が東京の老舗ショップから販売されていますよ。
よく再現していて、比較的安価に入手できますよ。
(中共は人民解放軍用迷彩服に、ちゃっかりコピーしたMTPを堂々と使用していますね!)
最新鋭の迷彩は素晴らしいですね。
(でも、私はやはりDPMの方が好きです💕)
今回はイギリス軍の最新迷彩服であるMTPスモックを分析しました。
いやー軍装品って、本当に素晴らしいですね!
それでは、また次回をお楽しみに!
(20240113更新)
スポンサーリンク
スポンサーリンク
参考:イギリス軍のMTPシャツに関する記事はこちらです。⬇︎
アメリカ軍のマルチカムに関する記事はこちらです。⬇︎
同じ用途だと思われる他の迷彩服はこちらです。
中共がMTPをコピーしたユニフォームに関する記事はこちらです。⬇︎
中共がそっくりにコピーした迷彩スモックに関する記事はこちらです。⬇︎
✳︎ ✳︎ ✳︎
読んでいただき、ありがとうございました。
スポンサーリンク
スポンサーリンク