今回は、おそらく1960年代のベルギー製と思われる国籍不明軍の空挺迷彩スモックを分析します。
当ブログでは、何故かベルギー軍迷彩を使用した国籍不明軍のものをいくつか分析しています。
でも、今回のモデルは、また別物になります。
なんとも形容し難い微妙なデザインの不思議なスモックですね。
残念ポイントもありますが、程度は良好ですよ。
目次
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1 国籍不明軍空挺迷彩スモック(ベルギー軍ブラッシュパターン・デニソン型改)とは?
第二次大戦終了後、多くの国に先行して個人装備に迷彩を取り入れたベルギー。
政府は一生懸命周辺国から自国の兵士を守ろうとしたことがわかりますね。
(FN–FALも良い小銃ですよね。とても狙いやすい!)
でも1960年から始まった「コンゴ動乱」では、かなりの部分に元宗主国のベルギーが関わっていたりしましたよ。
(一方の動乱勢力に軍事顧問まで出していました。)
現在こそ、NATOの中核となっているベルギーとその軍隊ですが、その昔は少々キナ臭い感じがしていましたね。
今回のモデルは、そのコンゴ動乱時代のものと思われる、ベルギー軍迷彩生地を用いて製造された空挺スモックです。
やはりイギリス軍のデニソンスモックを原型のデザインなのですが、かなりアレンジされていますね。
さてさて、それはどんな空挺迷彩スモックなのでしょうか?
今回は、迷彩服コレクターのみならず、傭兵装備マニアのあなたと一緒に、確認していきましょう!
2 全体及び細部写真です!
前面
背面
前面裏側
背面裏側
裏側では、濃いグリーンよりブラウンの方が透けているのが面白いですね。
襟周りレイアウト
襟はジッパーで立てることができます。
(でもジッパーの動きはとても悪かったです。😅)
前開きはジッパーのみです。
プルオーバー(頭から被る)タイプのスモックですが、ジッパーがとても長いですね。
防寒というよりは、着脱をより容易にしている印象です。
うなじにはタグの跡が!
縦長なのでベルギー軍用ではないようです?
(この迷彩時代のベルギー軍スモックは、横長タグでしたね。)
エポレット
テーパー付きのラウンド型です。
胸ポケット
ダットファスナーで開閉。
ポケットフラップ内側はちょっと違う色調の記事ですね。
(各ポケットフラップも同様です。)
腰ポケット
こちらもダットファスナーで開閉
右腰ポケットのダットファスナーは紛失していました。
修理を試みます。
袖
立体裁断で僅かにテーパーが付いています。
袖口はタブとボタンで調整
裏側にはしっかり力布がありました。
脇の通気孔
裾左右のサイズ調整タブ
前身頃のテイルピース用ダットファスナー
デニソン型は6個ありますが、このモデルは4個です。
(適度な省略?)
背面テイルピース用固定ダットファスナー
内ポケット
全く別の生地が使用されています。
右胸ポケットの下には何やら記号がペンキで記載
SAS…とありますね。😎
テイルピース本体のダットファスナーも一個紛失していました。
こちらも修理を試みます。
もしかしたら、ダットファスナーは全部交換した方が良いのかも。🤔
ジッパー
刻印は「riri」…ということは?
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3 その特徴とは?
迷彩は、1950年代にベルギー軍が採用した迷彩ですね。
配色は、ライトカーキの生地に、ダークブラウンとダークグリーンで大まかな雲形を描き、余白に同二色を用いてかすれたような刷毛目を描いています。
迷彩パターンは、大きく見ると大戦中のデニソンスモックの亜流と言えなくもないですね。
生地は、コットンの平織で、かなり緻密な防風織ですよ。
この生地は水分を含むと繊維が膨張し、硬くなってある程度の防水性を有するようになるのが特徴です。
デザインは、大きく見るとデニソンスモックから改良したベルギー軍の空挺スモックに似ています。
構成は、エポレット付き、胸ポケット×2、腰ポケット×2、内ポケット×2で、テイルピースや、裾のサイズ調整タブが付いています。
全体的な縫製は、普通ですが小物は少々雑ですね。
でも強度は必要十分です。
サイズは幅広ですが着丈は短く、ある意味日本人向けなサイズ感です。
4 製造とサイズのデータです!
製造・契約年度 1960年代
製造場所 不明
契約会社 不明
製造会社 不明
材 質 コットン
表記サイズ 不明
(日本人のL)
各部のサイズ(平置)
着丈 約70cm
肩幅 約54cm
身幅 約67cm
袖丈 約59cm
状 態 中古良品
官民区分 官給品
入手場所 大阪の専門店
入手難易度 3(困難)
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5 まとめ
国籍不明軍の空挺スモック…とはいえ、美しい迷彩に惹かれますね。
当時のベルギー軍ブラッシュパターンには数種類ありましたが、今回のモデルのパターンが個人的には最も気に入っています。
これでもう少し着丈が長かったら、冬の定番ジャケットとして使っているところですね。
(ぜひ違うサイズのスモックが欲しいです。)
どこの国で使用された空挺スモックなのかは、勉強不足でわかりませんがなかなか面白いスモックなので、今後もサンプルの入手を試みようと思います。
ところで、当初このスモックは購入時からやや汚れていました。
そこで今回もホームクリーニング(ただの洗濯!)したのですが、とても驚きました。
洗剤を入れて洗濯機でつけ置き3日後、ソフトモードで5分ほど回したところ、水が墨汁か絵の具を溶いたように真っ黒になりましたよ。
(画像は自主規制!)
どうやら見た目以上に汚れていたようです。
(でも選択したら本来のカラーが蘇りました!)
今回のモデルに限らず、また状態に関わらず、軍装品はかなり汚れている場合が多いです。
(場合によっては何十年も経っていますからね。)
ヒストリカルゲームや普段着で着用する場合は、衛生状態確保のために一回洗いましょう。
(そして直射日光で乾燥させましょう。日光の殺菌能力は半端ないですよ!)
最近の洗剤は高性能なので、つけ置きだけでも汚れが落ちる場合がありますよ。
(部分汚れには、襟袖用洗剤をつけて。)
ただし着用前提ではなく、将来を考えて保管しているあなたは、状態を維持するためそのままにしておきましょう。
今回は、ベルギー軍型迷彩の国籍不明空挺スモックを分析しました。
いやー軍装品って、本当に面白いですね!
それでは、また次回をお楽しみに!
(20231208更新)
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参考:他のベルギー軍型迷彩の国籍不明軍装備に関する記事はこちらです。⬇︎
同じ時期にベルギー軍が使用していた別の迷彩装備に関する記事はこちらです。⬇︎
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読んでいただき、ありがとうございました。
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