今回は、1940年代のアメリカ陸軍航空隊レザーフライトジャケットを分析します。
日本では、忠実に再現されたモデル品が大人気ですね。
でも今回は、残念ながら(?)当時の官給品です!
欠品もありますが、時代を考えると程度は良好ですよ!
目次
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1 アメリカ軍陸軍航空隊 A-2レザーフライトジャケット(ラセットブラウン・官給品)とは?
前作のA-1欠点を改良して進化したA-2レザーフライトジャケット。
A-1レザーフライトジャケット
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ライトゾーン(おおむね10℃〜30℃)を受け持つライトゾーン(当時はサマー:夏区分)の一般的なフライトジャケットでした。
多くはホースハイド(馬革)製で、当時としては軽量かつ軽快なこのジャケットは、当時のアメリカ軍のみならず、敵国であるドイツ軍にも賞賛されるほどでしたね。
(実際に着用して、MP44を射撃しているパイロットの写真は有名ですよね!)
第二次大戦中から、諸般の事情により生産は中止されましたが、1980年代前半から復活して再支給されたのは記憶に新しい(?)ところです。
日本では1990年頃から、このA-2レザーフライトの復刻ブームが始まりましたね。
それ以前にも、海外でモデル品が製造されていましたが、細部にまで当時の官給品にこだわり、再現されたその製品は多くのレザーフライトジャケットファンを生み出すきっかけにもなりました。
今回のモデルは、そんな復刻品の原型ともいえる1940年代中期に製造されたと官給品A–2になります。
このモデルを入手して、復刻品のA-2では再現しきれていない、驚くべきことがわかりました!
さてさて、それはどんなA-2レザーフライトジャケットでしょうか?
今回は、アメリカ軍旧陸軍航空隊マニアのみならず、レザージャケットファンのあなたと一緒に、確認していきましょう!
2 全体及び細部写真です!
前面
表面の革はとても薄くかつ滑らかで、とても70年以上前の製品とは思えません。
背面
適度な使用感とエイジング(経年変化)がたまりませんね。
前面裏側
当時のライニングがこの状態で残っているのは奇跡です。
背面裏側
タグは最初から紛失しているようでした。
残念ですがメーカー名がわかりません。
(だからこそ、この状態で残っていたのかも!)
各部のニットは、当時か、かなり以前に交換されているようです。
前合わせはジッパーのみ
ストームフラップは表に装備
腰ポケット
フラップはダットファスナーで開閉
適度なシワと光沢がたまりませんね!
ポケット内にサイズタグが!(両ポケットにあり)
脇の通気孔
金属製ハトメで2個
袖口
もしかしてレッドのニットだったのでしょうか?
ジッパー
お馴染みの「TALON」ニッケル?
リアルマッコイズにそっくりです!
(こちらがオリジナル!)
襟のボタンダウン用ファスナー
襟のフック
日本のモデル品は、本当によく官給品を再現しているのがわかりますね。
わかりづらいですが、ANの検査スタンプがこんな所に押してあります。
何かのスタンプ
タグの縫製跡
元の持ち主が記入した文字
元の持ち主の名前と認識番号
士官のようです。
パイロットだったのでしょうか?
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3 その特徴とは?
薄くしなやかな、でも丈夫なホースハイド(馬革)で造られていますね。
その薄さには、本当に驚きました!
(しばらく言葉にできませんでしたよ!)
前合わせはジッパーで着脱を容易にしています。
袖や裾にはニットを配して、防風対策は万全ですね。
襟も強い風でばたつかないよう、ダットファスナーでボタンダウンできますよ。
ライニングはコットンですが、パイロットによってはレッドシルクに張り替えた例もありますね。
(当時は、カスタムがOKだったのですね。)
このモデルは、ラセットブラウンという、やや赤みがかったブラウンです。
モデルによっては黒に近いシールブラウンという色もありました。
全般的には、とても70年以上も前の製品とは思えないくらい洗練されたデザインが特徴ですね。
勿論、現在でも問題なく着用できますよ!
大切に保管すれば、100年以上状態を保てるようです。
4 製造とサイズのデータです!
製造年・契約年度 1940年代
製造場所 アメリカ
契約会社 アメリカ
製造会社 〃
材 質 ホースハイド
コットン
ウール
表記サイズ 42
(日本人のL)
各部のサイズ(平置)
着丈 約62cm
肩幅 約49sm
身幅 約57cm
袖丈 約64cm
状 態 中古良品
官民区分 官給品
入手方法 ヤフオク
入手難易度 4(極めて困難)
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5 まとめ
国産の高級モデル品は、その殆どが一番上等な部位を使って、丁寧に造られていますね。
均質な質感のレザーなので、高級感があり普段着には最高でしょう。
でもやはり、あくまで「モデル品」なんですね。
当時の官給品は、「とりあえずレザーならどの部位でも無駄なく使用する」ことに徹しているので、パーツ毎に皮革の状態が大きく違っていますね。
(そういう意味では、官給品に比べたらモデル品は迫力で三歩劣るような気がします。)
このジャケットを入手して痛感しました。
私は貧乏な小心者なので、このジャケットを普段着用することはありませんが、何かのイベントに参加する機会があったらぜひ着てみたい一着ですね。
(おそらく、実物を知らない方は、その革の薄さに驚くと思いますよ。)
タグは紛失していますが、これからも大切にしたいですね。
(普段使いには、モデル品を着用します!)
ところで、映画「メンフィスベル」の影響でしょうか?
A–2は、パイロットやナビゲイター(航法士)などの士官しか着用できないと言う説がまかり通っていますね。
でもこれは誤りで、下士官でも着用できたようです。
以下の画像は、実際に当時の「メンフィスベル」搭乗員が表彰されている写真です。
下士官を含めた全搭乗員が着慣れたA-2を着用していますね。
つまり、パイロットのみならず機銃手や通信手でも、作戦時の気温や行事によってはA-2を着用することができるということです。
(映画メンフィスベルでも、機上整備士はA-2でしたね。)
逆にパイロットやナビゲイターなどの士官でも、高高度ではB-3を着用していましたよ。
(あなたは巷に流布されている、偽情報には惑わされないようにしましょうね。)
参考:The Memphis Belle: A Story of a Flying Fortress - YouTube
今回は、アメリカの有名なレザーフライトジャケットA-2を分析しました。
いやー軍装品って、本当に素晴らしいですね!
それでは、また次回をお楽しみに!
(20240116更新)
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参考:第二次大戦中に活躍したフライトジャケットに関する記事はこちらです。⬇︎
1980年代に再支給されたA-2に関する記事はこちらです。⬇︎
✳︎ ✳︎ ✳︎
ところであなたは「頭上の敵機」という映画、観たことありますか?
主演グレゴリーペック。
第二次大戦中のイギリスに駐屯するアメリカ軍の爆撃機部隊を、立て直す指揮官を描いた素晴らしい映画でした。
(副官が最高に素敵でしたね!)
この映画が封切られたのが1950年代だったので大戦中の機材が多く残っていたのか、驚くことにB–17も実機を胴体着陸させてましたね。
しかも俳優さんの衣装も、その殆どが当時の官給品でしたよ!💕
(残念ながら、主役のペックが着ていたジャケットは衣装でしたが…😅)
その映画で、指揮官に横柄な態度を取る飛行隊長が着ていたA-2ジャケットが、とてもカッコ良かったのを覚えています。
A-2の着こなしや部隊指揮の参考として、ぜひご覧ください。
(現役自衛官や海上保安庁のあなたにもおすすめの映画です!)
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読んでいただき、ありがとうございました。
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