今回は、1980年代のアメリカ空軍レザーフライトジャケットを分析します。
かつての(現在も健在?)有名な業者が輸入したものですね。
タグが官給品に近いタイプになります。
中古品ですが、程度は良好ですよ!
目次
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1 アメリカ空軍レザーフライトジャケットA-2(クーパー社製輸出モデル)とは?
第二次大戦前に前作A-1から改良されアメリカ陸軍航空隊に採用されたA–2。
主にホースハイド(馬革)を使用していたため、量産に不向きでした。
また軽く強度のあるナイロンの登場、コットン製フライトジャケットの発達などで大戦後は廃止されましたね。
それが紆余曲折を経て突如復活したのが1987年でした。
しばらくして日本にも大量に輸入されて大人気になったのは記憶に新しいところです。
この当時輸入されたA-2には、大きく3つのタイプがありました。
それは
- オレンジタグのついたモデル(民生品)
- 官給品
- 官給品類似のタグがついたモデル(民生品)
の3種類でしたね。
今回のモデルは、③のモデルになります。
前回分析したのは①のモデルでしたが、そもそも同じ民生品ながらどこが違っているのでしょうか?
今回は、アメリカ空軍装備マニアのみならず、「A-2は似合わない」と断言するなたと一緒に、確認していきましょう!
2 全体及び細部写真です!
前面
背面
一枚革ですね。
以前分析したモデル背面
脇下のレザーが左右で継ぎ足されていますね。
前面裏側
胸にマジックテープを縫い付けたステッチはありません。
ということは、レザーに直接縫い付けてあるのですね。
背面裏側
襟周りレイアウト
前合わせはジッパーと…
襟元のホックです。
襟はダットファスナーで留めることができます。
(バタつき防止)
タグ
前回分析したモデルのタグ
白いタグ最下段の数字が一部違っていますね。
エポレット
両端は縫い付けられています。
腰ポケット
ダットファスナーで開閉
ジッパーのプルタブ
メーカーは「IDEAL」
右胸の部隊パッチ(ワッペン)用マジックテープ
グリーンは面白いですね。
左胸のネイムタグ用マジックテープ
袖
テーパー付き
袖ニット
二段織りです。
脇の通気孔
金属製ハトメ2個
裾ニット
後付けの業者タグ
ランドリーマークがあるのでお安くクリーニングできますね。
メーカータグ
輸出用モデル?
材質表記タグ
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3 その特徴とは?
レザーは柔らかいゴートスキン(山羊革)で、よく鞣(なめ)されています。
レザージャケットによくあるガチガチの硬い印象はなく、最初から身体にフィットしています。
腕の曲げ伸ばしも、全く抵抗がありません。
皮革の仕上げなどでも変わってきますが、カウハイド(牛革)より軽量ですね。
ほぼ全面にコットンポリエステル混紡のポプリン製ライニングがあります。
デザインは、エポレット付き、腰ポケット×2で、内ポケットはありません。
襟元にホック、袖と裾にはニットを配しています。
全体的な縫製は、とても丁寧かつ正確で、高い技術で仕立てられていますね。
4 製造とサイズのデータです!
製造・契約年度 1980年代
製造場所 アメリカ
契約会社 アメリカ
製造会社 〃
材 質 ゴートスキン
コットン
ポリエステル
ウール
表記サイズ 38
(日本人のL)
各部のサイズ(平置)
着丈 約60cm
肩幅 約47cm
身幅 約55cm
袖丈 約60cm
状 態 中古上品
官民区分 民生品
入手場所 名古屋の専門店
入手難易度 1(容易)
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90s USA製 クーパー COOPER A-2タイプ ゴートスキン レザー ジャケット 古着 ★ メンズ Lサイズ相当 ブラウン
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5 まとめ
ほぼ同じ時期に輸入された同じメーカーの製品なのに、3種類もあるのが面白いですね。
今回のモデルは、当初から胸に各種パッチ貼り付け用のマジックテープが縫い付けられていました。
また背中も一枚革で官給品仕様であることから、もしかしたら基地のPXなどで販売されていたモデルかもしれませんね。
(背中の革継についは、官給品でも大きいサイズなら許されていたようですが…。)
それはともかく、このジャケットも秋から冬に使えるジャケットですよ。
ところで、現在一部のA-2オーナーで「A-2は日本人に似合わない!」と言う意見が取り上げられることがあります。
身長が高く、全体的に細みの外国人が最も似合う…そう考えている方がいるようですね。
確かに、今回のモデルを含め、大戦中からのA–2を着ている兵士の写真を見ると、とてもカッコイイです。
でも、「カッコイイ写真に憧れA-2を購入して着てみたが、何か違和感を感じた。」
「なんか納得いかない…。」こんな感じでしょうか?
大枚叩いて買ったのに、今ひとつしっくりこない…これはある意味当然です。
レザージャケットは、他の素材のジャケットよりも、自分自身で育てる要素が大きいからですね。
大切なジャケットだから「彼女とのデートのみ着ている!」…それではジャケットは育ちません。
大戦中にA-2を支給されたパイロットやクルーは、作戦中はずっと着用していました。
それどころか、部隊に帰還しても、休日の日でも、あるいは敵の奇襲を受けた時も、文字通り四六時中着ていました。
そんな生活が長ければ何年も続くのです。
その結果が「カッコイイ」写真、つまり「自分のA-2」になるのですね。
つまりあなたのA-2は、着用している時間が短すぎるのです。
また、A-2が生まれたアメリカは、いわゆる人種のるつぼであり、必ずしも全員が北欧人のように長身で細身なわけではありません。
(俳優トム・クルーズ、ダスティン・ホフマン、アル・パチーノの身長を調べてみてください。)
中には私のようにずんぐりむっくり体型もいたはずです。
(メタボとも言います。😓)
でも華麗にA-2を着こなしていますね。
それは自分のサイズに合ったA-2を着用しているからに他なりません。
上の写真でも、クルーの何人かは、かなりタイトに着こなしていますね。
でも、現在の日本のファッションはルーズフィットが基本。
なんでもかんでも大きめ、余裕あるサイズがもてはやされていますね。
あなたのA-2も、着ると余裕がありませんか?
でもA-2(を含めたレザーフライトジャケットの多く)にルーズフィットは禁物です。
何故なら、タイトなA-2を着用することで、A-2自身が自分の体型に合ってくるからですね。
まとめると、
「自分にピッタリ(ややタイト気味)のA-2を、何日も(場合によっては何年も)着用する!」
これがA-2を育てる方法です。
自分に似合うA-2を作る方法です。
今「え〜!」と思ったあなた!
気持ちはわかります。
モデルによっては一着20万円くらいするので、それを四六時中着るのには抵抗があるでしょう。
(そんな高価な衣料品に、カップラーメンのスープやパスタのミートソースをつけるわけにはいきませんよね!)
でもそうしないと、自分のA-2は完成しませんよ。
勇気を出して、この冬(秋からでも)は手持ちのA-2を長期間着倒してみましょう!
幸い今回のモデルは革も柔らかいので、より早く「自分のA-2」を短時間で作れる可能性があります。
大手通販サイトでも取り扱っているので、いつでも誰でも入手可能というのも嬉しいですね。
今年の冬は、あなたもぜひ「自分のA-2」を追求してみてください!
今回は、1980年代に日本へ輸出されたアメリカ空軍レザーフライトジャケットのモデル品を分析しました。
いやー、レザーフライトジャケットって、本当に素晴らしいですね!
それでは、また次回をお楽しみに!
(20231116更新)
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参考:他のレザーフライトジャケットA-2に関する記事はこちらです。⬇︎
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読んでいただき、ありがとうございました。
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