今回は、1960年代のフランス軍迷彩服を分析します。
以前分析したモデルですが、カスタム化していない、「プレーン」なモデルですよ!
しかも迷彩はやや濃い色調のタイプですね。
時代を考えると、程度は良好です!
目次
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1 フランス陸軍M47迷彩ジャケット(リザード迷彩)とは?
フランスは、先進国の中でも数少ない「外人部隊(フランス外国人部隊)」を運用している国です。
元々ヨーロッパには、スイスをはじめとして傭兵文化がありましたが、フランスにおける外人部隊のルーツはナポレオンの戦争まで遡ります。
ナポレオン率いる当時のフランス軍は、言わば国民軍そのものでした。
兵士は、国民から構成されていたのですね。
(今では常識ですが、当時は画期的な事でした。だからナポレオンは強かったという説もあり。)
しかし度重なる戦争で多くの国民を失ったフランスは、国軍の一部を外国人の傭兵に任せるようにな離ました。
いかにも個人を大切にするフランスらしい考え方ですね。
以降、アルジェリア、インドシナ、湾岸戦争でも、ずっと外人部隊を使用し続けています。
お金で雇われた兵隊が危機に陥ったとき、真っ先に逃げ出すことは、これまでの歴史が証明しています。
(湾岸戦争前イラク軍クェート進行時のクェート外人部隊がそうでしたね。)
フランスは大丈夫なのでしょうか?
それはともかく、外人部隊は勇猛果敢、怖いもの知らずで有名です。
反面、入隊時の経歴は問われないらしく、一昔前は犯罪者のルツボ…なんて言われていましたね。
そんな雰囲気を反映してか、フランス本国で廃止になった迷彩服が、外人部隊に優先して支給されたりしました。
(現在はフランス陸軍全体で迷彩服が使用されています。)
そんな迷彩服の一つが今回のモデルです。
原型は、1947年採用のフランス軍単色ジャケットですね。
さてささて、どんな迷彩ジャケットなのでしょうか?
今回は、フランス軍リザード迷彩服マニアのあなたと一緒に、確認していきましょう!
2 全体及び細部写真です!
前面
今回のモデルは、迷彩生地の褪色が、あまり進んでいませんね。
背面
相変わらず素晴らしい迷彩ですね。
前面裏側
胸の四角いカーキの生地は、胸ポケットの生地です。
内ポケットはありません。
背面裏側
ウエストのドローコードは、迷彩生地とは別の生地でカバーされています。
前合わせはボタンのみです。
サイズタグ
他メーカーを示すスタンプはありませんでした。
エポレット
テーパー付きのクサビ型です。
胸のスラッシュポケット
ボタンで開閉
ポケットフラップ裏側とボタンループは別生地で作られていますね。
腰のパッチポケット
2個のボタンで開閉
ポケットフラップ裏側とボタンホール部分は胸ポケットと同じですが…
腰ポケット内側の底部は、丈夫な麻生地で補強されていますよ。
胸の部分と背中上部は
生地が二重になっています。
袖はストラップとボタンで調整できます。
ヨーロッパものに多い処理ですね。
襟はチンストラップでスタンドカラーになります。
前身頃のボタンホールは、別生地で補強されています。
アメリカ軍M43フィールドジャケットのようですね。
ウエストのドローコード
迷彩生地は、ヘリンボーンツイル(にしんの骨織:杉綾織)です。
迷彩パターン
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3 その特徴とは?
迷彩は、1950年代にフランスが採用した通称「リザード:トカゲ」迷彩です。
ベース色は数種類ありますが、今回のモデルはライトグリーンがベースで、グリーンとレッドブラウンを刷毛(ブラシ)で荒々しく塗ったようなパターンを描いています。
また、グリーンとレッドブラウンが重なるところは、マホガニーブラウンになっていますよ。
(これで4色迷彩ですね。)
いつ見ても、素晴らしい迷彩です!
(書道にも通じるものがあるのでしょうか?…何故か心惹かれます。←変態ではありません。)
デザインは、M47ジャケットと大きく変わりません。
構成は、エポレット付き、胸ポケット×2、腰ポケット×2で、ウエストにはドローコードがあります。
(…よく考えてみると、M47のデザインは、大戦中のアメリカ軍女性用フィールドジャケットに似ていますね。参考にしたのでしょうか?(私見))
このジャケットもそうですが、腰ポケット内側の底に、丈夫な麻生地を縫い付けてあります。
これは、重量物や尖ったものを遠慮無く入れられるので良い工夫ですね。
(アイロン当てにくい…とか、かさばる…なんて悪い感情は持たないようにしましょうね。)
全体的な縫製は、フランス軍らしい丁寧で正確な仕立てです。
4 製造とサイズのデータです!
製造・契約年度 1960年代
製造場所 フランス
契約会社 フランス
製造会社 〃
材 質 コットン
麻
表記サイズ 26
(日本人のL)
各部のサイズ(平置)
着丈 約77cm
肩幅 約46cm
身幅 約60cm
袖丈 約58cm
状 態 中古極上品
官民区分 官給品
入手場所 大阪の専門店
入手難易度 2(やや困難)
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5 まとめ
アルジェリアやインドシナで活躍した同じくリザード迷彩の空挺スモックは、とても人気があって現在でも高値で取引されています。
でも今回のモデルは、それに比べると人気がないですね。
デザインも比較的オーソドックスですし、大人しい雰囲気なのが原因のようです。
でも、安価で入手し易いことから、リザード迷彩の入門用にちょうど良いですね。
迷彩効果は定評があります。
サバイバルゲーム、狩猟、野鳥観測にも充分使用できます。
フランス軍の小銃(安全装置の付いていないモデル)や短機関銃…の無可動実銃をお持ちの方は、ヒストリカルゲームで外人部隊を演じることができますよ。
現在では、おそらく中古品しかないので購入する場合はサイズと程度をよく確認しましょう。
また、本当に当時の外人部隊が使用していたジャケットは、着丈を詰めたりカスタム化してある場合が多いです。
過去記事:フランス陸軍外人部隊カスタム迷彩ジャケット(M47タイプ)
注意しましょう!
今回は、フランス軍のリザード迷彩M47ジャケットを分析しました。
いやー軍装品って、本当に素晴らしいですね!
それでは、また次回をお楽しみに!
(20240311更新)
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参考:その他のフランス軍迷彩服に関する記事はこちらです。
M47ジャケットの単色モデルに関する記事はこちらです。⬇︎
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読んでいただき、ありがとうございました。
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