今回は、1980年代のスイス軍マウンテンジャケットを分析します。
1990年くらいには日本にも多く輸入されてましたね。
ポケットが多くて機能的なジャケットです。
偶然見つけたデッドストックですよ!
目次
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1 スイス陸軍山岳兵用マウンテンジャケット(OD)とは?
現代のように迷彩服が普及する以前は、各国軍とも単色の衣類を支給していました。
特に戦後は、カラーこそオリーブドラブ、オリーブグリーン、セージグリーンなどのグリーン系主体でしたが、デザインは、大きくアメリカ系、イギリス系、ソ連系、フランス系、ドイツ系に分かれていましたね。
今回のスイス軍マウンテンジャケットは、どちらかと言えばフランス系と言えるものです。
日本へは山岳兵用ということで入荷していましたよ。
初めて私が見かけたのは名古屋の専門店だったのですが、なんと次の週には既に全て売り切れていて購入できなかった…という人気のアイテムです。
(名古屋だけかもしれませんが…欲しい時が買う時なんですね…😞)
今回のモデルは、後に同じ店で偶然入手した物です。
さてさて、それはどんなジャケットなのでしょうか?
今回は、スイス軍装備マニアのみならず、ファッションリーダーのあなたと一緒に確認していきましょう!
2 全体及び細部写真です!
前面
シックなカラーと大人しいデザインですね。
背面
前面裏側
生地色がシェルに近いのでよくわからないですが、裏側ほぼ全面にライニングがあります。
背面裏側
うなじには簡易フードがありますが、格納する場所はありません。
(背中に折り畳まれているだけです。)
襟周りレイアウト
襟はジッパーで立てることができます。
前合わせはジッパーと ダットファスナー。
うなじの小さいサイズタグ。
メインタグ
エポレット
テーパー付きのクサビタイプです。
胸ポケット
2個のダットファスナーで開閉。
腰ポケット
こちらは3個のダットファスナーで開閉。
袖
テーパー付。
肘の補強生地
三角形の三辺を切り取ったような六角形。
袖口はボタンで調整可能。
ダットファスナーの表面(OD塗装)と裏面の刻印
初期生産品のダットファスナー
中央部がより突出しているタイプ。
(別の個体から撮影)
ダットファスナー凹部
無刻印
こんな刻印の例もあり。
(初期生産品。別の個体から撮影)
ダットファスナー凸部はニップルタイプ
ジッパー
刻印は「riri」
差し込み部はプラスティックでしっかり補強。
ヨーロッパでよく使用されている「OPTI」使用のモデルもあり。
(初期生産品・別個体から撮影)
左袖のボタン
アームバンド用でしょうか?
ODのプラスティック製。
初期生産品はグリーンのプラスティック製。
ボタンのアップ
イギリス軍系の皿型ですね。
初期生産品のボタン。
カラーは違っていますが形状は同じですね。
胸内ポケット
左のみです。
マジックテープで開閉。
開放をサポートするプルタブあり。
腰内ポケット
左右にあります。
マジックテープで開閉。
ウエストのドローコード
出口には金属製のハトメ付。
前身頃裏側の救急包帯入れ
ボタンで開閉。
少し前のスイス軍装備ではお馴染みですね。
現在では携帯電話入れになるでしょうか?
初期モデルもデザインは同じでした。
(別個体から撮影)
裾のドローコード
背中裏側についているストラップは…
前身頃裏側のボタンと合わせて使用するテイルピースでした。
股間を通してボタン留めし、裾の捲れ上がりを防ぎます。
フード
そのまま内側に織り込まれ、他国のように格納する場所はありません。
フード前面
フード背面
フード側面
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3 その特徴とは?
生地はグレイがかった独特のオリーブドラブで、どちらかというとドイツ軍に近いですね。
コットンとポリエステルの混紡サテンで、軽量ながら防風性能が高いです。
デザインは、フランスの軍服 】陸軍空挺スモックに似ていますが、より簡素にして着丈を長くしたイメージです。
構成は、エポレット付き、胸ポケット×2、腰ポケット×2のコートタイプですが、内ポケットが合計4個もあります。
これ1着でかなりのポケット容量ですよ。
面白いのは、前身頃裏側下部にある救急包帯入れですね。
(昔のウール製制服から続いている装備ですね。)
あと、裾の捲れ上がり防止のために、股間に通すストラップがありますよ。
(イギリス軍のフライトジャケットやデニソンスモックのようですね。)
全体的に丁寧な作りですが、縫製やダットファスナーの取り付けには、少々粗いところがあるようです。
4 製造とサイズのデータです!
製造・契約年度 1980年代
製造場所 スイス
契約会社 スイス
製造会社 〃
材 質 コットン
ポリエステル
表記サイズ 52
(日本人のXL)
各部のサイズ(平置)
着丈 約83cm
肩幅 約52cm
身幅 約64cm
袖丈 約61cm
状 態 デッドストック
官民区分 官給品
入手場所 名古屋の専門店
入手難易度 2(やや困難)
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5 まとめ
実際に着用してみると、着丈は長いですが軽量で、しかも風をしっかり防いでくれますよ。
また腰の内ポケットが意外に便利で、使い勝手が良いですね。
ただ着丈が長い分、バイクなどでは少々煩わしいところがあります。
カラーも落ち着いているので「軍物は好きだけど、普段着に迷彩は…」と考えるあなたにぴったりです。
一頃は各ショップに未使用のデッドストックが溢れていましたが、さすがに2000年以降は、中古品でもなかなか見かけなくなりましたね。
でもよく似たデザインから、場合によってはイタリア軍のマウンテンジャケットとして販売されている場合もあるかもしれません。
(識別点は生地や ダットファスナーのカラーです。)
まだコレクションしていないあなたは、気長にそして根気よく探してみましょう。
(かろうじて中古品なら大手通販サイトで取り扱われるようになりました!)
私は、デッドストックの50サイズを探してみます。
今回は、スイス軍のシックなマウンテンジャケットを分析しました。
いやー軍装品って、本当に素晴らしいですね!
それでは、また次回をお楽しみに!
(20241210更新)
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参考:今回のモデルが参考にした思われるフランス軍空挺スモックに関する記事はこちらです。⬇︎
その他のスイス軍装備に関する記事はこちらです。⬇︎
各国軍の防寒服に関する記事はこちらです。⬇︎
各国軍の単色装備に関する記事はこちらです。⬇︎
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読んでいただき、ありがとうございました。
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