今回は、1950年代のフランス陸軍山岳兵用アノラックを分析します。
軍のみならず民間でも昔から使用されている一種の防寒用衣類ですね。
何故か日本では大人気で、忠実なモデル品も製造されていますよ。
中古品で破損や修理もありますが、迫力のある一品です!
目次
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1 フランス陸軍山岳兵用アノラック(OD・2種)とは?
一説にはエスキモーの衣類であるとされるアノラック。
特徴は、プルオーバー(頭からかぶる衣類)、フード付き、胸ポケットでしたね。
他の衣類のように前合わせがなく、より保温性(場合によっては耐水性)に優れているため、昔からスキーや登山などで使用されてきました。
最近では撥水加工された化繊製で、折り畳むと文庫本サイズになるとてもコンパクトなモデルも市販されていますね。
勿論、多くの国の軍隊でも使用されていましたよ。
今回のモデルは、かつてフランス陸軍の山岳兵に支給されていたアノラックになります。
オーソドックスな造りながら、独特の工夫もありますね。
さてさて、それはどんなアノラックなのでしょうか?
今回は、フランス軍装備マニアのみならず、寒候期のファッションアイテムをお探しのあなたと一緒に、確認していきましょう!
2 全体及び細部写真です!
アノラックA(大きいサイズ)
前面
別モデルより、明らかに着丈が長いですね。
背面
前面裏側
背面裏側
フード周りレイアウト
タグ
胸ポケット
ボタンで開閉
腰ポケット
こちらもボタンで開閉
左腰ポケットには、アメリカ軍の13星金属ボタンが!
真新しいので、払い受けた業者さんが取り付けたのかも。
ウエストのドローコード
前面に露出しています。
袖
立体裁断でテーパー付き
袖口
マチ付きでボタンで開閉
袖ボタン1個紛失していました。
背面裾裏側のテイルピース
前面裾裏側
テイルピースはこのボタンに取り付けます。
裾のドローコードはカーキ
デニソンスモックのようにテイルピースは股間を通して留めます。
これは裾の捲れ上がりを防止するもの。
(同時に裾ドローコードも使用)
フード前縁のドローコード
フードのダットファスナー
フードの容積を変えられます
フードにはナンバリングが。
穴や綻びがあったのか、一部修理されていました。
アノラックB(通常サイズ)
アノラックAに比べてやや小さいサイズ
前面
縫い糸が白っぽく褪色していますね。
(これはこれでお洒落でしょうか?)
背面
前面裏側
背面裏側
フード周りレイアウト
胸ポケット
アノラックAより古いタイプのボタン
腰ポケット
胸の穴
これは後付けの階級章用マジックテープを取り外した跡ですね。
(後日再度マジックテープを縫い付けたいですね。)
ウエストのドローコード
袖
テーパー付
フードのダットファスナー
テイルピース
テイルピース用ボタンと裾のドローコード
アノラックAとBのサイズ比較
フードの付け根で合わせています。
大きくサイズが違っていますね。
(生地色も僅かに違っています。)
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3 その特徴とは?
生地はODのコットンポプリンで、軽量で緻密に編まれていることから、防風性能が高いです。
時代や製造会社によって、生地の色調やパーツにバリエーションがありますね。
デザインは、フード付き、胸ポケット×2、腰ポケット×2で、ウエストと裾にはドローコードが装備されています。
面白いのは、背面裾裏側に小さなテイルピースがあるところです。
また、フードの容積をダットファスナーで変えることができますよ。
全体的な縫製は、少々雑ですが強度は充分ですね。
今回は中古品で、破損や修理の跡があります。
中古品で程度の良いものは少ないですね。
4 製造とサイズのデータです!
製造・契約年度 1950年代
製造場所 フランス
契約会社 フランス
製造会社 〃
材 質 コットン
表記サイズ アノラックA
46
(日本人のXXL)
アノラックB
不明
(日本人のL〜XL)
各部のサイズ アノラックA
着丈 約93cm
肩幅 約60cm
身幅 約66cm
袖丈 約60cm
各部のサイズ アノラックB
着丈 約72cm
肩幅 約59cm
身幅 約67cm
袖丈 約55cm
状 態 中古並品
官民区分 官給品
入手場所 大阪の専門店
入手難易度 3(困難)
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5 まとめ
今回のアノラックは、これ自体に保温能力や防寒性能が付加されているものではありません。
フィールドジャケットなどの防寒着の上に着用する「最後の一枚」ですね。
(アメリカ軍が装備していたM51やM65シェルパーカーみたいな位置付けです。)
気温や場合によっては、制服や戦闘服の上にも「ちょっとした防寒着」として着用されることもあったようです。
でも現在では、迷彩(CCE迷彩など)のパーカーなどが主流となって、OD単色のアノラックは使用されなくなりましたね。
数多くの払い下げ品が出回っているのもそのためです。
逆に身体にフィットしたODアノラックは、寒候期のファッションアイテムとしては最適かもしれませんね。
日本で大人気なのも、そんなところに価値を見出して購入されているのかも。
(プルオーバーは少々面堂ですが…。)
ところで今回のモデルは、1980年代には普通にデッドストックが入手できましたが、当時から値段は高くて買えませんでしたね。
(コスパを考えると、躊躇してしまう状態でした。でも購入しておけばよかったと後悔して今ます。)
現在は品薄になって、ボロボロの中古でも価格がとんでもない高額になっていますよ。
でもマニアのあなたには、ぜひ官給品を購入して欲しいですね。
(やはりオークションが少々お安いです。)
マニアでないあなたには、忠実なモデル品がおすすめです。
嬉しいことにオフホワイトのモデルがあって、自分色に染めることも可能ですよ。
(勿論、ODやブラックもあります。)
購入する場合は、よく実寸を確認しましょう。
(サイズも官給品に合わせて製造されているので、かなり大きいようです。)
今回は、古いフランス軍の山岳兵用アノラックを分析しました。
いやー軍装品って、本当に素晴らしいですね!
それでは、また次回をお楽しみに!
(20240214更新)
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参考:アノラックの後継モデルに関する記事はこちらです。
他軍のアノラック型衣料品に関する記事はこちらです。⬇︎
他のフランス軍装備に関する記事はこちらです。⬇︎
各国軍の防寒装備に関する記事はこちらです。⬇︎
各国軍の単色衣類に関する記事はこちらです、⬇︎
✳︎ ✳︎ ✳︎
読んでいただき、ありがとうございました。
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