今回は、1990年代のフランス空軍難燃フライトジャケットを分析します。
数年前、とある老舗SHOPのカタログでこのジャケットの新品が販売されているのを見て気になっていました。
当時は高価で購入できませんでしたが、今回やっと中古品を入手できました!
使用に伴う破損がありますが、希少な一品ですよ!
目次
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1 フランス空軍難燃フライトジャケット(ダークグリーン・ライナー付)とは?
フランス空軍といえば、以前からパイロットには専用のフライトジャケットを支給していました。
その種類としては、
- レザージャケット
- コットンジャケット
の2種類がありましたね。
当ブログでも、いくつかフランス空軍のフライトジャケットを取り上げましたが、いよいよ難燃繊維製モデルの登場です。
でもこの年代のユーティリティーサービスジャケットにも似たデザインであることから、フランス軍物には間違いないのですが、今一つ正体がはっきりしません。
それまでアメリカ軍フライトジャケットの影響を強く受けていましたが、新たにフランス独自デザインを取り入れ始めたようです。
さてさて、それはどんな難燃フライトジャケットなのでしょうか?
今回は、フランス軍パイロット装備マニアのみならず、フライトジャケットコレクターのあなたと一緒に、確認していきましょう!
2 全体及び細部写真です!
前面
背面
前面裏側
裾付近にはライナーを取り付けるためのマジックテープあり。
背面裏側
ライナー用マジックテープは背面にもあります。
襟周りレイアウト
襟はアメリカ軍フライトジャケットやパイロットスーツと同様の丸襟。
超音速時の緊急脱出が考慮されている?
前合わせはジッパーのみ。
タグ
メーカータグ
内ポケット
アメリカ軍MA-1のように左右にあります。
ポケット内側の記事はライニングと同じ。
前面裏側裾付近のライナー用マジックテープ
前面に二枚、背面に一枚ライナー用のマジックテープあり。
ライナーのプリーツ
裾裏側
裾のギャザー
ニットではなく、シェルの生地でゴムテープ内蔵。
裾裏側
袖もニットではなくシェル生地のギャザー。
ただしギャザー部分は別パーツ。
前面前合わせ付近にはV字型のプリーツあり。
左胸のポケット
ずっと用途不明でしたが、このフラップに階級章を取り付けた例がありました。
深いポケットと浅いポケットがあります。
V字型プリーツには胸ポケットが隠されていました。
左右にあります。
ジッパーで開閉。
ジッパーは「YKK」
フランス軍物でこれは珍しいですね。
ポケット内側生地はライニングと同じ。
腰ポケット
ダットファスナーで開閉。
やはりポケット内側生地はライニングと同じでした。
フロントのジッパーは「YKK」
ダットファスナー表面
黒染めされていたはずですが、殆ど落ちていました。
腰のギャザー
ニットではなく難燃繊維のギャザー。
よく見るとギャザーの部分は別パーツですね。
袖
テーパー付。
斜めに走る生地は珍しいですね。
(立体裁断?)
袖口は何かに引っ掛けたような破損あり。
袖口のギャザーはゴムテープ(ゴムバンド)を内蔵。
生地が弱いのか両袖とも先端が擦り切れています。
勿論袖口ギャザーも別パーツ。
左袖ポケット
ペン用ですね。
マジックテープで開閉。
背面中央のプリーツ
なるほど、これなら一つで無問題ですね。
ライナー
前面
袖のないベスト型ですね。
背面
前面裏側
背面裏側
ライナータグ
ジャケットのサイズと同じですね。
ライナーのマジックテープ
ライナーのジッパーも「YKK」
ODの塗装。
ライナー装着時
前面裏側
背面裏側
左脇腹裏側にはジッパーで開く小ポケットが!
これはもしや?
中はオレンジ色のものが!
中には、蛍光オレンジのレスキューベストが格納されていました。
ベスト前面
Vネックですね。
ベスト背面
フリーサイズで裾左右にはブラックのゴムテープあり。
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3 その特徴とは?
シェルは、ダークグリーンに染められた難燃繊維とビスコースの混紡ギャバジン(?)で薄いですが防風性能が高そうです。
このダークグリーンは、フランス軍パイロットスーツのカラーにとても似ていますね。
デザインは、エポレットなし、胸ポケット×3、腰ポケット×2、内ポケット×3ですが、配置は独特。
特に前見頃のV字(逆ハの字)に胸ポケットを配置しているのは、何か特撮ヒーローものの衣装になりそうな素敵なデザインですよ!
1990年代のフランス陸軍ユーティリティーサービスジャケットとの共通点が見受けられます。
デザイン比較
今回のモデル
1990年代陸軍ユーティリティーサービスジャケット
特筆すべきは、袖と裾のギャザーですね。
これまでのフランス軍フライトジャケットのようにニットではなく、ゴムテープを難燃生地で包んだ面白いデザインになっていますよ。
おそらく内袖がニットで破損が多かったための対抗措置だと思われますが、難燃生地が意外に弱かったようです。
そのため今回のモデルも、袖口が擦り切れて破損し、内部の白いゴムテープが見えています。
…それがわかっていたのか、袖及び裾のギャザーは、そっくり交換できるように別パーツになっていますね。
全体的な縫製は、やはり丁寧かつ正確でフランス軍スタンダードの上質な仕立てです。
4 製造とサイズのデータです!
製造・契約年度 1990年代
製造場所 フランス
契約会社 フランス
製造会社 〃
材 質 難燃繊維
ビスコース
表記サイズ 96M
(日本人のL)
各部のサイズ(平置)
肩幅 約49cm
身幅 約61cm
着丈 約62cm
袖丈 約58cm
状 態 中古並品
官民区分 官給品
入手場所 福岡の古着屋
入手難易度 3(困難)
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5 まとめ
どこかアメリカ軍の影響を受けていたそれまでのフランス軍フライトジャケットとは、一線を画したデザインが面白いですね。
丸襟で難燃繊維製というのも実戦的です。
ライナーが付属しているので、対応できる気温帯も幅広いのもありがたいですね。
ただ生地の弱さがネックのようです。
袖や裾のパーツが入手できれば無問題なのですが、困難かもしれません。
製造業者がギャザーの予備パーツを販売してほしいですね。
(同じモデルでギャザーをウールニットに替えて販売されてるものも確認していますが…。)
それはともかく、今回のモデルは現在のところやはり入手困難品です。
それでも比較的新しいフライトジャケットなので、これから払い下げが本格化すると、数も出回ってくるかもしれませんね。
フランスに期待して、待ってみましょう!
私は、同モデルのデッドストックを探してみたいと思います。
今回は、1990年代のフランス空軍難燃フライトジャケットを分析しました。
いやー軍装品って、本当に素晴らしいですね!
それではまた、次回をお楽しみに!
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参考:フランス軍のフライトジャケットに関する記事はこちらです。⬇︎
他のフランス軍装備に関する記事はこちらです。⬇︎
各国軍のフライトジャケットに関する記事はこちらです。⬇︎
各国軍の防寒装備に関する記事はこちらです。⬇︎
各国軍の単色衣類に関する記事はこちらです。⬇︎
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読んでいただき、ありがとうございました。
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