今回は、1990年代のイタリア海軍防寒デッキジャケットを分析します。
一見、軍用衣類に見えないのが特徴です。
でも、このデザインには重要な機能がありました!
中古品ですが程度は良好ですよ!
目次
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1 イタリア海軍防寒デッキユニフォーム(1990年代)とは?
大戦中はパッとしなかったイタリア軍でしたが、戦後は軍備を強化してNATOの中核をなすようになりましたね。
しかし、戦後間も無くは他国のようにアメリカ軍装備やまたはそれを参考にして開発した衣類などを支給していましたよ。
当ブログでもこれまで、アメリカ軍M43フィールドジャケットの影響を受けた、サンマルコ海兵団のジャケットなどを分析してきましたね。
今回は海軍の防寒デッキジャケットになります。
当初、アメリカ軍のN-1デッキジャケットを参考にしたジャケットを製造・支給していました。
かつてのイタリア海軍デッキジャケット
(N-1タイプですが、着丈が長い後期型ですね。)
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しかし、近年では大きくモデルチェンジした新型の防寒デッキジャケットを採用しています。
今回のモデルでは、近年のイタリア海軍防寒デッキジャケットになります。
ネイビーブルーを基本に、オレンジ色を配した独特のカラーリングが魅力ですね。
さてさて、それはどんな防寒デッキジャケットなのでしょうか?
今回は、イタリア海軍装備マニアのみならず、ファッションリーダーのあなたと一緒に、確認していきましょう!
2 全体及び細部写真です!
ジャケット
前面
オレンジ色の肩や襟が特徴的ですね。
背面
前面裏側
(ライナー付き)
ライナーはベスト型
背面裏側
(ライナー付き)
前面裏側
(ライナーなし)
背面裏側
(ライナーなし)
襟周りレイアウト
襟はダットファスナーで立てることができます。
前合わせはジッパーとダットファスナーですが、生地が三重に重なっています。
まずジッパーを閉めて…
右側のフラップを閉めて
最後に左側のフラップをダットファスナーで留めます。
ジャケットタグ
表と裏
腰ポケット
ダットファスナーで開閉
ポケット内部の生地はグレイ
袖
ややテーパー付き
袖口はマジックテープで調整
袖は二重袖で、裏側にもあります。
先端にゴムを内臓
前見頃裏側にはライナーを取り付けるためのダットファスナーあり。
内ポケット
マジックテープで開閉
ライナーを付けると、やや使いずらいですね。
襟にはジッパーが。
襟元にはロック付きドローコードあり。
やはり襟内にはフードが内臓されていました。
襟元のドローコードは、フード前縁用でした。
フード背面
後部に金属製バックル付きストラップがあって、サイズを調整できます。
ジッパーは上下から開くダブルジッパー
ウエストのドローコード(ロック付き)はこんなところから出ています。
裾付近のライナー取り付け用ダットファスナー
襟付け根裏側のライナー取り付け用ダットファスナー
用意周到ですね。
ライナー前面
ライナー背面
襟元は4個のダットファスナーで立てたりサイズの調整ができますが…
ダットファスナーは位置がバラバラです。
この辺りがイタリア軍ですね。
ライナータグ①
表裏
製造所、サイズ、ランドリーデータのようです。
ライナータグ②
表裏
材質のようです。
各種ドローコードのロック
ブラックのプラスティック製
トラウザーズ
前面
背面
前面裏側
背面裏側
タグ
表裏
ベルトループはなくサスペンダーで吊り下げます。
前部のリベットに金具で止めます。
背面ウエスト部にはサイズ調整用ストラップが!
バックストラップは、金属製バックルで調整。
ウエスト左右はダットファスナーで開閉
これなら履きやすいですね。
前面には前合わせはありません。
ほぼストレートです。
足首付近はジッパーで開閉
マチ付きですね。
ジッパーは無刻印
リベット
サスペンダーは根元にゴムを内蔵
サスペンダーの金具
珍しく平板の打ち抜きですね。
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3 その特徴とは?
シェルは濃いネイビーブルーの、ライニングはダークブルーのポリエステル製ツイルで軽量ながら防寒性能に優れています。
ベストタイプのライナー(中綿はアクリル)も装着できます。
デザインは、ジャケットが腰ポケット×2、内ポケットで、着丈の長いハーフコートタイプ。
襟の中にはしっかりしたフードを内臓していますよ。
面白いのは、肩からフードまでにオレンジの生地が使用されているところです。
これは、一説には水兵が海中に転落した場合の発見を早めるためだとか。
なるほど、救命胴衣を着用して浮いている部分がオレンジなら、上空からの発見は容易ですね。
フードも首筋の保温に貢献しそうです。
兵士のことを考えられて設計されていますね。
トラウザーズは、サスペンダー式、ポケットや前合わせはなく、ウエスト左右が開き、サイズ調整はバックストラップで行います。
(シンプルなデザインです。)
全体的な縫製は、イタリア軍にしては正確・丁寧なのですが、今回のモデルはライナーの襟元にあるダットファスナーの間隔がバラバラでした。
誤差の範疇かもしれませんが、この辺りが詰めの甘いイタリア軍らしいですね。
4 製造とサイズのデータです!
製造・契約年度 1992年
製造場所 イタリア
契約会社 イタリア
製造会社 〃
材 質 ポリエステル
アクリル
表記サイズ Ⅲ
(日本人のL)
各部のサイズ(平置)
ジャケット
着丈 約75cm
肩幅 約50cm
身幅 約61cm
袖丈 約60cm
トラウザーズ
ウエスト 約53cm
着丈 約105cm
股上 約37cm
股下 約74cm
裾幅 約24cm
状 態 中古極上品
官民区分 官給品
入手場所 東京の古着屋
入手難易度 1(容易)
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5 まとめ
ネイビーブルーにオレンジは、概ね反対色ですが、逆にワンポイントになっていて面白いですね。
国内外のアウトドア製品メーカーの衣類にありそうなデザインでもあります。
実際このジャケットとトラウザーズを着用すると、軽量で風を通さずライナーの効果もあって、とても暖かいですね。
全て化繊なので火気には要注意ですが、逆に水に浸かっても繊維が水を含まないので、コットンやウールのように重くなりずらいです。
水兵のみならず、キャンプ、釣り、ツーリング、スポーツ観戦や野外コンサートでも十分使えそうです。
軍物らしくないカラーから、ファッションとして普段着にも使用できそうですね。
(ファッションリーダーのあなたなら、コーディネートにも問題ない(?)デザインでしょうか?)
一時品薄でしたが、現在大手通販サイトで再度取り扱われるようになって、もはやいつでもどこでも誰にでも入手可能です。
しかもデッドストックも普通に販売されていますね。
また品薄になるかもしれないので、探していたあなたには早めの購入をお勧めします。
今回は、ファッショナブルなイタリア海軍防寒デッキジャケットを分析しました。
いやー軍装品って、本当に素晴らしいですね!
それではまた、次回をお楽しみに!
(20231121更新)
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参考:他のイタリア海軍装備に関する記事はこちらです。⬇︎
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読んでいただき、ありがとうございました。
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