今回は、1990年代の航空自衛隊野戦用迷彩ユニフォームを分析します。
当時のBX(基地内売店)品ですね。
でも、今回のモデルも後のBX品とは違った初期生産モデルですよ。
勿論、デッドストックです!
目次
スポンサーリンク
スポンサーリンク
1 航空自衛隊野戦用迷彩ユニフォーム(BX品・初期生産モデル)とは?
当ブログでは以前、希少な航空自衛隊野戦用迷彩ユニフォーム(初期生産型)の官給品を分析しました。
今回のモデルは、その野戦用迷彩ユニフォームが支給され始めてしばらくした頃に、航空自衛隊の各基地内売店で販売され始めた、いわゆるBX(基地内売店)品になります。
じつは航空自衛隊内では、この製品の存在すらあまり知られていなくて、ほとんど売れなかったですね。
何しろ、当時(1990年代)の一般隊員には無用の長物(当初、野戦用迷彩ユニフォームは基地防空隊員専用の装備でした。😅)だったので無理もありません。
(また意外に高価でした。アメリカ軍PX品並みに安かったら違った結果だったのかも。🤔)
私が購入した基地内売店では、何年も売れ残っていましたね。
(私以外は購入しなかった説も。←店員のおばちゃん談)
そのためでしょうか?
その後すぐに販売が休止されたようですね。
(後に警備隊員が野戦用迷彩ユニフォームを採用したことから、BX品も生地の迷彩色を変えて生産・販売が再開されました。😃)
おそらく総数としては、官給品(初期生産型)よりも少数なのでは?
さてさて、それはどんなBX品野戦用迷彩ユニフォームなのでしょうか?
今回は、航空自衛隊装備マニアのみならず、現職航空自衛官のあなたと一緒に、確認していきましょう!
2 全体及び細部写真です!
上衣
前面
航空自衛隊としては珍しい4ポケットタイプです。
背面
前面裏側
内ポケットはありません。
背面裏側
襟周りレイアウト
サイズスタンプ
サイズは旧タイプです。
タグ
何故か英語。
生地色
制電作業服のような縦ステッチ?あり。
エポレット
テーパーなしのクサビ型です。
胸ポケット
ボタンで開閉。
腰ポケット
袖
テーパー付き
袖口はボタンで開閉・調整
伝統の左袖ペンポケット
肘の裏側には、補強生地が縫い付けられています。
ボタン
上:ポケット用(小)
下:前見頃用(大)
ボタン小は陸上自衛隊のボタンと似ています。
下衣
前面
背面
前面裏側
背面裏側
前合わせはボタンとジッパーです。
ジッパーは当然「YKK」
サイズスタンプ
タグ
上衣と同じですね。
右側面レイアウト
腰ポケット
ボタンで開閉。
ポケットは左右の越ポケットのみです。
膝補強生地
肘と同様、裏側に縫い付けられています。
スポンサーリンク
スポンサーリンク
3 その特徴とは?
迷彩は、カーキの生地に、ブラウン、グリーン、ブラックで雲や葉のようなパターンをプリントしてあります。
(後期生産品では、生地がライトブラウンで、その他のカラーもややくすんだ色調ですね。)
迷彩色調比較
左:今回のモデル
右:後期生産品迷彩生地
(デッドストックですが保管上の汚れあり)
後期生産品は全体的に赤味が強いのが特徴ですね。
(プリント誤差ではありません。)
パターンは標準的(量産型)な陸上自衛隊の「1型迷彩」と同じで、配色が違うだけです。
でも今回のモデルは少々プリントが雑ですね。
(目立ちませんが…😅)
生地は、官給品とは全く違っていて、おそらくコットンとポリエステルの混紡ツイルです。
表面が「つるっと」しているのが特徴ですね。
デザインは、上衣がエポレット付き、胸ポケット×2、腰ポケット×2。
下衣は、腰ポケット×2です。
上衣は航空自衛隊オリジナル(強いて言えば航空自衛隊砂漠用迷彩ユニフォーム(湾岸戦争タイプ)と同じ?)です。
でも下衣は前合わせ以外は陸上自衛隊の一般隊員用作業服(OD・1型迷彩)とよく似たデザインですね。
全体的な縫製は、丁寧かつ正確で上質な仕立てです。
おまけ
迷彩色調比較に使用したトートバッグ(BX品)
後期生産モデル(BX品)用の迷彩生地で製造
(官給品には存在しません。)
縦:約45cm
横:約45cm
4 製造とサイズのデータです!
製造・契約年度 1990年代
製造場所 日本
契約会社 日本
製造会社 〃
材 質 コットン
ポリエステル
表記サイズ 1
(日本人のL)
各部のサイズ(平置)
上衣
着丈 約75cm
肩幅 約46cm
身幅 約58cm
袖丈 約59cm
下衣
ウエスト 約44cm
着丈 約106cm
股上 約34cm
股下 約76cm
裾幅 約23cm
状 態 デッドストック
官民区分 民生品
入手場所 岐阜基地売店
入手難易度 3(困難)
スポンサーリンク
【在庫処分】航空自衛隊 野戦迷彩 八八式鉄帽用カバー 中 (鉄帽覆い ヘルメットカバー テッパチ サバゲー)
スポンサーリンク
5 まとめ
野戦用迷彩ユニフォームの官給品は、その製造時期によって初期生産モデルと後期生産モデルに分かれているのですが、まさかBX品も同様とは思わなかったですね。
(考えてみれば当然ですが…。)
それはともかく、今回のモデルは、その迷彩パターンの原型となった、陸上自衛隊の1型迷彩(通称「熊笹迷彩」)の欠点を修正した…という説がありますね。
陸上自衛隊1型迷彩は、そのベースとなる生地色がライトグレイグリーン(明灰緑色?)で全般的に明るい色調だったことから不評でした。
(私は分裂効果があって優れた迷彩だと思うのですが…😃)
その点、航空自衛隊の野戦用迷彩服は生地色が、
- 初期生産モデル:カーキ
- 後期生産モデル:ライトブラウン
なので、陸上自衛隊1型迷彩よりも全般的にやや暗めな色調が特徴ですね。
そのため、より汎用性に富んでいるとの評価があります。
本当でしょうか?
いつか実際に確かめてみたいですね。
さて今回のモデル(BX品初期生産モデル)ですが、現在は入手困難品となっています。
(後期生産モデルなら、オークションでたまに見かけますし、もしかしたらまだ航空自衛隊BXで販売されているかも?)
それでも官給品よりは入手できる確率が高いと考えます。
欲しいあなたは、国内のオークションやフリマで探してみましょう。
(ただし、殆どは後期生産モデルの場合が多いです。)
このブログを読んでいただいたあなたには識別できるかもしれませんが、一般人には十把一絡げで初期も後期も同じ「航空自衛隊野戦用迷彩ユニフォームのBX品」と認識されているようです。
存外、安価に入手できる場合があるかもしれませんよ!
私は、販売されていたと噂される同迷彩フィールドジャケット(BX品)を探してみたいと思います。
今回は、航空自衛隊基地内売店で販売されていた、希少な野戦用迷彩ユニフォーム(初期生産モデル)を分析しました。
いやー自衛隊装備品って、BX品も本当に素晴らしいですね!
それではまた、次回をお楽しみに!
(20240128更新)
スポンサーリンク
スポンサーリンク
参考:航空自衛隊野戦用迷彩ユニフォーム(初期生産型)官給品に関する記事はこちらです。⬇︎
後期生産生地を用いたモデルに関する記事はこちらです。⬇︎
航空自衛隊が一番最初に採用した迷彩服に関する記事はこちらです。⬇︎
上記2点における迷彩パターンの原型となった陸上自衛隊の迷彩ユニフォームに関する記事はこちらです。⬇︎
その他の自衛隊装備に関する記事はこちらです。⬇︎
✳︎ ✳︎ ✳︎
読んでいただき、ありがとうございました。
スポンサーリンク
スポンサーリンク