今回は、2000年代の航空自衛隊リバーシブルジャケットを分析します。
当時、航空自衛隊で採用していた標準的な作業服のグリーンと野戦用迷彩とのリバーシブルですね。
勿論、官給品ではなく、BX(基地内売店)品になります。
(元々こんな便利な装備は官給品に存在しませんね。)
今回は、隊員が実際に使用していたものですが、程度は良好ですよ!
目次
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1 航空自衛隊リバーシブルジャケット(グリーン&野戦用迷彩)とは?
その昔、航空自衛隊にはアメリカ軍M65フィールドジャケットに相当するコートタイプ防寒着がありませんでした。
(寒冷地で使用する防寒ヤッケ(アメリカ軍のN-3Bに相当)は、一部の地域や職種に限定支給されていましたが…。)
その代わりに通常「ジャンパー」と呼ばれる、MA-1タイプのジャケットが支給されていましたね。
ところが、その支給は全員ではなくパイロットやエアクルー(メディック、ロードマスター等)と一般職種の准尉以下の隊員が対象でした。
(パイロットやエアクルーは専用の航空ジャンパーでしたね。)
そのため一般職種の幹部自衛官と各級事務官は、私費で「ジャンパー」を購入しなければならなかったのです。
それを見越して…かどうかはわかりませんが、当時のBX(基地内売店)には数多くの業者製造のジャンパーが販売されていましたね。
…どうせ私費で購入するなら、より良い品質のジャンパーを!…と皆が考えたかどうかはともかく、裏ボア付き、中綿入りなど暖かいモデルの他、他の機能を併せ持つモデルもありましたね。
今回のモデルは、防寒性能よりも特殊な機能を優先させた、完全リバーシブルモデルになります。
よく「基地防空隊」や「警衛隊」専用…との噂がありますが、誰でも購入できるBX製品でしたね。
さてさて、それはどんなリバーシブルジャケットなのでしょうか?
今回は、航空自衛隊マニアのみならず、柔軟に使用できる迷彩服をお探しのあなたと一緒に、確認していきましょう!
2 全体及び細部写真です!
グリーン側前面
MA-1に似ていますが、少し丈が長いですね。
左胸のマジックテープは後付けで、通常ネイムタグと階級章を取り付けます。
グリーン側背面
迷彩側前面
迷彩生地は、後期生産型の色調で、BX品野戦用迷彩服と同じタイプです。
迷彩側背面
襟周り
前合わせはジッパーのみです。
脇の裁断
胸ポケット
タグは右ポケット内にありました。
サイズのみのシンプルなタイプ
袖
僅かにテーパー付き
袖口はニットですが…
左袖ポケット
勿論完全リバーシブルなので、同じデザインのポケットが両面にあります。
背中にはアクションプリーツあり。
左右のプリーツはゴムで繋がっています。
(テンションあり。)
袖ニットは、内側が毛羽立っています。
これは、当時の作業服の袖口に付いていたマジックテープの影響です。
それと、裾ニットの影響でテンションの掛かる部分は、スレによる褪色が顕著です。
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3 その特徴とは?
生地は、グリーン側がポリエステルのサテンで、迷彩側がコットンとポリエステルのツイルです。
迷彩生地は、当時BX(基地内売店)で販売されていた、後期生産品の野戦用迷彩服と同じものですね。
(全体的に赤味が強いのが特徴です。)
配色は、ライトブラウンの生地に、ブラウン、グリーン、ブラックで雲や葉のようなパターンを描いています。
この迷彩生地は、陸上自衛隊1型迷彩の官給品生地と同じパターンですが、色調は大きく変えてありますね。
迷彩パターン及び色調比較
今回のモデル
(◯に注意)
陸上自衛隊迷彩服1型官給品
航空自衛隊野戦用迷彩の中にも、ちゃんとワンコとプテラノドンがいますね。
(色調は違いますが、グリーンやブラウンの配置も踏襲しています。)
また、以前支給されていた基地防空隊などの野戦用迷彩服(官給品)とは、少々色調が替わっていますね。
今回のモデル
基地防空隊野戦用迷彩服(官給品)
野戦用迷彩服はベースがカーキなのが大きく違っていますね。
(後に野戦用迷彩服も、ベース色がライトブラウンに変更されました。)
ところで今回のモデルには中綿がありませんが、お互いの面がライニングの役割を果たすため風を通さない造りになっています。
デザインは、MA-1に似たお馴染みの完全リバーシブルブルゾンタイプです。
構成は、胸ポケット×2、袖ポケットで襟、裾、袖口にはニットが配置されていますよ。
全体的な縫製は、さすが日本製で正確、丁寧、強度も十分ですね。
今回のモデルはサイズが「2号」ですが、アメリカ軍の42インチまたは「L」くらいのサイズ感です。
同じ様なコンセプトで製造されたモデルには、ブルーと陸上自衛隊1型迷彩、そしてグリーンと現用のデジタル迷彩のコンビもありますよ。
4 製造とサイズのデータです!
製造・契約年度 2000年代
製造場所 日本
契約会社 日本
製造会社 〃
材 質 コットン
ポリエステル
表記サイズ 2
(日本人のL)
各部のサイズ(平置)
着丈 約67cm
肩幅 約49cm
身幅 約59cm
袖丈 約59cm
状 態 中古良品
官民区分 民生品
入手場所 岐阜基地売店
入手難易度 3(困難)
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5 まとめ
実際に着用すると、中綿は入っていませんが風を通さないため意外に暖かいですね。
中にセーターなどを着込むと、真冬でも大丈夫そうです。
(丈が短のが難点ですね。)
何よりリバースブルで片面が迷彩であることから、移動ではグリーン面を使用、現場に行って活動する場合には迷彩面を使用する…そんな柔軟な使い方ができるのが魅力ですね。
上半身のみの迷彩ですが、サバイバルゲーム、狩猟、野鳥観測、1990年代の航空自衛隊員を再現するヒストリカルゲームなどに使えそうですよ。
ところで今回のモデルは、退官した航空自衛隊幹部自衛官から譲っていただいたものです。
なんでも冬季の基地警備用に購入したのだとか。
なるほど戦闘時なら、迷彩の方が敵から発見される確率が低くなりますね。
その元隊員によりますと、1990年代に任官した幹部は、ちょうど航空自衛隊作業服の変換期に勤務していたので、余計な出費を強要されたとか。
(ちょうど作業服が、セージグリーン(グレイ)からグリーンに変わる時期でしたね。)
上述の理由で、都合ブルー生地、グリーン生地のジャケット(ジャンパー)を入手しなければならなかった様です。
アメリカ軍のように、各種衣料品を市価の半値以下で購入できるならいざ知らず、BX品とはいえユーザーの足元を見た高価格な設定に、私も疑問を持ちながら購入した覚えがあります。
でも、持ちつ持たれつ…そんな関係だったのかもしれませんね。
(現在は、粗悪ですが作業服外被(?)が全隊員に支給されているので、ジャンパーは必要なくなりました。でもこれが良かったのか悪かったのか?…少なくとも要らぬ出費は抑える事ができますね。)
さて今回のモデルですが、少し前の製品ですが、意外に売れ残っていることがあります。
たまに航空祭などでは業者が販売している場合もあるので、探しているあなたはぜひ覗いてみましょう。
また、退官した幹部自衛官が、あるいはオークション等に出品する場合があるかもしれません。
併せてオークションにも注目しておきましょう!
私は、ブルーと陸上自衛隊1型迷彩とのコンビモデルを探してみたいと思います!
今回は、BX品ながら、柔軟な使用ができる航空自衛隊リバーシブルジャケットを分析しました。
いやー自衛隊装備品って、本当に素晴らしいですね!
それでは、また次回をお楽しみに!
(20231115更新)
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参考:今回のモデルに使用されている迷彩の原型に関する記事はこちらです。⬇︎
他の航空自衛隊装備品(モデル品も含む)に関する記事はこちらです。⬇︎
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読んでいただき、ありがとうございました。
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