今回は、1980年代の陸上自衛隊迷彩ユニフォームを分析します。
勿論熊笹迷彩なのですが、今回のモデルは迷彩パターンが大きく違うモデルになります。
1型迷彩生地には、こんなパターンもあったのですね。
中古ですが、ほとんど使用感のない極上品ですよ!
目次
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1 陸上自衛隊装備品 迷彩服1型上下(幻の熊笹パターン・一般用・PX品)とは?
陸上自衛隊の迷彩服1型は、通称「熊笹迷彩」とも言われています。
その最初期型とも言える「各迷彩色が接触していない」パターンのモデルは、以前このブログでも分析しました。
今回のモデルは、その最初期型でも後の量産型(官給品及び共済組合品)でもない不思議な迷彩パターンの生地で製造されたものになります。
以前からマニアの間で「変なパターンの熊笹がある!」との噂がありました。
おそらく今回のモデルのことではないかと思われます。
実態は、官給品を製造している会社が作成した、PX(駐屯地売店)専用の迷彩生地だったようですね。
でも実際に私費で購入した隊員が、普通に(!)使用していましたよ。
さてさて、それはどんな迷彩ユニフォームなのでしょうか?
今回は、コアな陸上自衛隊装備マニアのあなたと一緒に、確認していきましょう!
2 全体及び細部写真です!
上衣
前面
確かに一見「熊笹」迷彩ですが、細部パターンは全く違っていますね。
背面
明らかに官給品量産品の迷彩パターンではありません。
…でも、このパターンも美しいですね。😃
前面裏側
背面裏側
胸ポケット
ボタンで開閉
ボタンホールはポケットフラップに縫い付けられています。
(最初期型と違いますね。)
ジッパー
官給品ジッパーが使用されていました。
(当時のPX品は殆どそうでした。)
ジッパー スライダー 裏面
タグ
シンプルです。
袖
ボタンで二段階に調整
ボタンも官給品ですね。
エポレット
テーパーなしのクサビ型です。
ボタンで開閉
脇の通気口
ジッパーエンドの差込口
刻印は、勿論信頼の「YKK」
うなじのタグ
印字は消失😅
下の「①」スタンプに注意(官給品と同じ仕様)
ポケットの力布と脇の処理
肘の補強生地
裏側から当ててあります。
下衣
前面
背面
前面裏側
背面裏側
前合わせはボタンのみ。
腰ポケット
ボタンで開閉
ボタンホールはポケットフラップに縫い付け。
下衣のタグ
膝の当て布
肘と同じ裏側に縫い付けられています。
股間の補強布(裏側)
前合わせ裏側
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3 その特徴とは?
迷彩の色彩は、官給品迷彩生地と同じか少し明るい色調です。
でもパターンは明らかに違いますね。
迷彩各色は、初期型のように、あからさまに間隔が空いているわけではなく、かと言って量産型のように接触はしていません。
今回のモデル
前面
官給品量産型または当時のPX品迷彩パターン
前面
(識別のために空挺服にしています。)
今回のモデル
背面
官給品量産型または当時のPX品迷彩パターン
前面
(識別のために空挺服にしています。)
迷彩パターンの違いがお判りいただけたでしょうか?
私が熊笹を識別するときに、まず確認するのが特定のパターンです。
ここでは「ワンコ」と「プテラノドン」としておきます。
これは、官給品の熊笹迷彩生地の黒に近いダークブラウン(またはマホガニーブラウン)に認められるパターンです。
(下写真赤丸参照)
今回のモデルには、量産型にあるべきパターンであるこの二つのパターンがないですね。
でも迷彩パターンは違っていますが、迷彩の色調が似ているので、全体としては、あまり違和感がありませんね。
(この迷彩服を着用して各種装備を装着すると、より違和感がなくなりますね。)
おそらく当時の陸上自衛隊の規格はクリアしていたのではないでしょうか?
(そもそも、迷彩パターンまで頓着していなかったのかも?🤔)
全体的なデザインは、官給品と変わりません。
上衣は、エポレット付き、胸ポケット×2で、前合わせはジッパー。
下衣は、腰ポケット×2で、前合わせはボタンのみという、とてもシンプルなデザインです。
全体的な縫製は、かつての官給品やPX品よりは少々正確さに欠けるようです。
でも強度は問題ありません。
4 製造とサイズのデータです!
製造・契約年度 1980年代
製造場所 日本
契約会社 日本
製造会社 国内会社
材 質 コットン
ビニロン
表記サイズ 1
(日本人のL)
各部のサイズ(平置)
上衣
着丈 約77cm
肩幅 約42cm
身幅 約54cm
袖丈 約57cm
下衣
ウエスト 約43cm
着丈 約107cm
股上 約33cm
股下 約76cm
裾幅 約19cm
状 態 中古極上品
官民区分 民生品
入手方法 ヤフオク
入手難易度 3 (困難)
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5 まとめ
他国に比べて、品質管理が厳格な自衛隊でも、PX品は比較的おおらかだったのでしょうか?
迷彩服1型(熊笹迷彩)には、このほかにベースとなるライトグレイグリーン(明灰緑色?)がライトブラウン(飴色)のものもありました。
(末期熊笹ですね。)
でも今回のモデルが何故開発されたのでしょう?
これには
- 1型迷彩(熊笹迷彩)生地が不足した
- そもそも業者が適当に迷彩パターンを模造した
- 官給品迷彩生地との差別化を図った
などが考えられますが、正確なところは不明です。
でも、ある程度この迷彩生地は量産されたようで、戦闘服の他にリバーシブルジャケット(ジャンパー)などにも使用例がありますね。
不思議です。🤔
それはともかく今回のモデルは、官給品迷彩生地を用いたモデルに比べて、圧倒的に数が少ないです
これまで、オークションでもあまり見ることがありませんでした。
もしかしたら稀少なのかもしれませんね。
勿論「熊笹」ですので、北海道のみならず各地のフィールドでも効果があります。
(特に静止時)
もし入手できたら、サバイバルゲームや野鳥観察などには使用せず、保管しておくのが良いのかもしれませんね。
私は、存在は不明ですが今回のモデルの迷彩生地を用いた空挺服を探してみたいと思います。
今回は、稀少な迷彩生地で仕立てられた陸上自衛隊の迷彩ユニフォームを分析しました。
いやー自衛隊装備品って、本当に面白いですね。
それでは、また次回をお楽しみに!
(20240518更新)
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参考:今回のモデルと同じ迷彩生地を用いたアイテムに関する記事はこちらです。⬇︎
陸上自衛隊迷彩服1型に関する他の記事はこちらです。⬇︎
他の自衛隊装備に関する記事はこちらです。⬇︎
各国軍の迷彩服に関する記事はこちらです。⬇︎
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読んでいただき、ありがとうございました。
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