今回は、1990年代の陸上自衛隊リバーシブルジャケットを分析します。
勿論官給品ではありませんが、当時の隊員には重宝されていましたね。
迷彩生地は、あの末期の暗い熊笹迷彩ですよ!
中古品で使用感がありますが、程度は良好です!
目次
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1 陸上自衛隊迷彩リバーシブルジャケット(末期熊笹迷彩・PX品)とは?
僅かな例外を除いて、陸上自衛隊が初めて採用・量産した迷彩服1型。
諸説ありますが、1960年代に採用されました。
今回のモデルは、採用以降にPX(駐屯地内売店)の業者が、迷彩服1型の生地を使用して開発した一種の防寒着になります。
(当時は迷彩の防寒装備がありませんでした。背に腹は変えられない隊員は、私費で購入していました。勿論私も…。)
このジャケットは迷彩とOD(オリーブドラブ)のリバーシブルで、演習時は迷彩面を、開始前や終了後はOD面を使用できるようになっていました。
迷彩面は通称「熊笹」迷彩と言われる、やや明るくメリハリの効いた色調の迷彩ですね。
この迷彩生地には、以下の4種類のタイプがあります。(2020年現在)
⑴ 試作または先行量産タイプ
最初期のもので迷彩各色が殆ど接している。迷彩の色調も後のタイプよりやや暗い。
⑵ 官給品量産型タイプ
一番多く製造された。
⑶ PXタイプ
業者が新しく造ったもので、色調は官給品と似ているが、パターンが全く違う。
⑷ 末期タイプ
パターンは官給品と同じであるが、迷彩全色の色調が暗い。
今回のモデルは、⑷の末期タイプの迷彩生地で製造されたモデルになります。
以前分析した作業服と同じ生地なのですが、褪色が然程進んでいないので、より官給品生地との違いがわかると思います。
以前分析した末期タイプ(かなりの褪色あり)の記事はこちらです。⬇︎
さてさて、それはどんな迷彩生地で、できているのでしょうか?
迷彩服コレクターのみならず、コアな自衛隊マニアのあなたと一緒に、確認していきましょう!
2 全体及び細部写真です!
迷彩側前面
迷彩側背面
襟周り
脇のデザイン
アメリカ軍レザーフライトジャケットG−1とよく似たデザインですね。
腰ポケット
ポケット内側は白い生地
OD側からも使用できます。(中で繋がっています。)→ポケットは一種のスリットですね。
裾ニット
袖ポケット
ジッパーで開閉
袖ニット
化繊です。
背中のアクションプリーツ
OD側前面
OD側背面
襟周り
脇のデザイン
全く迷彩側と同じです。
腰ポケット
裾ニット
袖ポケット
袖ニット
勿論アクションプリーツもありますよ。
ジッパーは「YKK」
タグ①
記名札はシンプルなスクエアで所属や氏名欄はありません。
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3 その特徴とは?
まず迷彩ですが、量産型熊笹迷彩より全色が暗い色調ですね。
配色は、ライトグレイグリーンの生地に、マホガニーブラウン、ブラック、ダークグリーン用いて各種雲型や葉のようなパターンをプリントしています。
パターンは一般的な官給品量産型と同じです。
しかしにグリーン、ブラウンの色調が濃く、各色の明度差が少なくなっていますね。
ブラックに近いマホガニーブラウンの色調は変わりませんが、グリーンとブラウンが濃くなっているため、遠目には2色迷彩に見えるのが特徴です。
(量産型の熊笹迷彩とは全く違っていますね。)
一方ODは、ナイロン製時代のモデルより僅かに明るい色調ですね。
生地は両面ともコットンとポリエステルの混紡で、やや厚いツイルです。
(ビニロン混紡ではありません。)
ニットは化繊(おそらくポリエステル製)ですね。
(洗濯が楽で良いです。)
デザインは、腰にスラントポケット、左袖にポケットが両面にある完全リバーシブルです。
(ジッパーはスライダーのプルタブがレールで両面を移動できるタイプ。)
今回のモデルは襟がよくある「MA−1」タイプではなく、通常のデザインになっています。
(勿論、襟もリバーシブルですよ。)
全体的な縫製は、丁寧かつ正確で高品質な仕立てです。
4 製造とサイズのデータです!
製造・契約年度 1990年代
製造場所 日本
契約会社 日本
製造会社 〃
材 質 コットン
ポリエステル
表記サイズ 1
(日本人のL)
各部のサイズ(平置)
着丈 約66cm
肩幅 約51cm
身幅 約59cm
袖丈 約56cm
状 態 中古上品
官民区分 官給品
入手場所 ヤフオク
入手難易度 4(極めて困難)
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5 まとめ
何故今回のモデルの迷彩生地が製造されたのでしょうか?
これは推定ですが、官給品量産タイプやPXタイプの熊笹迷彩が、末期には在庫が尽きたのではないでしょうか?
または、官給品生地は明るい色調で不評だったことから、業者が試験的に暗い熊笹迷彩を製造したのでは?
でも、謎が残りますね。
この末期タイプ迷彩生地を用いたアイテムは、少なくなりつつある熊笹迷彩(迷彩服1型)関連品の中でも最初期の次に少ない状況です。
市中では、まず見かけることがありません。
実際に戦闘服(作業服)と併用して使用されていた例もありますので、ある程度の数量はあったと思われます。
この末期タイプが100パーセントPX品とするなら、私費購入なので部隊に返納する必要がないことから、もっと数があってもおかしく無いのですが…。
これも謎ですね。
もはや、熊笹迷彩(迷彩服1型)が廃止されて20年以上経過している現在、見つかるのは奇跡と言って良いでしょう。
もし見つけたら、可能な限り保護してあげましょう。いえ、コレクターなら保護する義務があるでしょう!
私は、狭く遠い道ですが…デッドストックを探してみたいと思います!
今回は、珍しい迷彩生地を用いた陸上自衛隊のリバーシブルジャケットを分析しました。
いやー自衛隊装備品って、PX品も本当に面白いですね。
それでは、また次回をお楽しみに!
(20230904更新)
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参考:他の迷彩服1型生地のアイテムに関する生地はこちらです。⬇︎
(色調の違いがわかるでしょうか?)
* * *
読んでいただき、ありがとうございました。
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